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外貨レートの差
外国に行くときの両替レートの質問です。 成田で、外国で、ホテルで、銀行で、あるいはキャッシングで、といろいろありますが、国内はレートが最悪とか、銀行が良いとか言われますが、その差はどのくらいのものでしょうか? 台湾に行くのに、現地空港で両替と思っていましたが、その時間が取れるかわかりません。 旅行社からは成田でしたほうが・・・と言われています。 レートが良くないとアドバイス頂いたのですが、そんなに差があるものでしょうか? 両替自体、3泊ですから数万円の予定です。 自分で調べようとしましたが、できませんでしたので質問させてください
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年に二、三回ほど台湾に行っている者です。 台湾元を入手する方法としては、台湾に着いてから空港の両替所で両替するか、クレジットカードでキャッシングするかをお勧めします。日本で台湾元に両替するとレートはそれより15%以上落ちます。 おそらくは台北の空港(台湾桃園空港)に到着されることと思いますが、両替所は入国審査所の横、手荷物受取所、(税関検査を通過した後の)ロビーなど数か所にあります[1]。いずれの両替所も銀行(臺灣銀行や兆豐國際商業銀行など)の出張所です。窓口で日本円現金を差し出せば、手慣れたもので1分とかからず台湾元を受け取ることができます。 気になるレートですが、台湾では空港でも十分納得できるレートで両替できます。定量的に言うならば公示仲値(後述)+2~3%程度の数字です。なお手数料として1回20元が差引かれますので、数人での旅行ならまとめて両替すると有利です。 市中支店はこれよりよいレートを出しているのでは?という疑問もおありかと思います。確かに多少よいレートを出している支店もあるのですが、空港との差はあってもせいぜい1%です(実地調査済)。加えて市中支店では日本語や英語が通じるとは限らず、処理に時間もかかるなど面倒です。3泊のご旅行であれば無理に市中支店で両替することはないでしょう。 現金自動預払機(以下ATM)を使ってクレジットカードでキャッシングするのも有利です。私は最近、専らこれによっています。キャッシングした際のレートは公示仲値+1.0~3.8%が目安で、この「+1.0~3.8%」は利息です。ATMは空港の中にも数箇所ありますし、市中でも銀行のほかコンビニエンスストアなどで簡単に見つかります。やむなくホテルで両替するくらいなら、ホテルでATMの場所を聞いてキャッシングした方が賢明です。 ただし空港で「時間がとれるか分からない」ならば日本円現金を両替する方法が無難です。両替所は否応なしに目立つ場所にありますが、ATMは探す手間がかかります(空港ロビーのどちらかと言えば端にある)。またATMの画面表示は英語と中国語の選択で、不慣れだと操作に時間がかかります。 以上の情報があれば旅行には事足りるかと思いますが、以下に補足説明をいたしますので必要に応じご覧ください。 1. 両替のレートはどうやって決まるのか 銀行はその日の気分で適当に両替レート(売りレート、買いレート)を決めているのではありません。外国為替市場における銀行間レートを元に売りレート、買いレートを決定しています。 銀行間レートとは外国為替市場で、文字通り金融機関間の取引に使われるレートです。新聞やテレビが「今日の東京外国為替市場、終値は1ドル=90円70銭でした」と報じられているレートは断りのない限りこの「銀行間レート」です。ただし銀行間レートは常時変動しているので、取引の都度銀行レートを参照するのでは窓口での処理が煩雑になります。そこで各銀行は「銀行間レート」に代えて「公示仲値」というものを定め、一日を通してそのレートを取引きの基準に用います(*1)。売りレートは、公示仲値に一定のマージンを上乗せして設定されます。買いレートはその逆で、公示仲値から一定のマージンを差引きます。 実際に台湾でのレートを見てみましょう。参考ページ[2]は臺灣銀行のレート表で、Cash Buyingとあるのが日本円現金を台湾元に両替する際の、Cash Sellingとあるのが台湾元を日本円に両替する際のレートです。"Buy", "Sell"のどちらを見るのかは戸惑うところですが、主語は常に銀行であることを知っておけば、"Cash Buying"は「銀行が日本円現金を買い上げる際のレート」、すなわち「お客が日本円現金を出して台湾元に両替する際のレート」と分かります。 