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作曲の方法
音楽が好きで、曲を作りたいのですが、楽器ができない初心者でも曲を作れる方法があれば教えてください。 よろしくお願いします。
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GUI…そうですね、 その辺りは少し補足しておきたいところです。 GUI - Graphical User Interface これ自体は、コンピュータの概念です。 詳しくはGoogle等で検索することを勧めますが、 コンピュータの原理に関する大枠の理解を前提としないと、 的確な説明はやや難しいので気にしなくてもいいでしょう。 マウスを使って操作するソフトウェアのこと、とでも言っておきましょうか。 ここでは、音楽制作の観点から説明を与えます。 レコードは元々、楽器を演奏して録音することによってのみ作られていました。 そこに電子回路の技術(technology)の発展があり、電子楽器が生まれ、 そして必然的に、「打ち込み」という手法が生まれてきたわけです。 楽器が弾けないとなれば、打ち込みによる楽曲制作を行うことになるでしょうから、 ここはひとつ、打ち込みについて少し考えてみたい。 元々その実体は「情報」であったにも拘らず、 それを独立に表現する手段が楽譜しかなかったために、 実質的に技術(art)と未分化であった「曲」という対象を、 コンピュータを用いて情報のまま独立に扱う手法、 これが打ち込みであるであると言えるでしょう。 それはつまるところ、「プログラミング」なのです。 コンピュータは本来、計算と制御しかできません。 ですから、昔の“打ち込み職人”たちは実際に、 コンピュータに数字を「打ち込んで」いました。 もちろん打ち込んだデータは、コンピュータに読み込ませ、 電子楽器――これもまたコンピュータ――に与えることで、 我々に聴こえる音声の信号を生成するわけです。 しかし時代は下り、今はご存知WindowsやMac OSの時代。 となれば、技術的な問題に囚われることなく、 音楽の本質だけを抽出した作業環境が求められることは歴史の必然です。 これを可能にしたのが、コンピュータを抽象化するGUIなのです。 WindowsやMac OSといったOS自体、 GUIによって我々に快適な作業環境を提供しています。 実際、現代において、世の楽曲制作は100%、 GUIによる制作環境であるDAW(Digital Audio Workstation)、 およびそこに含まれるシーケンサ機能によって行われています。 これを用いれば、音楽の全体を視覚的に捉えながら、 効率的な作業を行うことができます。 (DAWが具体的にどのようなものかは、 CubaseやSONAR等の公式サイトを見てイメージを掴んでください) にも拘らず、私があえて初心者にそういうものを勧めないのは、 抽象化の結果として、本質的な意味で複雑化しているからです。 これは単に、難しい機能を使わなければいいなどという単純な問題ではないのです。 上で、「音楽の本質を抽出した」と書きましたが、 そもそもの「音楽の本質」に慣れていなければ、逆効果にもなりうるということ。 高機能なDAWは、一見すれば分かりやすい作業環境であるように思えますが、 その多機能さ、そして音楽の全体を提示する造り故に、 一音一音を編んで曲を作るという意識を失いがちになります。 音楽そのものの初心者にとってはむしろそれが心理的負担になる可能性が高い。 もっと具体的に言えば、初めからこういう環境で音楽を作ろうとすると、 行き詰ったときに自分が何に躓いたのか分からなくなる。 恐らくそれには、始めて間もなくして直面することになるでしょう。 あるいは挫折を見ることがなかったとしても、 誰一人振り向かせない自己満足の音楽になっているかもしれません。 だからこそ私は、元々の「プログラミング」に近い制作環境のひとつとして、 「テキスト音楽『サクラ』」を提示したのです。 曲作りは頭の中、あるいは鍵盤の上でやるものだという態度が、 直接的に音楽という営みを支えていくと思うからです。 だいたい私の経験では、作曲を始めたいという人間に対して、 「DAW環境を構築しましょう」と言う人間と、 「五線紙と鉛筆から始めなさい」と言う人間に分かれる気がします。 私はある意味その中間の立場を取っていることになるでしょう。 前述のフリーソフトは、「ドレミ」の文字、すなわちテキストデータを解釈して音楽データを生成します。 これは余りに初等的な印象を与えるかも分かりませんが、 音名に慣れることが音楽において基本的であることは誰もが認めるところでしょう。 使い方次第で、背丈に合った非常に有用なツールとなり得ます。 しかしいずれにしても、一つのやり方にこだわるのはよくない。 常に広い視野をもって、総合的に音楽を身につけていくべきです。 音楽に近道はありません。 始めるなら早ければ早い方がいい。 まずはやはり音を確認するための鍵盤を用意するところからでしょう。
