一眼レフカメラのファインダーをのぞいた時の、ファインダー像の見えかたに関するご質問だと思いますので、そのつもりで回答させていただきます。
メカニズムとしては、撮影者の眼前「1メートル先にあるように調節している」機種がほとんどです。
現実には、ファインダーの覗き穴からわずか数センチしか離れていないフォーカシングスクリーンに結像した小さな画像を見るわけですが、正常な視力の人にとっては、小さな画像を目の前数センチで見る事は苦痛です。(しかし、強度の近視の人にとっては苦痛ではないでしょう)
そこでカメラメーカーは、正常な視力の一般ユーザーを対象として、この目の前数センチの小さなスクリーンの画像をあたかも目の前1メートルにある大きな画像に見えるように、ファインダーの光学系を設計しています。
メーカーや機種によって、かならずしも「1メートル」でないものもあります。60センチメートルとか50センチメートルとかです。近視の人にとっては、1メートル先の画像よりも50センチメートル先の画像の方が、よりはっきりと見えるでしょう。
以前の質問に出てきた「視度補正装置」は、この拡大画像がどれくらいの距離に見えるかを調節する機能です。たとえば「マイナス2ジオプター」に合わせると、ファインダーをのぞいた時に、拡大画像が50センチメートル先にあるように見えるわけです。「マイナス3ジオプター」ならおよそ33センチメートル先にあるように見えます。
そういう意味では、「視度補正装置」の働きは、近視の人が眼鏡をかけるのと同じと考えて良いでしょう。
なお、以前の関連質問で、「撮影レンズが視力の弱い撮影者にとってのファインダーの見えかたを助けてくれるのではないか」といったような補足質問をされていたと記憶しますが、これはありません。
撮影レンズの働きは、あくまでも撮像素子にくっきりとした画像を投影することです。視力の弱い人がファインダー像をくっきりと明瞭に見るためには、「視度補正装置」の機能を利用します。両者の働きは全く別です。
お礼
丁寧にありがとうございました。