このレート表で例えば9月16日16時(現地時間)の数字は 日本円Cash: Buying 0.3509, Selling 0.3622 日本円Spot: Buying 0.3575, Selling 0.3615 となっています。いずれも日本円1円あたりの台湾元の額です。SpotというのはCashの対義語でないので紛らわしいのですが(Spotの対義語はForward)、送金で適用されるレートとお考えください。これに対しCashは文字通り、店頭で現金を両替する場合のレートです。 SpotレートのBuyingとSellingを足して2で割ると0.3595で、これが公示仲値であると見当をつけられます。Cash Buyingはそれより2.4%低い数字なので、この2.4%が銀行の手数料収入になると読み取れます。 日本で両替するとどうでしょう。例えば[3]は日本の両替商"Travelex"のレートです。同じく9月16日のレートは3.30円→1台湾元、1台湾元→2.29円です。足して2で割ると1台湾元=2.795円なので、台湾元に両替するには18%を余分に支払うと分かります。この両替商が特異的に低いレートを出しているということはなく、日本での台湾元両替はどこでもこの水準です。 旅行代理店が成田を勧めているのは、レートより安心を重視してのことでしょう。海外旅行に慣れている人や、英語か現地語ができる人にはよいのですが、そうでない人にまで現地での両替を勧めると、最悪の場合「現地通貨を1円も持たず、言葉も通じないところで右往左往」という事態をも招きかねないからです。 2. クレジットカードでのキャッシング クレジットカードでキャッシングした場合、換算レートは「クレジットカード会社が定めるレート」が適用されます。このレートが恣意的に顧客に不利なレートにならないか心配かと思いますが、結論から言えばそれは杞憂です。「クレジットカード会社が定めるレート」は銀行の公示仲値とほぼ一致します。(乖離は通常±0.4%以内、為替が急激に動いている局面でも±1.0%以内) これに利用日から返済日までの利息が加算されます。利率は年利で15~20%、利用日から返済日までは25~55日くらいですので、利用額の1.0~3.8%を上乗せして払うことになります。返済までの期間にもよりますが、上乗せ分は銀行窓口での両替に遜色ありません。 注意しなくてはならないのは、昨今キャッシングの取扱を廃止するカードが相次いでいること、キャッシングは全てリボルビング払いにされるカードがあること、キャッシングは枠が小さく高額のお金を引き出すのには向かないことなどです。また回線不調やカードの磁気不良などによりお金を引き出せなくなる事態もありますから、必ずバックアップの方法(日本円現金を両替)も準備ください。 3. 両替に関する一般論 (1) 日本で両替するか現地で両替するか 「交換する2つの通貨の国際的な通用度を比較し、それが低い方の通貨の国で両替する」が原則です。日本円と米ドルなら日本円の方が通用度が低いので日本で、日本円と香港ドルなら香港で、ユーロとチェココルナならチェコで、といった具合です。上記の「日本円と台湾元なら台湾で」もこの原則に外れません。なお双方とも通用度の低い通貨の場合は、米ドルなど通用度の高い第三の通貨を介して「二重両替」した方が有利になることがあります。 (2) 空港の両替レート、市中銀行の両替レート 日本の銀行は市中支店でも空港の出張所でもレートは同じです。空港の出張所には優遇レートを適用している銀行すらあります。これに対し日本以外では、空港の出張所の方がレートが悪かったり手数料が高かったりすることは珍しくありません。近いところでは香港が要注意で、空港のレートは市中の私営両替商に比べ8%程度落ちます。 (3) 銀行か、私営両替商か、ホテルか 一般論としては私営両替商のレートが最もよく、銀行がこれに次ぎ、ホテルが一番不利です。私営両替商は見つけにくかったり、悪質業者も中にはいたりするのが難点ですが、うまく使えれば節約旅行の強い味方です。ホテルは一般に不利ですが、例外的に中国は政府当局が為替レートを統制していることもあり、ホテルでも銀行に遜色ないレートで両替できます。 参考ページ [1] http://www.taoyuanairport.gov.tw/japanese/about/facility_j.jsp [2] http://rate.bot.com.tw/Pages/Static/UIP003.en-US.htm [3] http://www.travelex.jp/currency/index.html *1 1日に数回の改定を行う銀行もあります。
お礼
大変詳しくありがとうございました。 台北で両替します。