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燃料電池ってホントに環境に優しいのかな?
こんばんは。myzardです。 テレビで燃料電池の特集が放送されていたのですが、どうも 納得がいかないことがあるので質問したいと思います。 実用化に近づいている例として、水素を酸素と化学反応させて 電気を取り出すことができ、それに伴って発生する物質は水だけ というものが紹介されていました。 「でもそれって、これまで二酸化炭素を発生させてしまっていたのが 水に代わっただけじゃないの?」 という疑問を感じました。 素人考えなので根本的に間違っているかもしませんが、電気を 作るときにできる副産物が水ならばまったく環境に影響しないなんて ことはないですよね。単純に考えても、水がどんどん増えてしまえば 蒸発して雨を降らせ、長期的に見ると海面上昇などにつながるように 思えるのですが、そんなことにはならないのでしょうか? この特集を見て、「副産物を二酸化炭素から水に代えることで、 表向き環境に優しそうに見えるようにごまかしている」ように思えて しまったのですが...。皆さんのご意見をぜひお聞かせください。
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まず燃料電池のメリットと思われる点から 1.家庭用電源として配備できれば、送電ロスをなくすと共に発電所事故時等のリスクを低減できる。 2.コジェネレーション(電気と共に熱を供給すると言うもの)を用いればエネルギー利用効率80%と言う高い数字を達成できる。(ちなみに原子力の発電効率は30~40%、太陽光発電は10~15%) 3.エネルギー利用時にCO2を出さない。CO2排出量の削減は温暖化問題から非常に重要。一応京都議定書を批准している立場から推進すべきもの。 4.携帯電話、ノートパソコン等の電源としての利用。従来のバッテリーよりもはるかに長時間稼動でき、かつ燃料補給が容易である。 問題点として 1.水素製造法の確立。現在最も実用的な炭化水素からの製造では結局CO2が出るので環境面からは望ましくない。 2.水素インフラの整備。水素は腐食性も高いので材質にも気を使う必要がある。(余り専門でないので良くわかりません) で、質問内容の水が増えるということですが、まずエネルギーは無からは生まれません。燃料電池の場合、何らかのエネルギーを用いて水から水素と酸素を作っています。(炭化水素が源の場合を除く)ですので、水の総量が増えるということはないです。 また、このことのメリットとしては電気は通常ためておくことができないものであるのを(バッテリーは容量が小さく効率が悪い)、水素と酸素と言う形でためておくことができると言う点が上げられます。例えば電気から水素を作るとしても余剰発電と言うことから安価な深夜電力などを用いることで、エネルギーを効率よく使うことができます。(揚水型水力やエコアイスと同じような考え方) で、最後にどのようにして水素を作るかですが、私の知る範囲で実現して欲しいものを2つ。 1.高温ガス炉(原子炉の一種)軽水炉よりも高い温度が得られ、この高温を用いて水から水素を作ることができる。日本原子力研究所で研究されている(と思う)。CO2を発生させずに水素を作る方法としては最も現実的なものと思われる。 2.光触媒。金属に光を当てて水素を発生させるというもの。現在は効率が非常に悪くコストも高いのでその点が問題。
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- cse_ri2
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逆にたずねますが、質問者の方は燃料電池以上に環境に やさしいエネルギー源をご存知でしょうか。 燃料電池も深く研究すれば、それなりの問題点はあります。 まずは水素を如何にしているかということです。 水を電気分解する場合、その電気をどこから得るかが問題 になります。原発や火力発電所で発電した電気を使うとす れば、間接的ですが燃料電池を使用しても問題となるという わけです。 燃料電池が出す水が海面上昇につながるという意見は杞憂 でしょう。量的にも下記の方の発言にあるように微々たる ものですし、なんなら海水を電気分解して、また水素を作って もいいわけです。 また太陽光発電や地熱で得た電気で水を電気分解して水素 を得るという手段も考えられます。 テレビ番組というのは、誰がみてもわかりやすいように簡単な 内容にしか触れていません。 専門の書籍を読んで、エネルギー問題をいろんな視点から 学べばば、この程度の疑問などたいしたことはないことが すぐにわかります。
