小説を書いているのに、読みたい小説が無いです。
読みたい小説が無くて困っています。
読みたいと思える作品がありません。
趣味で小説を書いている素人作家です。
書いている作品は、超能力に目覚めた少年少女たちが、パーティーを組んで宇宙の遥か彼方に行って、悪い奴らをぶっ倒すという、どシンプルな物語です。単純ストーリーでありながら、天使や悪魔、神、魔法少女、更にはモンハンとかに出てきそうな化物まで登場させて、激しくわちゃわちゃするっていう、もはや魔女の闇鍋みたいなカオスな内容となっております。
やっていることは他のありふれた異世界ものと何も変わりません。ただ舞台を宇宙に置き換えただけです。それでも宇宙に拘る理由は、小学生の時に見たスターウォーズとかスタートレックといったスペースオペラ作品を見て感動し、その途轍もないスケールに圧倒され、そこから宇宙に対する興味関心が強まって、昨今の地球やその周辺を舞台にしたSF作品を見ても物足りないと感じたからです。
「そろそろ、宇宙で魔法をぶっ放す話があっても良くない?」
「たまには、侵略しに来た異星生命体を倒して終わり―だけじゃなくて、今度はこっちから相手の星に行って、倍返しのつもりで惑星ごと滅ぼす話があっても良くない?」
「宇宙について何も分からない。だからこそ、何でもアリなのでは? 所詮フィクションの範疇なんだし」
というわけで、「こうなったら自分が面白いと思える物語を書いてやろう」と奮起することとなりました。
で、ただ超能力に目覚めて倒しにいくだけでは、ありきたりでつまらないので、天使、悪魔、神、魔法少女、モンハンの化物と、好きなものを出来るだけ詰め込んでごっちゃ混ぜにすることで、他の作品と似ても似つかない、ユニークな物語にしようと考えて組み込みました。
物理法則はある程度無視、というか超能力で解決。何億光年離れている銀河だろうと旅行感覚でひとっ飛び。惑星破壊当たり前。なんならそれをパクっと喰らって吸収したり、ドッジボールみたいに投げ合ったりと、規格外なスケールのバトルが展開されます。
それから、ご都合主義をなるべく排した、高クオリティーでダイナミックな戦闘描写を描いていきたいので、少年漫画とかを読み漁り、アクション満載のアニメやゲーム、映画などをたくさん見ていきました。
「じゃあもう異世界で良くない?」って突っ込まれそうですけど、上記の理由とともに、異世界作品にはもう飽きてしまいました。漫画で描くという道も考えましたけど、自分の画力が絶望的に下手なので、もう文字で形にする以外選択肢は無いとして、小説で書くことにしています。
ちょうど昨年、約5年の長い年月をかけてそのシリーズ第一作目が完成し、今現在その続編を手掛けております。完結まであと残り17冊。もう三十歳になりましたけど、「自分が生きているうちに書き終えられるのかな?」と思えるぐらいの、物凄い壮大なシナリオが出来上がってしまいました。
別に出版しようとか、大衆受けしようとか、売れるために書こうなどとは一切考えていません。内容のクセが強すぎて全力でお勧めできないからです。ただただそういうディープな作品を読みたい人向けに提供したいがために、毎日書き進めております。
だからといって、どこぞの漫画みたいに、葬式でご遺体にビンタするようなサイコキャラは出ません。「実は太陽の神でしたアヒャヒャヒャー」みたいなふざけた展開もやりません。読者の期待に応えるような、王道を真っすぐ突き進んでいく作品します。何が何でも最後まで必ず書き切ってやります。処女作にして遺作となります。
そういうスタンスを数年間貫いてきたことで、悲しいことに、いつの間にか作り手のマインドになってしまい、どんな本を読んでも純粋な気持ちで物語に没入したり、感情移入したりすることが出来なくなりました。
しかし、創作活動を行っている者として、やっぱり何かしら本を読んだ方が良いだろうと思ったものの、
「今更本を読むなんて……」
「どうせ読んでも途中で放棄してしまうのではないか?」
「そもそも、読みたいと思う作品が無いから、自分で物語を書いたんでしょ?」
と自問自答しています。
果たして、こんな私を、私の小説以上に無心で読める作品はあるのでしょうか?
今はとにかく、考える時間、執筆する時間がとても楽しいです。
長文失礼いたしました。