超長文になって本当にゴメンナサイ。
伏してお詫びしながら残りの解説を。
>正確なデータが欲しいので、できれば引用元ページもあると嬉しいです。
送電網については、申し訳ないですが公開されません。
というのも、上に書いたように「送電網にいたずらされると、場所によっては大停電になる。」からです。
電力会社内部なら仕事柄見る機会もありますが、本当の大事な部分については社内でも簡単には閲覧できません。
これらがどのくらい厳重か?というと......。
お近くの電力会社には漏れなく「中央給電所」という設備があります。
各支店にも「地方給電所」という物がありますがこれとは別物で、大抵は本店の真横にあり、かつ別の場所(大抵は他県)に予備設備も持っています。
見学もある程度可能かとは思うんですが.......。
ここはテロに備えて「ひょっとしてアメリカ軍の特殊施設?」ともいうべき設備になっています。
ドアは分厚い鉄製ですし、窓も極端に少ない。
出入りの管理も非常に厳しい。(社員でも証明できなければ入れてもらえません。)
お求めが「正確なデータ」という事でしたら、これはその給電所内部にだけ有ります。
(それほど厳重なデータという事です。)
簡易版とするなら......。
相当の集計(月間値などにしている)はありますが、電気事業連合会の出している電力統計情報は正確です。
同じ物の各電力版は各電力のHPから引っ張れるかもしれませんが、これも正確です。
良く「都合の良いように改変している」とありますが、これらの資料は「数字においては」全くそのようなことはしていません。
仮にするとしても、一つのデータをいじると他のデータとの整合性が取れなくなって収拾できない状態になります。
少なくとも、私のように元職が見ると「アレ?おかしくね?」と確実に解ります。
(だからこそ、元職の私が検算を元に誤論を非難できるんです。)
ただ「データの読解」については、これは主義主張も入りますのでね。
例えば予備力5%という数字を見ても、「今年は異常なんだから5%でも容認しようよ派」と「いや、異常なのは供給側であって、需要側には関係ないっしょ?今年でも来年でも停電は人命にかかわるよね?派」とでは、結論(読解、解説)は全く逆になります。
ちなみに私は後者の立場を採ります。
重複になって申し訳ありませんが、ここからは私見で。
将来的には原子力から抜けだすことは可能と見ています。
私見なら......。
大原則として、まずは家庭や公共施設を中心とした節電を徹底的に(夜間も含めて)進めます。
こうやって需要をある程度落とす、いざ停電となっても慌てない態勢を作ることで、送電網や発電所群の制御を簡単にします。
こうすれば、受給も楽になりますし、停電リスクも減ってきます。
次に大規模自然エネルギーを徹底的に開発します。
最有力は地熱。
「量的にダメでしょ」と言う人も居ますが、これは環境白書の読み違いで、国定公園等も全く無視させてもらえば、原子力の1/3程度までは行けるんでないかと概算しています。
ただし風力・大規模太陽光は相当危ない。
これらは出力が制御しにくい、出来るとしても沢山の発電所・送電網を新設することになります。
送電網が長くなればなるほど事故リスクは増える、そんな多くの発電所を上手く制御する技術はチョットないことを考えると、受給論的には何とかなっても、系統安全性としてはチョットでも受給を齧った者なら大反対します。
良くデンマーク等の例が持ちだされるんですが......。
確かに恒常的な風のある地域ならば、ある程度の量と安全性を持って送電系統に繋いでも宜しいでしょう。
ただ先にも書いたように、需給調整は瞬時瞬時の勝負ですので、大々的に風力が作られ個々が勝手に出力を変えてもらっては系統の安定性は保てません。
単純に言うと、火力の出力が乱高下して設備に負担を掛け故障の確率を飛躍的に上げます。
ただでさえ火力の台数が減っている時期は1台でも落ちてもらっては困ると考えると、これは相当深刻なんですね。
イメージならマスゲームですかね?
2人でマスゲームやるなら併せる事も簡単でしょうけど、人数が増えるにつれて困難さは飛躍的に上がるでしょう?
ゲームなら間違いで済みますが、電力網では一人の間違いが(場合によっては)となりに波及するんですよ。
ちなみに。
東北で自然エネルギー100%の地方自治体が出たとか言いますが、これは分母として遥かに大きな電力会社が、色々な意味(系統安全性等々)でバックアップしているからこそ可能な話しで、クラウド云々も、この面のアキレス腱を持っています。
マスゲームなら、端っこの一人が間違っても分母が十万人単位なんてものなので間違いがホボ目立たない(観客から全体として及第点を貰える。)です。
次に各家庭には太陽光を設置します。
売電を主に考える(供給力に算定する)と、何度も書いたように系統安定性を予想がつかないほど損ないますが、各家庭の需要を減らす効果を中心に考えれば非常に有効です。
また需要点にも近いので火力の負担を減らす効果もあります。
加えると、夏需要は日射量に比例しますので、日射量に比例して電力が出て来る各家庭太陽光は「原理的にピークカット機能を持つ=難しい制御が不要」となりますので非常に宜しい物です。
節電で20%(原子力に対してですよ。総量に対しては多くても10%弱でしょう)、地熱で30%、太陽光で20%、合計70%程度賄えれば、あとはLNG火力の増設or既存旧タイプ火力の更新で何とかなるでしょう。
強力な後押しと住民の協力があれば、設備建設は最短10年ほどで可能かと思います。
そこからなら全原発を止めてもリスクは回避可能だと断言できます。
お礼
非常に詳しい回答ありがとうございました。 やはり主義主張でかなりデータの受け止め方が違うようですね。 となると妥協点としては、即時停止ではなく徐々にしかし最速で停止していく流れでしょうか。 原子力の代替方法がとてもわかりやすかったです。ベストアンサーにさせていただきます。 皆様、どうもありがとうございました。