補足の質問についてお答えします。
犬回虫です。記載されているとおり、特定の場合を除いて、虫卵を排出するのは子犬です。子犬の腸管に回虫の成虫がいるわけですが、この子犬への感染は、感染している母犬の胎盤あるいは乳汁を介して感染が成立しています。一方、母犬を含む成犬では、回虫は腸管までいかずに筋肉などに留まっています。ただし、稀に成犬の腸管でも成虫になることがあり、この場合、糞便中にも虫卵が検出されることがあります。複雑ですね。
さて、本題ですが、回虫卵は、糞便とともに外界に排出された時点では、未成熟の状態で、おおよそ2週間で感染能のある成熟卵になります。熱や乾燥に弱いとご指摘されてますが、低温(-20℃)や、述べられているような乾燥状態(砂場とか、カチカチのうんち)であれば、かなりの長期間(数ヶ月単位)感染能を有したまま生存できるものと考えて良いです。汚染を受けた砂場では、感染能力をもった犬回虫・猫回虫卵が存在している可能性は低くないと思います。都内の屋外砂場はほぼ間違いなく汚染されているとの報告もあります。実際には野良犬はほとんどいないので、猫回虫卵がほとんどですけどね。ちなみに抵抗性が強い虫卵ですが、高温(60℃)では数秒で死滅します。
さて、これが果たして人間にかかるかというと、そこが重要だと思います。砂場の砂や、糞便のついた用具を舐めたりしたら感染する可能性は否定できませんし、幼児の症例では、こういったことが感染ルートの一つではあるでしょうね。
一方、成人ですが、砂場をいじった手や、糞便のついた手で料理をしたり食べ物を食べる人はいないでしょう。ですので、5ヶ月前に、この経路で感染した可能性はほとんどないと考えていいと思います。最近議論にあがる成人の感染源は、主に、牛やニワトリの組織に留まっている犬回虫や猫回虫の幼虫だと言われています。我々からしたら、砂場や糞便より、生で動物を摂取する時のほうが気をつけた方がいいかもしれませんね。
少し怖がらせてしまいましたが、犬回虫や猫回虫が人に感染しても、人から人(子供)に感染することは絶対にありませんので、ご安心ください。我々に感染した場合も筋肉に留まります(稀に眼にいきますが)。また、皮膚から感染することも無いので、砂場で遊ばせてあげてください。手を洗えば大丈夫です。
最後に、だいぶ神経質になられているようですが、
あまり神経質にならなくても大丈夫ですよ。
犬回虫や猫回虫で重篤になる人間はほとんどいません。
私の子供もガンガン砂場で遊ばせてます。
補足
補足質問ありがとうございます。 詳しくお答えしていただき、わかりやすくて理解出来ました。 今日靴を熱湯消毒しようとおもいます。 ちなみに玄関などもお湯をかけた方がいいのでしょうか? 娘が砂場で遊ぶようになったら手洗いうがいはさせるようにしますが、砂場で遊んでたら服とかにも砂がかかったら虫卵は服につくのでしょうか? 神経質になりすぎて、娘をのびのび育てられなくなるのは娘が可哀想ですよね。