余談になりますがアナログ電波での液晶テレビについて。テレビの電波というのは先ほど書いたようにブラウン管に絵を出すために都合よく決められたもので一筆書きというブラウン管の特性に合っています。ところが液晶はつぶつぶが独立しており物理的にデジタルです。液晶回路には液晶回路の難しさがあって、一枚の画面でも数分割して同時に絵を描かなければ画面がパラパラ非常に遅くなってしまうとか、要するに液晶表示にデータを送るタイミングについては従来のビデオ信号に合わせられない事情があります。
そこで液晶テレビでは、アナログのビデオ信号を一度デジタル化してメモリーに入れてしまいます。液晶回路の方はこのメモリーから絵の情報を読み出して液晶に都合の良いタイミングで表示してゆくのでこのあたりはパソコンと同じです。こうしなければ、液晶表示器はブラウン管のようにビデオ信号が入ってくるそばからそのまんま一筆書きするということができないのです。
というわけで、この点は液晶はまったくデジタルです。この方法のおかげで画面の隅に裏番組を表示するなんていう、ブラウン管テレビからすると魔法のようなことが簡単にできるのです。ちなみにブラウン管でも同じようなことが出来ますがその方法は液晶と同じ、一度デジタル化してメモリーに入れ、それを読み出して再度合成されたビデオ信号を作る必要がありました。ブラウン管は画面全体で筆一本の一筆書きしか出来ないんですから、二つの無関係なビデオ信号の命令で一枚の画面を作ると言うことは簡単ではないんですね。
こう考えると、いずれにせよデジタル化してメモリーに画像を展開しなければならない液晶テレビって言うのは、圧縮技術を使って情報量が多いデジタル放送とは整合性が良いとは言えますね。かく言う私はアナログにせよデジタルにせよ10年近くテレビを持ってもいないし見てもいないんですが。
お礼
追加のご回答ありがとうございます。 だいぶ理解が深まりました。 テレビの世界では、省電力・薄型等の要請から、わざわざA/D変換という手間をかけてまで液晶画面が幅をきかすこととなった、というわけですね。勿論液晶技術の進歩があってこその話しでしょうけれども。 (蛇足) >テレビを持ってもいないし見てもいないんですが。 PC等で「テレビ番組」は見ておられるんでしょうねぇ。