お礼
ご回答、ありがとうございます。返事が遅くなりましてすみません。 全部で11人もの方から回答をいただいて、非常に参考になりました。 私自身、専門的知識に乏しい上に、あまり深く考えずに質問したので、 基本的なところから具体的な数字を使った詳しい解説までさまざまな アドバイスをもらうことができました。ありがとうございました。 燃料電池は、現在の火力や原子力による発電に代わるものではなく、 むしろPCなどのバッテリーに使われるような場面で優れた技術である ことがわかりました。(電源がない場所でも、自分自身で発電して 電源を得られるところが新しいですね) ただ、燃料電池のエネルギー源(水素?、メタノール?)をどのように 調達するかがまだ課題のようですね。それらが解決されて日常的に 利用されるように、かつ、限りなく環境を破壊しにくいものとして 普及していけばいいなと思いました。 回答くださった皆さん、ありがとうございました。
世界のエネルギー消費量は3.6x10^20(J)。 水素1molが水になるときの熱量は2.9x10^5(J)。 水素の燃焼で世界のエネルギー消費を全部まかなったとすると、それに使う水素は (3.6x10^20)/(2.9x10^5)=1.2x10^15(mol) もちろん発生する水の量も、同じく1.2x10^15(mol) 1molの水は18gなので、その水の質量は18x1.2x10^15 = 2.2x10^16(g)、すなわち2.2x10^10トン。220億トンということですね。 地球にある水の量は1.4x10^18トン、220億トンの6400万倍です。 ということで、燃料電池のせいで水が増えて海面が上昇することはありません。
お礼
回答、ありがとうございます。返事が遅くなり、すみません。 せっかく解説してくださっていますが、ちょっと難しいです...。 とりあえず、海面上昇に結びつくことはないんですね。 他の回答で、 > 燃料電池の価値は、エネルギー源としてより、 > 「どのくらい効率のいいエネルギー貯蔵装置であるか」 > にかかっています。 という指摘がありました。そのように捉えると、私がはじめに感じた 疑問はちょっと方向が違うことになりますね。実際、テレビでも火力 発電に代わるようなものとしてではなく、電気自動車やノートPCなどの バッテリーのような技術として取り上げられていました。燃料電池によって 排気ガスがなくなったら素晴らしいですね。
- fibula
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>単純に考えても、水がどんどん増えてしまえば蒸発して雨を降らせ、長期的に見ると海面上昇 理論的にはそうですが、実際問題、計測できるほどの上昇は余りにも時間がかかる。それよりも温室効果の方が海面上昇に対して有効。 前段の方の回答を読んで?と思ったので、今いろいろと調べました。 (どこで燃料電池用の水素を電気分解で作るって知ったんだろう。) 一酸化炭素の無毒化として二酸化炭素の放出はありますが、こいつを再メタン化したり正極の酸化装置に使用する技術も見つけました。 とりあえずわかりやすいホームページを紹介します。 ポイントは窒素酸化物がでないことと(酸性雨が降らない)、従来型に比べて2倍以上のエネルギー効率の良さです。 (効率が良ければ排出される二酸化炭素も少ない)
お礼
回答、ありがとうございます。返事が遅くなり、すみません。 教えてくださったページ、見てみました。環境保護のための技術は いろいろ研究されているんですね。参考になりました。 私が見た燃料電池の特集は10分程度のだったので、とりあえず良い 面をまとめてあったんでしょうね。他の方のご意見なども聞いて、 燃料電池は優れた技術であることがわかりました。問題点もまだあると 思いますが、それらも解決されて実用化されるといいですね。
- unyo12
- ベストアンサー率58% (47/81)
