- ベストアンサー
「建築学」について
Architecture=建築学を大学で学ぼうと考えています。工学部へ行って設計を勉強するのではなく、歴史的・文化的・社会的な視点から建築に取り組んでいきたいと考えています。 「建てる」ではなく「守る」「活かす」といった立場です。 それでもやはり、ある程度の理系の知識は必要になってくるでしょうか? 海外の大学への進学を予定していて、建築の知識はまだほとんど無い状態です。私は理系がとても苦手なので、もしこれから数学や物理をハードに勉強するのには不安があります。 こういった学問を特に海外で学ばれた方、何かアドバイスをお願いします。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
私は日本の某大学(ごめんなさい。名前は伏せます)で建築学を教えている教師です。その立場から考えてみます。 結論から言えば、Creamieさんの考え方は、「正しい」と思います。私は、早稲田理工の建築学科の出身ですが、鉄筋コンクリート中心の構造力学や材料学など、いわゆる工学部的な学問には、まるで興味がわかず、建築史研究室の大学院に入って、ひたすら歴史的建築を学んできました。 自分自身の感性に正直であろうとすると、現代のあのコンクリートと鉄の空間が、どうしても好きになれず、まるで馴染めませんでした。自分で鉄筋コンクリートの建築を設計するのもイヤでした。やはり木造がいい。だけど、木造は軽視されており、それを専門とする先生はいらっしゃいませんでした。 そんなわけで3年生までは、全く授業が面白くありませんでした(よくサボりました)が、4年の春に建築史研究室恒例の「京都・奈良旅行」に参加して、はじめて古建築の世界にふれ、千利休の作った茶室・「待庵」に出会って、ほとんど衝撃に近いほどの感動・感銘を受け、はじめて、建築の魅力にとりつかれたのです。 (研究テーマは、まず「茶室」から始まって、次に「奇建築」と定義されている江戸時代の歌舞伎劇場や福島サザエ堂、そして「アジアの建築」です) そこで、考えるのは、建築学というものは、単なる技術論・工学論では語り得ないということです。言い換えれば、「建築ほど、文系に近い理系はないのではないか」ということです。(私自身としては、文系・理系の2分法はあまりすきじゃありませんが…) 建築というものはそれだけ裾野が広いし、様々な方向からのアプローチがあっていい。いやもっともっとあり得るべきと考えます。 昨今のコンピュータ技術の発展や、IT社会の趨勢の中で考えると、単純に工学的技術に偏した工学部的人間は、これからの社会ではあまり必要なくなるとさえ思います。 キーボードをぽんと押せば構造計算ができてしまう時代です。 そういう時代の流れから見ると、これからは、「人間だからこそできること」をしっかりと身につけるべきです。 ですから、Creamieさんの歴史や文化や社会から学んでいこうという姿勢は、非常にいい方法だと思います。 私自身も学生に広い視野と質の高い教養を教え、自分自身の才能の発見の「きっかけ」を作るよう努めているつもりです。 私は、博士課程の時に、スリランカの留学を計画しましたが、諸般の理由で行けませんでした。若い内に異文化にふれるのは大変良いことです。 当時、早稲田の建築の学科長だった吉坂隆正先生は、外交官の子息でした。その先生が私に。「もし、君が、いい建築家になりたければ、外国へ行きなさい。すばらしい才能のある建築家の人生を調べてみるとたいてい子どもの頃に、様々な場所を移動して住んでいる。様々な異文化にふれることによって、人間の生活、空間、歴史などの違いを無意識に学び取り、その本質に気づいていく。それが後になって良い空間を生み出す原動力になっているんだね」と仰いました。私も全くそうだと思います。 外国で学ぶ上で語学は、大事ですが、工学部的な頭の固い理系の学問は、それほど重視しなくともいいと思います。 まず、自分自身を磨いて、自分自身の発見をし、同時に空間や時間や人間の生き方を学ぶということこそが、あとで重要になってきます。 がんばってください!( ^-^)/(^o^)
その他の回答 (3)
- damejan
- ベストアンサー率30% (58/192)
実際に進学希望されている大学のHPには、大抵卒業に必要な単位について書いてあると思いますので、調べてみたらどうでしょう。 #1で的外れな回答をしたお詫びにUniversity of California, Berkeley校について調べてみました。 参考URLのリンク「Undergraduate Handbook」を開くと、学部生向けの説明があります。その中の5.5-5.7節が参考になると思います。純理系的な素養はそれほど必要がないようですね。
お礼
ご丁寧にありがとうございます。 私は高校では私立文系タイプで受験勉強をしていたので、これからの理系科目は大変だろうと覚悟していますが、大学ごとにちゃんと調べて、自分にあった大学を選びたいと思います。
- Eivis
- ベストアンサー率29% (1122/3749)
日本では【建築学科】が理工学系に入っているために誤解が生じているようです。 建築学科に入る受験の為だけに余計な理数系の専門知識を要求され、建築家に必要な広い文化系教養が蔑ろにされ過ぎてています。 もちろん構築物としての建築は、それなりの構造が工学的裏付けを持っている訳ですが直感的に理解できることが重要でしょう。 先ごろまで東大教授をされていた安藤忠雄氏は、独学で建築を設計しておられる位です。 ・・・あまり日本の教育制度にはとらわれない方が、国際的な方向だと思います。
お礼
ありがとうございます、文系では建築を満足に学べな いと感じて決めた留学なので、 >・・・あまり日本の教育制度にはとらわれない方が、国際的な方向だと思います。 とはとても心強いです。 理系の専門知識の必要性もあると思うので、少しは苦手教科も克服していかないといけませんね。
- damejan
- ベストアンサー率30% (58/192)
建築学を学んだ者ではないで、ピント外れな回答かもしれません。 >それでもやはり、ある程度の理系の知識は必要になってくるでしょうか? というより恐らくやりたいことは、バリバリ工学部建築学科の範疇です。日本では「建築史」も工学部建築学科で行われています。「建築史」で検索してみれば、出てくるのはほとんど工学部建築学科関連のHPばかりです。 参考URLに私の友達が在籍していた研究室のHPを載せますので、ここでcreamieさんがやりたいことをやっているか確認してみてください。 海外では建築学がどういった学部に属しているか分かりませんが、基本的には日本と同じことを学ぶわけですから、工学部建築学科の学生と同様の知識を持っている必要があると思います。 いづれにしろ、「構造/設計」を知らずに「守る/活かす」ことはできないでしょう。
お礼
ご返答ありがとうございます。 バリバリの工学部へ行くつもりはないので、教養学部や芸術学部の建築科を考えていて、それらの学部での理系教科の比重をお聞きしたかったのです。 建築にしろ何にしろ、必要な知識はもちろんありますが、学びのアプローチは人それぞれですよね。全員が全員同じような知識だけ持っていても、多様な発展は望めないと思っています。
お礼
丁寧なお返事ありがとうございます。そういって頂けると本当に勇気付けられます。こういった方向に自信を持って取り組んでいけると思います。