野菜は自然の中で育っているため、雑菌、ホコリ等がいっぱい着いています。また、農薬などが着いていることもあります。したがって、水で洗っただけでは十分にきれいにならず、薄めの洗剤であらい、その後、十分に水ですすぐのが最も衛生的です。見た目がきれいになるのを目的としているわけではなく、洗剤の野菜への残留もほとんどないといって良いでしょう。一応、野菜類を洗う場合には５分以内の浸漬に止め、流水で30秒以上すすぐといった規定があります。カット野菜では更に低濃度の塩素による殺菌やアスコルビン酸（ビタミンＣ）による褐変防止処理なども行われます。
最終的なカット野菜製品は細菌類の残留が極めて少ない状態にされています。そうでないと、切断面から雑菌が入り、あっという間に変質するからです。切断面を乾燥させれば、菌は繁殖し難くなりますが、それでは見た目が悪くて売れませんよね。
以上のようなことで、カット野菜の安全性は一般的には高いといえます。しかし、洗剤の人体または環境への影響を気にする人へはお奨めできないかもしれません。厚生省もその辺を気にしていて食中毒対策に関する一般向けの指針では「野菜は良く洗え」と書いているだけで、洗剤については使えとも使うなともいっていません。カット野菜を使いたくない人は、普通の野菜を買えば良いのですが、カット野菜は外食産業、中食産業（弁当屋）を中心に利用が広がっているので、知らず知らずのうち食べてしまうかもしれません。
