格闘ゲームのことについてすこしずつ分かってきました。
いままでに開発された対戦格闘ゲームのAIには、必ず勝ててしまうパターンがあるとのことですが、これには様々な理由があるでしょう。
まず、ゲームに搭載するAIとして、絶対人間には勝てないAIを搭載することにどんな意味があるのか、ということです。そんなモードがあったとして、誰がコインを入れるでしょうか? せいぜい一回やってみて「確かに勝てないな」ということを確認して終わりです。そんなものを実装することは、商品として無駄ですし、仮に作れたとしても作ってみようともしないでしょう。
お金の話は抜きにして、既存のAIを改良する方法がないか考えてみましょう。既に、相手の行動を予測しなくても迎撃可能な技は全て迎撃できるAIがあるものとします。
この場合考えるべきことは、無予測迎撃不可能な技(以下、AIハメと呼ぶことにします)に対してどのように対処するかだけで済みます。考えられる対処方法は次の通りです。
1. AIハメを出させないようにする
2. AIハメを出されても大丈夫なようにする
格闘ゲームのルールについて詳しくないので、これですべてだとは思いませんが、想像する範囲で具体的な方法を考えてみますと、
1-1. AIハメを出せないようにする(常に当たらない位置にいるなど)
1-2. 先制攻撃する
1-3. フェイントを出す
1-1については、可能ならば最上の策ですが、実際必ずしもそれだけではうまくいかないのでそういうパターンが出来てしまうのでしょう。
となると、1-2, 1-3あるいはそのほかの人間同士の対戦と同様の戦術が必要になってきます。
そうなってくると、重要なのは戦術研究とその適用です。
ここで、ゲームに付属のAIはかなり不利になります。なぜなら、AIを作るときにはゲームはまだ完成しておらず、戦術研究などろくに進んでいません。また、コンピュータはゲームを動かすだけで精一杯で、AIに複雑な戦術を駆使させることができません。
またお金の話に戻ってしまいますが、ゲームを作るときには、CPUパワーを使ってまでAIを強力にすることが求められるのはシミュレーションゲームやパズルゲームくらいで、格闘ゲームだったらゲームそのものをスムーズに動かすこと、あるいは演出を豪華にしたりすることのほうが重要視されるでしょう。
疲れてきたのでこのへんにしておきますが、技術的に可能かどうかで言えば十分可能だろうと思います。ただ、誰もそれをやろうとしないのには理由があるのです。まとまってなくてすみません。
お礼
普通の家庭用格闘ゲームのオマケモードとして存在する分には誰でもやると思いますが? そのうえで、これまで数百という格闘ゲームが開発されてきたのに、 ただの一つとして無敵またはそれに近いAIすら一度も存在してない理由は? 必勝パターンを対策するなどと言葉で言うだけなら簡単です。 すべての技に対応する「超反応」と呼ばれるAIはかなり昔からあります。 しかし人間側はその穴をついて勝つ方法をいつも見つけてきました。 結局、将棋などと同じで「理論上はAIが無敵」であっても、 時間内に判断を下さなければいけないという制約があるため現実には無敵にはなれない という現代の技術的な限界があるのではないかと考えています。 将棋なら1手につき1分前後の判断時間があって、 それでもいまだにアマチュア大会ベスト8程度の実力が現代科学の限界です。 10年前だとCPUが1手うつのに毎回1分ほど使って、 それでもちょっと強い素人程度のレベルでした。 それが格闘ゲームだと0コンマ1秒単位で判断をし続けなければいけないわけですよ。 パターン数が将棋よりずっと少ないとしても、 この思考時間の短さはCPUにとって決して簡単ではないと思います。 いくら現代のCPUでも0コンマ1秒で出来ることって限度がありますよね。