ほとんどの場合、タイミングベルトのトラブルは突然におこります。まれにタイミングベルトの張りが緩んでタイミングベルトカバーを叩く音が出る場合がありますが、すべての場合で起こる症状ではないので、判断の基準にはなりません。
そういった理由からもタイミングベルトは定期交換部品に指定されており、異常が発生する前に定期的に交換する部品として扱われています。どうしても現状の確認をするのであればタイミングベルトカバーを外すか、チェックホール(ないものが多いが)のあるものではキャップを外して黙視による点検ができないことはありません。ただし、エンジンによってはこの点検もかなり面倒なものもありますし、全週にわたって点検する必要があり、見極めるのにもそれなりの経験が必要ですんのであまりお勧めできません。
タイミングベルトが切れるとエンジンは突然とまり再始動もできなくなります。また、エンジンによっては開いたまま止まってしまったバルブと慣性で動き続けるピストンが衝突(いわゆるバルブクラッシュ)してしまい、バルブやロッカーアームなどにもダメージが及ぶ場合があります。こうなってしまうとタイミングベルトを交換しただけではエンジンは掛かってくれません。シリンダーヘッドをおろしてバルブの交換やバルブシートの修正などかなり重整備になってしまいます。故障車を修理工場まで運搬する費用やタイミングベルト切断によって引き起こされる2次的な被害まで考えると、指定距離での事前整備を行うほうが経済的にも優位であると考えます。