実は造船業界の不景気は深刻なのです。
良く考えれば分かることですが、世界同時不況で欧米の購買力はガタ落ちです。
日本も人ごとではありません。先進国の不況は世界中に波及します。
先進国の購買力がないのでBRICsなどの新興工業国はものを売る先がありません。
すると、そこからの積み荷は激減するわけです。
今度はBRICsに資源を提供している国の積み荷も激減してしまうわけです。
海運業は連鎖的に積み荷が減り、非常に厳しい情勢で倒産している船主も多くいます。
当然のように造船業界自体、受注が8割、9割減という状態になり、
2004年当時の世界好況が永らく続くとよんで、建設能力を数倍に拡大させた
韓国や中国勢は顔面蒼白、青色吐息といったところです。
ところが日本はバブル景気の後遺症があり、勿論世界的好況には懐疑的であり、
どこの業界も設備拡張には慎重でした。今となってはそれが吉と出ています。
造船は日本、韓国、中国が世界市場のほとんどの部分を占め、
ランク的にもこの順で技術力(高級)であると判断されます。
不況でとぶのは体力の弱いところからであり、そういう所は中国から購入しています。
一方、資本力のある船主は日本から購入するわけです。
資本力のあるところが日本を選択し、日本は無茶な拡張投資をして来なかった。
ただ、そういうことだけです。
とはいえ、そこまで景気がいいとは知りませんでしたが・・・
しかし、造船業は安泰などと錯覚していると痛い目に遭います。
中国の底力は侮れないので、10年後はどうなっているか分かりません。
安穏と構えていては危ないのです。
お礼
ありがとうございました。詳しく説明していただいてよくわかりました。一昨年のアメリカのリーマンショックって物凄く世界に不況をもたらしたんですね