まず、大臣というのは法律上の名称としては全て「国務大臣」です。国務大臣は、内閣総理大臣によって任命され、その任命行為は天皇による認証を受けます。この認証がないと任命の効力が発生しないとされています。
国務大臣に任命されると、まず「国務大臣に任命する」という辞令をもらいます。任命された場合、内閣の一員として閣議に出席、内閣の意思決定に参加します。
国務大臣に任命されたら、次に「○○大臣に任命する」という2枚目の辞令をもらいます。この内容によって、国務大臣は「各省大臣」と「内閣府特命担当大臣」に分かれます。
各省大臣というのが、私たちがイメージする大臣のことで、中央省庁のトップとなる人です。担当する省庁の名前を付けて○○大臣と呼ばれます。国家公安委員長は、国家公安委員会を通じて警察庁のトップとなるので、各省大臣に分類されます。
内閣府特命担当大臣は内閣府に置かれ、それぞれの内閣で特に重要と考えられる事項を特別に担当する大臣となります。内閣総理大臣から特別に命じられた仕事を担当する大臣なので特命担当大臣と呼ばれます。
内閣府のトップは内閣総理大臣が務めるので、内閣府特命担当大臣は省庁のトップではありません。少子化担当大臣、食育担当大臣、沖縄・北方担当大臣などがこれに当たります。2001年に省庁再編が行われる以前は単に国務大臣と呼ばれたり、無任所大臣などと呼ばれる場合もありました。(任せる所(=省庁)のない大臣と言う意味です。)
ちなみに、自民党政権時代、閣僚希望者はみんな各省大臣を希望していました。なぜなら、国の予算は省庁に配分されるので、担当する省庁のない内閣府特命担当大臣では使える予算もなく、官僚という部下もいないからです。このあたりは民主党政権に変わり、どのようになるでしょうか。