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海外送金のお得な方法とは?
- イギリス留学中のお金の英国送金方法について、JCB送金名人とスルガ銀行のネットバンクの2つの方法があります。
- JCB送金名人は手数料525円で、JCBのレートに1.6%を加算したレートで送金できます。
- スルガ銀行のネットバンクでは、入金後に現地で引き出しし、HSBCに入金することができます。引き出し手数料は210円で、visaインターナショナルが定めたレートに1.63%を加えられます。
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JCB「送金名人」、スルガ銀行「スルガVISAデビット」のいずれが有利になるかですが、主たる判断材料は「1回当たりの取扱額」です。 1. 換算レートが決まる仕組みと為替用語 円と外貨の換算レートは銀行がその日の思いつきで決めているわけではなく、数字が決まるための仕組みがちゃんと存在します。まずその説明におつき合い下さい。 レートが決まる大元は外国為替市場における金融機関間の取引きです。外国為替市場における取引きレートを「銀行間レート」と呼んでいます。新聞やテレビが「今日の東京外国為替市場、終値は1ドル=94円60銭でした」と報じているレートは通常この銀行間レートです。また銀行間レートは全世界で連動していますから、「どの国の銀行間レートが有利だろう」と考えることは無意味です。 さて銀行間レートは株と同じように価格が常時変動しています。両替や送金といった為替取引をこの銀行間レートを基準に行うと処理が煩雑になります。そこで金融機関は銀行間レートに代わる数字として「公示仲値(TTM)」というレートを定め、その日の取引の基準レートに用います。公示仲値と銀行間レートは厳密には一致しませんが、両替の有利不利を考える上では同一視して差し支えありません。また公示仲値は各金融機関が独立に定めるため若干のばらつきがありますが、差異はあっても0.1%かせいぜい0.2%です。 クレジットカード会社も同様に、国外でのカード利用分を処理するため通貨間の換算レートを毎日決定します。このレートも基本的に銀行間レートを参照しながら設定されます。恣意的に円安のレートに設定されることはありませんからご安心ください。 2. クレジットカード会社の換算レート クレジットカード会社が定める換算レートが銀行間レートや公示仲値と同等であること、恣意的な円安レートには設定されていないことをデータで示します。 まずJCBですが、「送金名人」での送金時のレートは「JCBの提携銀行の為替レートを基準に1.60%上乗せ」です。どの銀行のレートを採用しているかは不明ですが仮に三菱東京UFJ銀行のレート[1]と比較してみます(*1)。 以下の表は2010年4月1日の、JCBが定める基準レートと三菱東京UFJ銀行の公示仲値との比較です。JCBの基準レートは[2]で見ることができます(*2)。 JCB基準レート⇔三菱東京UFJ銀行公示仲値 米ドル 93.48 ⇔ 93.43 (差異 +0.05%) ユーロ 126.52 ⇔ 126.38 (差異 +0.11%) 英ポンド 142.24 ⇔ 142.09 (差異 +0.10%) 豪ドル 85.80 ⇔ 85.76 (差異 +0.05%) この日のJCBの基準レートは、三菱東京UFJ銀行の公示仲値より若干(0.05~0.10%)円安側に振れていますが、この程度の乖離は通常起こりうる範囲です。実質的には公示仲値と同一視してよいでしょう。 次にVISAインターナショナルについてです。回答末の付記のデータは、私がこれまでにVISAカードを利用した際の換算レートをその時の銀行間レートと比較したものです。利用明細書に記されるレートの数字には、海外利用にかかる事務処理経費分の1.63%が含まれていますので、1.0163で割ることで加算前の数字が求められます。銀行間レートの数字はOANDA社のデータ[3]を利用しました。 その時その時で銀行間レートより多少円高だったり円安だったりしますが、多くは±0.2%の範囲に収まっており、振れが大きい時でも±0.8%までです。平均的には銀行間レートと一致すると見て構わないでしょう。 そして1.で述べた通り、公示仲値と銀行間レートも平均的には同一の数字とみなせます。従ってJCBの基準レート/VISAインターナショナルが定めるレート/公示仲値/銀行間レートの四者も、多少の揺らぎを別とすれば同一視して構わないことになります。 3. 手数料と1回の取扱額 「送金名人」は送金手数料が1回525円で、1回に送金できる額は50万円までです(*3)。スルガVISAデビットの引出し手数料は1回210円で、スルガ銀行側は引き出し限度額は定めていません。レートに上乗せされる手数料は「送金名人」の1.60%に対しスルガVISAデビットは1.63%ですが、違いとしては微々たるものです。また「送金名人」とスルガVISAデビットの送金レートが同一視できることは2.で述べました。 これだけなら「手数料が1回210円と安く、引出し限度額がないスルガVISAデビットが有利」という結論になりますが、もう一つ、現地の現金自動預払機(以下ATM)の引出し限度額も考える必要があります。例えば1回に10万円相当額までしか引き出せないATMなら、50万円相当の英ポンド紙幣を引出すのに5回の操作が必要で手数料は合計1,050円かかります。これなら「送金名人」で1回で送金した方が安上がり(525円)です。またATMの引き出し限度額がもっと大きくても、提携先の銀行が「スルガVISAデビットなど提携カードでの引き出しは1日○○ポンドまで」と別の形の制限をかけていることがあります。 お近くにあるATMで一度に20万円(現在のレートで約1,400英ポンド)以上を一度に引き出せるならスルガVISAデビットが有利で、それ以下しか引き出せないなら「送金名人」が安上がりということになります。 