時事英語における分詞構文の翻訳について
翻訳実務者に是非お伺いしたい質問です。
以下の文の「testing the grip of the ruling Communist Party」について質問します。
BEIJING (Reuters)
Chinese President Hu Jintao has warned his country's competitiveness and trade strength were being threatened by a sustained global economic downturn, testing the grip of the ruling Communist Party.
【模範訳】中国共産党の胡錦濤総書記(国家主席)は、世界経済の減速が続く中、中国の国際市場での競争力と貿易の優位性が弱まってきており、党の執政能力が問われているとの厳しい認識を示した。
【模範訳】が、意味上の主語にしていると考えられるのは、
「a sustained global economic downturn」(継続している世界経済の減速)か、又は、「it」(漠然とした状況)です。
(a sustained global economic downturn tests the grip of the ruling Communist Party.又は、it tests the grip of the ruling Communist Party.)
仮に「a sustained global economic downturn(継続している世界経済の減速)」を意味上の主語だとすると、「分詞構文の意味上の主語は文の主語と一致する」という原則に反します。このセンテンスでの文の主語は、Chinese President Hu Jintao、又は、従属節中のhis country's competitiveness and trade strengthです。
従属節が受動態をとっていることから、能動態 a sustained global economic downturn were threatening his country's competitiveness and trade strength.としa sustained global economic downturn(継続している世界経済の減速)を文の主語として原則に反していないと考えることもできますが、このような英文法上のルールはおそらくありません。
分詞構文は「主節を言い換える」という機能に着目すれば、模範訳作成者は、Chinese President Hu Jintao has warned(中国共産党の胡錦濤総書記(国家主席)は厳しい認識を示した)→testing the grip of the ruling Communist Party.((厳しい認識を示すことはすなわち)中国共産党の胡錦濤総書記(国家主席)が、党の執政能力を検証している(引締めを図っている)。→中国共産党の胡錦濤総書記(国家主席)は厳しい認識を示すことで、党の執政能力の引締めを図った。と翻訳する方が、英文の流れに沿ったものと考えます。
【試訳】胡錦濤 中国国家主席は、中国の競争力と貿易の優位性が継続する世界的な不況の脅威にさらされていると厳しい認識を示し、中国共産党の統制力の引締めを図った。
模範訳は、「党の執政能力が問われているとの厳しい認識を示した」でも、「問われているとの厳しい認識」と認識する者(主語)は「胡錦濤中国国家主席」なので、訳文の中で「test」「warn」を一体的に訳出しtestを、受動的に意訳したに過ぎない、という理解でよろしいのででしょうか?翻訳において正解はひとつとは限りませんので、御専門の方の見解をお願いします。
お礼
1代目である金日成は「首相」や「主席」という国の役職で呼んでいました(少なくとも日本の新聞記事は)。彼の死後、主席という役職がなくなったのですね。 国防委員長という役職は国の中で一番上の役職というわけではなく、この肩書きでは国家の代表者であることが表現しづらいため、実質的な権力をもっている理由である党の役職で呼ぶのが最高権力者であることを表現できる点了解しました。