同じ情報流出なのに、沖縄密約と尖閣ビデオでメディアの対応はなぜ違う?
同じ情報流出なのに、沖縄密約と尖閣ビデオでメディアの対応はなぜ違う?
沖縄密約問題の報道の流れから言えば、今回は「メディアの勝利」ではないんですかね?
以下の2つの記事のニュアンスのあまりな相違は、どこからきているのでしょうか?アメリカと中国の違い?記者のスクープと一般人?による流出の違い?メディア論に詳しい方の回答をお待ちしています。
(政治的意見を表明するだけの御回答はご遠慮ください。)
■「情報革命起こった」 沖縄密約訴訟、原告ら喜びの声(朝日新聞 2010年4月9日)
http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/179.html (オリジナルの記事は消えていたので引用ページから)
毎日新聞記者として返還交渉を取材。軍用地の原状回復費400万ドルの肩代わりを示す密約疑惑を記事で暴露する。入手した極秘電文は国会で追及され、政府を揺るがす問題に。だが西山さんと、文書入手に協力した外務省の女性事務官は逮捕され、国家公務員法違反で有罪となった。
密約が指摘される一方、西山さんの取材手法が問題となり、報道各社の政府追及はやがて鈍っていく。その展開は後年、「メディアの敗北」と言われた。 ・・・(中略)・・・
原告の一人で元朝日新聞記者の柴田鉄治さん(75)は会見で記者たちに「政府のウソをただすのはメディア。その姿勢は持ち続けてほしい」と呼びかけた。
■尖閣ビデオ流出―冷徹、慎重に対処せよ(朝日新聞社説 2010年11月6日)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
流出したビデオを単なる捜査資料と考えるのは誤りだ。その取り扱いは、日中外交や内政の行方を左右しかねない高度に政治的な案件である。
それが政府の意に反し、誰でも容易に視聴できる形でネットに流れたことには、驚くほかない。
・・・(中略)・・・
仮に非公開の方針に批判的な捜査機関の何者かが流出させたのだとしたら、政府や国会の意思に反する行為であり、許されない。
・・・(中略)・・・
外交や防衛、事件捜査など特定分野では、当面秘匿することがやむをえない情報がある。警視庁などの国際テロ関連の内部文書が流出したばかりだ。政府は漏洩(ろうえい)ルートを徹底解明し、再発防止のため情報管理の態勢を早急に立て直さなければいけない。
・・・(中略)・・・
政府の意思としてビデオを公開することは、意に反する流出とはまったく異なる意味合いを帯びる。短絡的な判断は慎まなければならない。
・・・(中略)・・・
ビデオの扱いは、外交上の得失を冷徹に吟味し、慎重に判断すべきだ。