接地の抵抗値とは、わかりやすく言うと、埋設する接地銅板や銅棒と大地との接触抵抗です。既出ですが、接地極埋設工事を行う場所の土質などで、例えば銅棒1本打ちこんだ場合のその抵抗値は大きく変化します。
A種からD種まで種類がありますが、使用用途によっては1つのビルで20種類などの接地極を工事する場合もあります。
電力用だとA種は高圧機器用、高圧受変電設備の避雷器(アレスタ)用、B種は変圧器の一次巻線と二次巻線間の混触防止用、変圧器の二次側中性点用(高調波対策で変圧器ごとに分ける場合もある)、C種では低圧機器(使用電圧の対地電圧300V超)の機器外箱用、D種では低圧機器(使用電圧の対地電圧300V以下)の機器外箱用(D種はMCCB回路の負荷用とELCB回路の負荷用に分ける)、避雷針用のA種(1避雷針で2極接地する場合は1極あたり20Ω以下でOK)、弱電用では、電話交換機用のA種(引き込み回線数によって6~10Ωに分かれる)、電話回線引き込み口の保安器用接地、その他各種ノイズフィルター用とか低圧回路の避雷器用など多種多様でここには書ききれませんw
一部の例を除き、接地抵抗が低ければ低いほど良いです。
例えばD種については低圧機器用に多く用いられるため、接地抵抗値が低いと機器が漏電した際に大地に多くの電流を流すことができ、ELCBのない電気回路でもMCCBをトリップさせることができたり、ELCB回路においてはELCBの動作を確実なものにしたり。
一部の例とは、D種接地をMCCB回路の機器用とELCB回路の機器用に分けていない場合、変圧器二次側中性点のB種接地抵抗値が低すぎるとMCCB回路の機器が漏電した場合の対地電圧上昇によって、他の機器のELCBが不要動作(もらい事故とも言います)してしまうことがあるからです。そのため、内線規定ではMCCB回路とELCB回路用にD種接地を個々に設けない場合は接地抵抗値を2Ω以下にするよう決められています。