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- kirikaxfan
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どういうジャンルを、どんな思想でやるかによって、 制作の難度は著しく変わってきますね。 近頃のJ-POPの中には、 ほとんど自分で作ったところがないようなテンプレソングも多い。 そういう曲を適当に作って「自分の曲」と主張するだけなら、 “一朝一夕に”できるでしょう。 (演奏・録音の困難さについては度外視するとして。) しかし、自分自身で「自分の曲だ」と確信できるようなオリジナリティを生み出すためには、 相応の鍛錬が必要になることは言うまでもない。 だからこそプロの作曲家に対価が支払われているというわけです。 …そうですね、まずは作ってみてはどうですか? 曲を作りたいと思うということは、何かしらアイディアは沸いてきているはずです。 ふとしたときに、頭に浮かぶフレーズがありませんか。 現時点で何のアイディアも持ち得ないのであれば、 所詮その程度の思いなのだと考えて、諦めるのがいいと思いますね。 とりあえずはキーボードとシーケンサーを用意して、 理論も何もない丸腰で音楽に立ち向かってみてください。 シーケンサーとしては、たとえばフリーソフトの「テキスト音楽『サクラ』」があります。 GUIの恩恵に与れないという点で一般に勧められるものではありませんが、 初めの一歩としてはこれは十分なツールになるはず。 よく誤解されますが、「音楽理論」なるものは実質的に存在しません。 殊、ポピュラー音楽においては、 制作の全過程の中で、「理論」の形で習得可能な部分は1割もないでしょう。 結局、ベテランの経験則の中から、 割に基本的で本質的な部分を抜き出してまとめたものが「理論」と呼ばれているようです。 ただそれでも、全ての音楽家に共有されている部分については「理論」と見なしてよさそうです。 それは基本的に、和声理論のことを指します。 巷に溢れる「コード理論」を冠した本ならどれでも、必要な事項は記されています。 自分の感覚に限界を感じたら、楽器屋の書籍コーナーに足を運べばいいでしょう。 そして、このコード理論の基礎を知れば、 前述の“テンプレソング”は作れます。 これを作曲と呼ぶのならば、「作曲は初心者でもできる」と言えるでしょう。 しかし、そこから先が茨の道です。 道なき道を進むことになります。 頼れるのは自分の頭と耳だけです。 ここで、根本的な音楽的素養が問われることになるでしょう。 質問文からは、「普通は楽器ができないと作曲はできない」という理解を持っていると推察されます。 それは基本的に正しい。 「楽器ができる」ということは、単に音を綺麗に鳴らすということだけではなく、 音楽そのものが自分のものになっていることを意味します。 そうでない人間のことは、本来、「楽器ができる」とは呼ばないのです。 そして、楽器で身につけた音楽的素養というものが、曲作りにも直接応用されていきます。 しかし逆に考えてはどうか。 楽器の技術を作曲で使うなら、作曲を通して楽器を学ぶということはできないか。 意見の分かれるところかもしれませんが、決して的外れな指摘とはいえないはずです。 つまり、別に今楽器ができる必要はないということです。 しかし、本当に作曲らしい作曲ができるようになった暁には、 それに使った楽器もある程度は弾けるようになっていることでしょう。 それぐらいやらなければ、やはり自由に曲を作ることはできないということです。 (ただし、ジャンルによっては「作曲らしい作曲」でなくても魅力的な作品を作ることはあり得ます) 結論としては、楽器ができなければ作曲は難しい。 ただし、現時点で弾ける必要はない。 こういうことだと思いますね。 いずれにしても、音楽とは決して簡単なものではありません。 いや、極めて難しいと言っていいでしょう。 生半可な気持ちでは、時間を無駄にするだけかもしれません。 しかし、だからやめるというものでもないでしょう。 曲を作りたいという思いがある限り、作り続ければいいではないですか。 そういうわけで、私からの具体的な提案は二つ。 ・まずは鍵盤とシーケンサーで作曲に取り掛かる ・コード理論の解説書を読む 健闘を祈ります。
お礼
とても真剣な回答ありがとうございます。うまくいえませんが、読みながら感動してしまいました。内容も求めていたもの+αのものでした。なにか教師のような回答だなと感じたのですが、作曲等を教えている方でしょうか?そうでなくても、もしよければ作曲の相談相手になっていただきたいです。 GUIという用語の意味を教えていただけると嬉しいです。
お礼
とてもわかりやすくご丁寧なご回答ありがとうございます。 楽曲づくりの道の入口が少し見えてきました。