先ず、タクシー会社は自社で持っている車両の稼働率を常に100%に維持したいと思っている事を覚えておいて下さい。
今現在タクシーの乗務員に応募する人は大抵職が他に見つからなかった人か
他の仕事をしていたが定年を迎えた人です。これには地方からの出稼ぎ組も含まれます。
乗務員として職を得たは良いですが、タクシーは歩合制です。
売上が良ければ良いですが、悪ければ自分の収入も減ります。最低保証額制度をとっている会社はほとんどありません。
取り分は額面で約半額程度の会社が多いですが、手取りとなると1/3程度です。
現在の日本の経済状態はお分かりになると思います。
タクシーは緊急時や他の交通手段が無いもしくは時間を買うので無ければ所詮贅沢品として
利用する企業も個人客も考えますので、この不況下日々売り上げは落ちています。
規制緩和の際に深夜割増が23時から22時にくりあがりましたが、割増額は三割から二割に引き下げられています。
お客さんがいれば良いですが、お客さんが減っている今現在寧ろ足枷になっています。
客数も減っていますが、乗車距離も減っています。
特に深夜割増時間に入って自宅最寄り駅からの帰宅客はワンメーターだけ乗って後は歩く人が増えました。
また、競合する商売も増えました。深夜バス・マンガ喫茶やネット喫茶・カプセルホテルやサウナ、
夜間これらの商売はタクシーで遠距離を帰るよりも安価です。
昼間は介護車両(所謂タクシーでは無い)に高齢者や障害のあるお客さんを持っていかれます。
各種割引関係は会社と折半というところが多いですが、何の事は無い割引かれた額が
そのまま売り上げになるだけなので結局乗務員が損するだけです(一部会社では補填してくれるそうです)
迎車料金も会社の営業上取らないところが増えてきました。
そして、同じ会社・同じ営業所にあっても、乗務員は皆ライバルなので稼ぎ方の伝授がほとんどありません。
タクシーの乗務員には向き不向きがあります。稼ぐ人は稼ぎますが、稼げない人は勉強しても考えても努力しても何をやっても稼げません。
会社にとっては乗務員などいくらでも成り手のいる消耗品と変わりませんので大事にはしてくれません。
乗務員よりも車のほうが大事です。売り上げが悪ければ責めて責めて責め続けるだけです。
個人単位で売り上げを向上させる援助も指導もありません。
そして、通常は21時間の隔日勤務です。休憩は挟むものの事故の確率は高いです。
決まった所に停まるバスや地点から地点へ移動する流通等、他の道路運転業務と違い
タクシーは流してお客さんを探し、また回転率で稼ぎ、細い路地まで入り込む必要があるので事故を起こす可能性も貰う可能性も高いです。
ですから尚更気を付けて安全運転しなくてはならないのですが。
会社は事故があると相手方には保険を摘要しますが、乗務員からは懲罰金や修理費の負担を強いる会社がほとんどです。
怪我で休業すればその間は収入がありません。無論、法律上の罰金反則金が発生すれば当然ではありますが乗務員が払います。
お客さんによっては交通違反を強いる人もいます。受け無ければ良いのですが、
断ればトラブルの元になりますし、受ければ場合によっては事故の元になります。会社はどちらになっても乗務員を責めます。
お客さんの要望しがちな交通違反は次の通りです。
速度超過・信号無視・禁止区域での追い越し・禁止区域でのUターン・禁止場所での進路変更・一方通行の逆走・侵入禁止場所への侵入・定員オーバー等。
つまり、現在のタクシー乗務員業はハイリスク・ローリターン過ぎる訳です。
ですが、仕事が無ければ常時募集している資格商売、
皆さん状況の厳しさは何となくイメージはするものの無職よりは良いだろうと入って来ますが、
現実を知り辞めていく人が殆どですし、身体を壊して辞めていく人や免許の取り消しで辞めていく人、
そして年金貰いながらの乗務員に至ってはお亡くなりになる方も多いです。
結果、台数規制が入っても稼働率100%を目指す限り常時募集しても追い付かないのです。
お礼
リアルな実情この文章とても貴重な内実とてもとても参考になりました。 過酷過ぎるほど過酷な世界なのですね。 続く人は続くそれも極極わずかのドライバーが・・ 年中募集しているわけがよく理解できました。 同時に実情を知てしまい 暗澹たる暗い気持ちになりました・・・・ ありがとうございました。 また、機会がありましたらよろしくお願いします。