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PRVCモードとは?自発呼吸のサポートとは?
- PRVCモードは人工呼吸器の一つで、必要な1回換気量を入れるための適切な圧を補正しながら自発呼吸をサポートします。
- PRVCモードはVCV(Volume-Controlled Ventilation)やSIMV(Synchronized Intermittent Mandatory Ventilation)とは異なり、自発呼吸がある場合もトリガして1回換気量を入れます。
- サーボ300の圧補正従量式での+サポートは、PRVCモードにおいてもPS(Pressure Support)を追加することを指しています。これにより、自発呼吸の際には圧を補正しながらもさらにサポートすることが可能となります。
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専門外ですが回答がないので消化器内科の私が僭越ながら説明してみましょう。 呼吸器のモードは 器械によって定義が異なっており、本に載っているモードと違います。特に、サーボの操作パネルの記載は変で他社と違います。したがってサーボで人工呼吸器をマスターしようとすると思わぬ間違いがあります。質問者の質問からもそれがうかがえます。 まず、20年位前の呼吸器で復習してみます (1)従量式 vs 従圧式 人工呼吸器の作動して強制的に換気するときは、 従量式(VCV) VS 従圧式(PCV) で 作動します。 患者の呼吸をトリガーして決められた時間(普通1秒くらい)送気しますがその間どのくらい空気(酸素)をおくるかはどちらかで決めます。 (2)A/C vs SIMV 人工呼吸器がどのように患者の自発換気をトリガーして強制換気を開始するのかこの 二つのモードです。 自発があれば全部トリガーするのがA/C(Assist-Control)で、きめられた回数のみトリガーするのが SIMVです。 したがって SIMVにもVCVとPCVがあるというのが正解です。サーボのモードのメニューでVolume Controlで書いてあるのは実はA/C+VCVで SIMVの書いてあるのは基本的にはSIMV+VCVです. A/Cは昔の名残りのモードで実際は使うことないと思います。 ここで1問目のPRVCは何かという答えです。 そもそもPRVCはpressure regulated volume control ventilation圧制御従量式換気ですから基本的には従量式です。単純にきめられた量を送気するのでなく圧を見ながら肺に負担にならないように送気していく方式です。細かいところは各社の特許のようです。 2問目の答えです。 SIMVで強制的に換気するときは上記のように設定されたモードで作動します。強制的な換気と換気の合間に自発呼吸があるとどうなるか? 強制換気はきめられた回数・頻度以上は行われません。そのときにどこからも空気が来ないと窒息しますので、回路にDemand valveとよばれる弁があってここが開いてゆるく空気が入ってくるようになっています。 極端なたとえで言えば 1分間1回 SIMV 1回換気量500mlの設定で、かりに患者が1分間に10回呼吸すると、500mlの強制換気が1回、あとはdemand valveを介して呼吸が9回となります。 このdemand valveを開けて回路から空気を吸うというのは病気の患者にはしんどいことなのでこのときに少しだけ(患者が息を吸っている間のみ)そっと送気して呼期器回路に圧をかけて楽に患者に吸気できるようにというのがpressure support(PS)です。 PSの開発直後は消極的に回路抵抗を打ち消すのみの役割とされていましたが、技術が進んで、動作がスムースになるにつれ、圧をある程度上げることで呼吸管理に使えることがわかりウィーニングなどで積極的に使われれるようになりました。 2番目の問いに対する答えは、人工呼吸中の換気には2種類あっておのおのに対する動作の仕方であるということになります。 余談ですが、最近の呼吸器はさらに各社ごとにいろいろ工夫があって非常に理解が難しくなっていますね。ニューポート E100が一番理解しやすいように思います。
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- yamahaseca
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麻酔科医です。 PRVCは、もともとPCVの亜型です。設定した一回換気量になるように吸気圧の設定を自動的に上下させるPCVを、PRVCと呼んでいます。 (メーカーの意図はともかく)実際は、 『どうしても決められた一回換気量を設定しないと気が済まない医師に対して、患者さんの快適性を少しでも高めることができる』 という点では、意味のある換気モードだと思います。 また、当初サーボ300に採用されたときと異なり、今のPRVCは自発呼吸との同調性もSIMV程度には確保されて居ります。 さて、私も含めた人工呼吸の専門家は、強制換気の際には基本的にPCVベースの換気モード(PC-SIMVや、BIPAP類似モード)を好む傾向があります。 人工呼吸器の性能が悪く、患者さんの自発呼吸とぶつかる事が多かった昔とは異なり、性能が良い人工呼吸器が多く販売されている現在、人工呼吸のトレンドは『自発呼吸をなるべく温存した換気』にあります。 しかし、その際「タイムサイクル、コンスタントフロー」の昔ながらの従量式換気は、患者さんの自発呼吸との同調性に難があります。我々が息をしている時を考えても判るように、普通は「一回換気量も、呼吸回数も、吸気時間も」ある程度のばらつきがあります。また、時には深呼吸をしたりもします。しかし、昔ながらの従量式換気だと、吸気流速が設定で決まってしまっていて、それ以上の早さで息を吸う事ができません。また、一回換気量も器械に決められてしまいます。例えば、吸気時間1.2秒で一回換気量500mlの設定だとしたら、吸気流速は25LPM。でも、成人患者さんだったりすると吸気流速がもっと早い時だって普通にあります。しかし、PCVだと吸気圧と吸気時間しか決まってませんので、吸気流速も一回換気量も(器械の性能や設定の範囲内で)患者さんが自由に吸うことができます(呼気のタイミングの自由度が高いBIPAP類似モードだと、更に同調性が高いと思います)。 一方PRVCだと、(一回換気量は設定されていても、基本的にはPCVですので)患者さんは吸気流速と一回換気量の縛りにとらわれる事が無く呼吸ができるのです。もっとも、PRVCを意識のある患者さんに使用する際の限界がここにあって、PRVCは基本的に前の換気の換気量をみて次の換気の設定圧を上下させますので、 患者さんが、たくさん息を吸う → 器械が、「この圧だと高すぎる(一回換気量が多すぎる)」と判断して、次の換気の設定圧を下げる → 次の自発呼吸で患者さんが普通に息を吸うと、一回換気量が少なくなる → 器械は、「この圧だと低すぎる」と判断して、次の換気の設定圧を上げる → ・・・というように、患者さんの呼吸と関係なく強制換気の設定吸気圧が変動してしまうのです。そのあたりが、換気モードとしてのPRVCが今ひとつ一般的になれない理由かと、個人的には考えて居ります(これは余談ですが、麻酔中、特に肺がんの分離肺換気の時などは、PRVCはとても便利な換気モードだったりします)。 なお、PRVC中のPSの扱いについては機種によって異なり、PSの圧も設定一回換気量になるように制御する機種もあれば、PSの圧はそのまま一定の機種もあります。 以上、先ずはご参考まで。
お礼
回答いただきまして、ありがとうございました。 こちらを読ませていただいて、基本に返ることができました。 確かに、PSは自発呼吸のおてつだいをするオプションですよね。 PRVCは強制換気(自発がない人に基本使う。)と、今日上司に教わり、こちらを読ませていただいて、「うん、そうだそうだ。。」と納得することができました。 まだまだ、勉強不足だな。と痛感しました。 ありがとうございました。