もうご存知かもしれませんが、アイスランドは地熱や水力による発電で電力を賄い、その余剰電力だけで水の電気分解を行って燃料電池の燃料(水素)を得ているそうですので、紹介します。
お礼
回答、ありがとうございます。返事が遅くなりまして、すみません。 ご紹介いただいたページ、見てみました。水を電気分解する方法も ちゃんと考えられていることがわかりました。とても参考になりました。 テレビなどでは時間的に無理があるのかもしれませんが、今回のような 燃料電池の特集でもきちんとメリット、デメリットを取り上げ、それに 対してどのような取り組みがなされているかまで視聴者に伝えて欲しいと 思いました。
燃料電池といってもいろいろな用途があるのですが(ノートパソコンに、なんて用途もあるそうです。)、おっしゃっているのは燃料電池を使った自動車ことですかね? > でもそれって、これまで二酸化炭素を発生させてしまっていたのが水に代わっただけじゃないの ガソリン、軽油、といった化石燃料は、分子構造でいうと炭化水素です。 燃えると水と二酸化炭素になります。もちろん、水は液体ではなく水蒸気の形で出ます。 水は今でも出ているんです。 また、自動車の排気ガスからはいろんな有害物質が出ています。例をあげると、 一酸化炭素 血液中のヘモグロビンと結びついて酸欠を起こさせ、人間をしに至らしめる。 窒素酸化物 酸性雨の原因 炭化水素 未燃焼の燃料、オゾン層を破壊 粒子状物質 発ガン性や、アレルギー、喘息などの原因とも言われる 燃料電池ならこれらがすべてなくなり、水だけになるんです。 そのため、自動車の動力として研究されています。 次世代の動力源としてはいいんじゃないですかね
お礼
回答、ありがとうございます。返事が遅くなり、すみません。 > 燃料電池ならこれらがすべてなくなり、水だけになるんです。 > そのため、自動車の動力として研究されています。 > > 次世代の動力源としてはいいんじゃないですかね そうですね。他の方の回答などでも燃料電池のメリットを 知ることが出来ました。ノートパソコンなどのバッテリーも すべて燃料電池に置き換わって、電源を探さなくてよくなると いいですね。
- inaken11
- ベストアンサー率16% (1013/6245)
ちなみに燃料電池の燃料にあたるものは、プロパンガスや、アルコールなどから得る水素です。 改質器というのを通して、水素を得るようです。 しかしながら、その分子に含まれる炭素原子から多少のCO2が出るようです。 でも、ものを燃やして発電するよりはるかに能率が良くて、窒素酸化物など出さずにクリーンですよね。
お礼
回答、ありがとうございます。返事が遅くなりましてすみません。 > しかしながら、その分子に含まれる炭素原子から多少のCO2が > 出るようです。 そうですか。やはり完全にクリーンなエネルギーというのは 相当に難しいんでしょうね。いかにして需要に見合う電気を 確保するかではなく、どうすればこれ以上使わなくするか (そして減らしていくか)というアプローチをしないと将来は ないでしょう。電気使用料を減らす=家電を使用を減らす-> 生活レベルダウン? という風に感じてしまう現状のままでは 難しい問題ですね。
- liar_adan
- ベストアンサー率48% (730/1515)
燃料電池が「エネルギー源」と紹介されることがありますが、 これは根本的なまちがいです。 酸素はともかくとして、水素は自然界からはほとんど採れないので、 水を電気分解して作り出すことになります。 そのためのエネルギーには石油なり原子力なりが必要になることは、 #2の方の書いたとおりです。 燃料電池の価値は、エネルギー源としてより、 「どのくらい効率のいいエネルギー貯蔵装置であるか」 にかかっています。 エネルギーの量を増やすことはできないけれど、 効率よくエネルギーの貯蔵・輸送をすることができれば、 それなりの存在価値はあると思います。
お礼
回答、ありがとうございます。返事が遅くなりましてすみません。 > 燃料電池が「エネルギー源」と紹介されることがありますが、 > これは根本的なまちがいです。 な、なるほど...。電力発電として考えてしまうと方向が ずれてしまうみたいですね。 > 燃料電池の価値は、エネルギー源としてより、 > 「どのくらい効率のいいエネルギー貯蔵装置であるか」 > にかかっています。 > エネルギーの量を増やすことはできないけれど、 > 効率よくエネルギーの貯蔵・輸送をすることができれば、 > それなりの存在価値はあると思います。 そうですね。なんだか燃料電池の素晴らしさがわかったような 気がします。今のバッテリーによる電気の貯蔵よりも優れた 技術なんですね。勉強になりました。ありがとうございました。
