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【戸籍について】保守派の主張に対する疑問(長文です)
【戸籍について】保守派の主張に対する疑問(長文です) 保守派の方々の一部が声高に戸籍の廃止に反対するのを見る事がありますが、どうも理解できません。 インターネット上の議論を見る限り、保守派の方々は (1)戸籍制度が無いと法的に家族関係を証明出来なくなる (2)戸籍が無いと誰かが帰化○世なのか、純粋な日本人なのかを判別出来なくなる (3)戸籍制度の廃止は家庭の崩壊を招く の三点を主な反対理由としていると思います。 まず(1)についてですが、家族関係の証明は戸籍以外のシステムであっても出来ます。戸籍制度が無い国、例えばアメリカでは親族のSocial Security Number、Marriage Certificate、Death Certificate、Birth Certificateなどを組み合わせれば家族関係、婚姻の有無など、日本の戸籍謄本に記載されている各種事柄を証明する事が出来ます。それに、戸籍は国際結婚や性同一性障害などの「例外」にシステム上対応しきれていない部分がありますので、場合によってはアメリカ式に各種証明書を集めた場合の方が、身分関係を証明する公的証書としては戸籍よりも優れている場合さえあります。 あと(2)についてですが、帰化した人の個人情報は官報に載せる事になっているので、戸籍にその記載が無くても誰かが帰化○系であるかはちゃんと調べる事が出来ます。それに戸籍は転籍などの「裏技」を使えば帰化事実を戸籍謄本上から消す事が出来る上、除籍謄本も80年で処分されてしまうので、最短80年で帰化事実を戸籍から完全に抹消出来てしまいます(一方、官報は永久保存)。よって理由になりません。 また(3)の戸籍廃止により家庭が崩壊する、というのも理解出来ません。公共の相談室などに「戸籍の廃止が原因で我が家が崩壊しそうなんです!」と言った事案が来るシチュエーションが想像出来ません。無論「いや、そんなあからさまに現れる物ではなくてもっと長期的に、じわじわくる物だ」と反論することは出来ます。しかし、でしたら「何故他の如何なる家系の証明方法でもなく、戸籍制度で続けなければ長期的に、じわじわと家庭が崩壊するのか」を説明する必要があります。しかし現在の戸籍は戦前と違い、終戦後の「家制度・戸の廃止」により色々と骨抜きにされた、名前こそ何故か「”戸”籍」のままであるものの、実は単なる「家族簿」に過ぎないものです。家制度のあった戦前なら勿論話は別ですが、現在では他の家系証明方法への移行により実際問題失われるものは存在しないと思います。強いて言えば「戸籍という言葉の歴史的・伝統的な響きが愛国者の耳に心地良い」位でしょうか... 保守派の気持ちになって幾らか考えてみましたが、上記の疑問に反論を与える事は私には(多少感情論を入れない限り)無理でした。 よって私は保守派の主張に納得出来ないでいるのですが、何か私が見落としている点があるのでしょうか?皆様はどう思われますか? 【注釈】「もし戸籍を廃止したり、新たな制度を作ったりすると多大なコストや事務的労力がかかるから...」や「今、戸籍謄本を取り寄せるだけで出来る事柄の証明を行うのが、他のシステムに移行すると格段に面倒になり…」の様なご回答は質問の趣旨と違いますのでご遠慮ください。今回聞いているのはこういった「コスト、合理性の観点から戸籍廃止に反対している人」では無く、保守派などの「政治思想的、イデオロギー的な観点から戸籍廃止に反対している人」について質問させて頂いている事をご確認下さい。
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- nakiusagigasuki
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- qto10083
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お礼
OKWave初心者なもので、お礼を言うのに補足欄を使ってしまいました。大変失礼致しました。よろしければ補足欄の内容についてご一考・ご返答などして頂ければと思います。
補足
>口を開けば妄想のように中国や韓国の人に乗っ取られるとか意味不明のことを繰り返すのがオチですし。 この「乗っ取られる理論」についてですが、例えば保守派の方々が「国籍法」「入管法」の廃止が中韓の人による乗っ取りを招く、と言うなら私も同意です。ですが、こと戸籍に関してはこの「乗っ取られる理論」は確かに当てはまらないと思います。 仮に戸籍法が廃止されて、国内外の中韓の人が「チャンスだ!」と大挙してきた所で、簡単に国籍を取ろうと思っても国籍法が許しません。また、戸籍の廃止により参政権などが与えられたわけでもなく、素行が悪ければ普通に刑法により処罰され、場合によっては入管法により蹴り出されます。つまり国籍法や入管法と違い、戸籍法が廃止されても主権国家として外国人に対し時として毅然たる態度を取る能力が破壊される訳ではありません。そもそも書類・電子データである戸籍にその様な「パワー」などありません。 >もう何の必要性もない大日本帝国の遺物のような制度の早急な廃止を強く望みます。 保守派の方々は家庭を重んじる思想上、戦前の家制度があった時代に出来た戸籍制度は「『大日本帝国の遺物』などでは決して無く、現在でも重要な物だ」と考えていると思います。しかしながら、質問文でも申し上げました通り、敗戦後の家制度・戸の廃止により色々と骨抜きにされた現在の戸籍は、名前こそ何故か「"戸”籍」のままであるものの、実は内容的にも効力的にも「アメリカの各種Certificateを集めた物」でしかありません。この現状を鑑みると、大日本帝国時代の物とは変わり果てた現在の名ばかりの「”戸”籍」は、保守派が寄せる「想い」や「期待」にすら答える事が出来ていません。それでも保守派の方々は戸籍もとい「アメリカの各種Certificateを集めた物」の廃止に対し声高に反対するのですから私は理解出来ない訳です。つまりこれは「私と保守派の政治的思想の違い」以前の話で、「いや、そもそも貴方方の想っている物が現代の戸籍に詰まっている訳じゃないから」と言う事です。 つまるところ、「戸籍と言う名前が付いている物」が存在しているだけで保守派の方々は満足してしまっている部分があるのかもしれません。