こんにちは、はじめまして
> コストがあまりかからず、かつ抑止力のある代替兵器が新たに作られるということは
> ありえないのでしょうか?
核に代わる、と言い切るのには やや疑問符がつきますが・・・
ブッシュ政権時代のQDR2006にて新たに提唱された「PGS(Prompt Global
Strike:迅速地球規模攻撃?)能力の具備」というのが米国のあらたな抑止戦略と
言われています。
簡単に言うと 精密誘導、高硬度&深々度目標の破壊、短い反応時間(命令から攻撃
までが)、柔軟な運用性の各能力を持つ通常型(非核)兵器を様々なプラットフォーム
(地上発射、潜水艦発射、等々)で地球上のあらゆる場所に対して投射出来るように
する。というもので、2010年代中頃からの配備を計画しています。
オバマ政権では このPGS能力に対して未だ明確な態度は表明していない、と記憶して
いますが、本年4月に米空軍に新たな部隊(?)Global Strike Commandが創設されたと
いうことは、もしかしたらPGS能力の取得、という方向にオバマ政権も舵をきった、
ひとつの現れなのかもしれないですね。
ただ、議会側は
・核戦力の削減に対する潜在的な恐怖感
・PGSの実現性(有効性)に対する疑問
などがあるようで、これまでの国防総省のPGS関連の予算要求も(一部の研究や試作開発
を除いて)すんなりと認めたことは無いみたいです。
とは言え「もう大規模な核戦力を保持し続けることは時代に合わない(もはや敵は露、中、
ではない)」というのが、この10年あまり、特に9.11以後の米国の共通認識である
ことは疑いは無いので、大きな流れとしては、あらたな脅威に対する抑止力をつける
方向に向かっていくと思います。
対象が変われば手段も変わる、ということで、「あの米国がついに核廃絶を言い出した、
よかったよかった」という単純な図式では無いと思います、はい。