- inaken11
- ベストアンサー率16% (1013/6245)
多分、送電ロスが無くなるのと、必要な分だけ必要な場所で発電出来るから無駄に燃料を食わないので、環境に優しいのだと思います。 いまの、発電方法だと、需要を見越した分+余裕分の電気を作っていますから。
お礼
ご回答、ありがとうございます。返事が遅くなりましてすみません。 > 多分、送電ロスが無くなるのと、必要な分だけ必要な場所で > 発電出来るから無駄に燃料を食わないので、環境に優しいのだと思います。 なるほどね~。送電までは考えませんでした。確かに、その場で 発電してその場で使ったほうがロスは少ないでしょうね。現在の バッテリーよりも優れた技術問うことがわかりました。ありがとう ございました。
- azicyan
- ベストアンサー率21% (368/1747)
基本的にごまかしだと思いますが・・・ まず水素と酸素を電気分解するのに(つまり燃料)電気がかかります。そのことを完全に無視しています。 それから、エネルギー変換には必ず効率があって100%ということはありえず、分解するのに100のエネルギーがかかったら必ず100以下のエネルギーしか取り出せません。核反応を除いては・・・ですが。 おそらく、石油の発電によって電気分解するのでは・・・本末転倒・・・ですが、そんなものかもしれません。 それから心配なさっている件ですが、「物質不滅の法則」ということを知っていますか?つまり燃料を作るときに水から水素・酸素を取り出すとしたら、地球上の水の量は実質上変化しないことになります。あくまでも理論的に、ですが。 この物質不滅も「核反応はべつ」となります。
お礼
回答、ありがとうございます。返事が遅くりましてすみません。 > まず水素と酸素を電気分解するのに(つまり燃料)電気がかかります。そのことを完全に無視しています。 そうなんですよ。この部分はどうなっているのかなぁと思っていました。 やはり、水素を得るために何らかのエネルギーが必要なんですよね。 ただ、#4の方がご指摘くださっているように、現在の原子力発電や 火力発電に変わる発電技術として捉えてしまうとまずいようです。 単純にバッテリーの代替になる技術として考えてみると画期的なのかも しれませんね。ありがとうございました。
- se-ichi06
- ベストアンサー率25% (109/427)
中学校の理科の実験でやりませんでしたか? 水を電気分解して、酸素と水素を取り出す実験。 この水素をまた酸素と反応させると・・・ この時は、質量保存の保存の法則が成り立ちましたよね? 循環することが出来ます。 一方、二酸化炭素は、温室効果ガスとも呼ばれ、なかなか宇宙空間へ拡散していってくれません。 そのため、ビニルハウスのなかに地球がいるような状態になり、 南極などの氷が溶けて海面が上昇します。
お礼
回答、ありがとうございます。返事が遅くなってしまい、 すみません。 > 水を電気分解して、酸素と水素を取り出す実験。 > > この水素をまた酸素と反応させると・・・... それはわかっていますが、水を電気分解するために電気を 使うのでは本末転倒というか、ナンセンスというか...。 テレビでは水素があらかじめあるという前提でしたので 水素をどこから調達するのかまでは触れていませんでしたので、 疑問に思いました。 ただ、二酸化炭素を発生させつづけるよりはるかに優れた 技術だということはわかりました。ありがとうございました。
お礼
ご回答、ありがとうございます。返事が遅くなりましてすみません。 メリット、デメリットから、水素を作る技術の動向まで説明して くださり、とても参考になりました。uni050さんはじめ、他の 方々の回答を読んで、燃料電池は優れた技術であることがわかりました。 日常的に使われるようになるまでにはまだ時間がかかりそうですが、 いろんなところでこういう技術が使われるようになって、少しでも 環境を保護できるといいですね。