なお「送金名人」は銀行口座宛ての送金になりますが、一般に国際送金では中継銀行や受取銀行が別途手数料を徴収することがあり、その場合は手数料分が差し引かれた金額で着金します。この手数料の額は事前には分からないことがほとんどです。 試しに1回「送金名人」を使ってみて、中継銀行や受取銀行の手数料が引かれているようなら、その分を考慮して分岐点を再計算することになります。例えば1,000円分引かれているとすると「送金名人」の実質的な手数料は1,525円です。スルガVISAデビットの1回当たりの引出し手数料210円で割ると、引出し7回まではスルガVISAデビットが有利です。「送金名人」の1回の送金額の上限は50万円ですから、50万円÷7で約7万1千円が新たな分岐点ということになり、ATMでの1回の引出し限度額が約500英ポンド以上あればスルガVISAデビットが有利、それ以下なら「送金名人」有利と判断を修正できます。 4. まとめ (1) JCBの基準レートと、VISAインターナショナルが定めるレートは同一視して構いません。 (2) 「送金名人」「スルガVISAデビット」の有利不利の比較は、スルガVISAデビットで1回にどれだけの金額を引き出せるかに帰着します。 参考ページ [1] http://www.murc.jp/fx/exchange.html [2] http://www.jcb-global.com/attention/rate.html [3] http://www.oanda.com/convert/classic 付記 VISAカード利用時の換算レートとその時点の銀行間レートの比較 ●ユーロ 2004.7.6決済 136.633 円/EUR これを1.0163で割ると134.442 円/EURです。一方6日のOANDA社の数字は134.070 円/EURで、差は+0.28%です。 ●マレーシアリンギット 2004.7.20決済 29.038 円/MYR ÷1.0163 28.565 円/MYR ⇔ 20日OANDAデータ 28.4966 円/MYR 差異 +0.24% ●米ドル 2004.9.15決済 111.525 円/USD ÷1.0163 109.736 円/USD ⇔ 15日OANDAデータ 109.630 円/USD 差異 -0.10% ●台湾元 2004.10.12決済 3.3040 円/TWD ÷1.0163 3.2510 円/TWD ⇔ 12日OANDAデータ 3.2333 円/TWD 差異 +0.55% ●スイスフラン 2004.11.21決済 90.258 円/CHF ÷1.0163 88.810 円/CHF ⇔ 19日OANDAデータ 88.8191 円/CHF 差異 -0.10% ●香港ドル 2005.2.21決済 13.775 円/HKD ÷1.0163 13.554 円/HKD ⇔ 21日OANDAデータ 13.5542円/HKD 差異 -0.01% ●シンガポールドル 2005.7.20決済 67.950 円/SGD ÷1.0163 66.860 円/SGD ⇔ 20日OANDAデータ 66.8068 円/SGD 差異 +0.08% ●2005.9.21決済 韓国ウォン 0.11047 円/KRW ÷1.0163 0.10869 円/KRW ⇔ 21日OANDAデータ 0.10810円/KRW 差異 +0.55% ●2005.11.10決済 タイバーツ 2.9067 円/THB ÷1.0163 2.8600 円/KRW ⇔ 10日OANDAデータ 2.8549 円/THB 差異 +0.18% ●2006.2.23決済 チュニジアディナール 89.588円/TND ÷1.0163 88.1511円/TND ⇔ 23日OANDAデータ 87.4688円/TND 差異 +0.78% ●2006.10.16決済 中国元 15.424円/CNY ÷1.0163 15.176円/CNY ⇔ 16日OANDAデータ 15.1645円/CNY 差異 +0.08% ●2007.6.4決済 ハンガリーフォリント 0.66778円/HUF ÷1.0163 0.657069円/HUF ⇔ 4日OANDAデータ 0.6614円/HUF 差異 -0.63% ●2007.6.12決済 チェココルナ 5.8060円/CZK ÷1.0163 5.7219円/CZK ⇔ 12日OANDAデータ 5.7145円/CZK 差異 +0.13% ●2008.3.12決済 英ポンド 210.415円/GBP ÷1.0163 207.040円/GBP ⇔ 12日OANDAデータ 205.390円/GBP 差異 +0.80% ●2009.3.18決済 ブルネイドル 65.565円/BND ÷1.0163 64.513円/BND ⇔ 18日OANDAデータ 64.275円/BND 差異 +0.47% ●2009.6.22決済 クロアチアクーナ 18.894円/HRK ÷1.0163 18.591 円/HRK ⇔ 22日OANDAデータ 18.59370円/HRK 差異 -0.01% *1 参考ページ[1]の表には公示仲値は直接記されていないが、対顧客電信売レート(TTS)と対顧客電信買レート(TTB)を足して2で割れば公示仲値(TTM)を求められる。 *2 基準レートは1日ほど遅れて発表されるので、実際に送金する場合に適用レートを事前に知ることはできない。 *3 1か月に送金できるのは50万円相当額までのため、最大限まとめたとしても1回の送金は50万円相当額が限度ということになる。
お礼
分かりやすい回答どうもありがとうございます!! 計算が苦手なので間違った解釈してないといいのですが、、、笑 こんなに親切に教えてくれるとは!! するが銀行のカードもってるのでスルガでおろして自分で入金することにします!! ありがとうございました!