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不動産融資総量規制について
政府はなぜ、結果としてハード・ランディングとなってしまった「不動産融資総量規制」をしたのか。また、当時の社説を踏まえた上で分かりやすく教えていただけないのでしょうか?
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1990年3月の大蔵省銀行局長通達のことですね。 「結果としてハード・ランディングとなってしまった『不動産融資総量規制』」というのは事実でしょうか? そもそも「総量規制」とは、不動産業向け貸し出しについて「その増勢を総貸出しの増勢以下に抑制すること」であり、数値目標としては極めて緩いものでした。不動産業向け貸出しは既に十分膨れ上がっていたのですから。また、翌年12月には解除されています。 総量規制は、「大蔵省が本気になった」というアナウンスメント効果を金融業界に対して発し、バブル崩壊のきっかけになったことは事実ですが、それを過大評価すべきではありません。 当時、実体経済や一般物価が比較的安定していたのに、地価(と株価)だけが勝手に3倍に上がってしまったのですから、それが崩壊するのは自然の法則に従っただけであり、高いところから落ちればハードランディングになるのは当然のことでしょう。 今振り返ってみて、ハードランディングを防ぐ方法は2つしかなかったと思います。 第1は、総量規制をもっと早く(地価が上がりすぎる前に)発すること。より根本的にはプラザ合意後の超低金利政策をもう少し早くやめて金融をある程度引き締め、バブルの膨張を抑制することです。 第2は、金融緩和を続けてインフレを起こし、一般物価を地価に追いつかせることです。 おっと、まだ質問に答えていませんでした。 総量規制をしたのは、それまでの手ぬるい通達やヒアリングでは効果がなく、その間に地価高騰が進み、国民の不満が頂点に達したからでした。 ・サラリーマンがどんなに働いてもマイホームは夢のかなた ・一方で、土地持ちは働かなくても億万長者 という時代でしたから。
補足
なるほど!!分かりやすい説明ありがとうございます。そう考えると、ハード・ランディングではなかったのですね。