直木賞は、毎年、12月~5月(上半期)、6月~11月(下半期)という時期に発表された作品を対象として候補作品が数作選ばれます。
そして、その候補作品とされた作品の著者に対し、ノミネートをさせて良いか、という連絡が行き、著者が了承するとノミネート作品として発表されます。なお、ここで著者が辞退することもあります。
そして、発表の日、作家などによる選考委員が選考し、1作~2作が受賞作となります。
奥田英朗さんの『空中ブランコ』ですが、これは、精神科医の伊良部を主人公とした短編シリーズで、雑誌『オール讀物』に連載されている作品です。
単行本として、文藝春秋社から02年に第1作『イン・ザ・プール』、04年に第2作である『空中ブランコ』が発売されました。
そして、02年の『イン・ザ・プール』も127回の直木賞候補にノミネートされ落選、その続編である『空中ブランコ』が131回の候補にノミネートされ、受賞する、ということになりました。
なお、その後、06年に第3作目の『町長選挙』も文藝春秋社から発売されてます。
文学賞は、まだ作家としてデビューしていない作家志望の人が、各出版社などが募集する新人賞に作品を応募して、受賞するとデビューという賞と、既にデビューしている小説家の中から、その賞の規定にあうような作品を探してノミネート、受賞作を決定するという賞の2つに大別できます。
直木賞は、その後者のタイプの作品といえます。
奥田英朗さんは、1997年に『ウランバーナの森』という作品で小説家デビューしており、その後、2001年発表の『邪魔』という作品で125回の直木賞候補に初めてノミネートされ、また直木賞と同じようなタイプの文学賞である大藪春彦賞を受賞しています。
なお、同時に受賞作が発表される芥川賞は、デビューしたばかりの作家が受賞し、まだ単行本として発表されていない段階の作品が多いのに対し(雑誌掲載の段階でノミネートされます)、直木賞はデビューして小説家としてキャリアを積んだ作家が受賞するケースが最近は多いです。
(奥田氏はデビュー7年での受賞ですが、これは比較的短い方で、141回の直木賞をとった北村薫さんや、134回の直木賞を受賞した東野圭吾さんはデビュー20年以上での受賞です)
補足
そのオール読物に掲載されるのはどのような経緯だったんでしょうか??