satukinnguさん こんばんは
薬局を経営している薬剤師です。
医師の判断が「乳児湿疹」と言う事ですと、俗に「かぶれ治療薬」と呼ばれている炎症止めの塗り薬を使う事になります。これらのお薬を大別すると「非ステロイド」と呼ばれるお薬と「ステロイド」と呼ばれるお薬とに分類出来ます。一般的な効果を言うと、非ステロイド<ステロイド と言う場合が多いです。
この二種類の使い分けですけど、例えば男性の睾丸みたいに他の皮膚より吸収率が高い場所に塗布する場合・症状が軽度の場合・ステロイドを嫌がる方等には「非ステロイド」、症状がはっきりしっかりある場合・ある種の皮膚病(ステロイドを使わないと治らない症状)・症状の判断が難しく水虫みたいなウイルスや細菌等感染で起きた症状なのか俗に言ういわゆり「かぶれ」との区別が付かない場合(実際にウイルス感染等のバイ菌感染で起こった皮膚病の場合はステロイドを使うと悪化する場合もあるのですけど、高々1週間程度の使用で悪化したとしても即取り戻せるので、判断として一旦ステロイド配合の軟膏類を使う場合があります)等に使います。
具体的に言うと「スタデルム軟膏」は「非ステロイド」軟膏です。顔の場合は最悪判断ミスで症状悪化させた場合、躯体みたいに洋服で隠す事が出来ません。ですから判断が難しい場合の顔の湿疹で使う場合があります。また赤ちゃん等で強いお薬が使えない場合にも使う場合があります。
「デキサルチン軟膏」ですけど、「ステロイド」軟膏です。成分は「デキサメタゾン」です。「ステロイド」軟膏には「ものすごく強い」~「ものすごく弱い」までの5段階あるのですけど、「デキサメタゾン」と言う成分は「ものすごく弱い」に分類されるステロイドで、たとえば赤ちゃんの顔等に使う場合も多い安心して使える軟膏です。ただし「ステロイド」軟膏である事には間違いがないので、効果が良く現れるからもっと多く使えばもっと早く治るだろうと言う素人勝手な判断では使えない軟膏になります。ですから医師の指示(1日2~3回)を守って使って下さい。素人さんの中には単に「ステロイド」と言うだけで毛嫌いするみたいに拒否する方も多々いる様ですけど、「ものすごく弱い」と言う分類に分類される「ステロイド」軟膏では例え漫然と2~3週間位塗布し続けても何も問題が出ないので(もちろん成分にアレルギーをお持ちの方は別問題ですけど・・・)安心して使って結構です。
それと「デキサルチン軟膏」は「口腔用軟膏」と言う分類に分類される軟膏です。ですから一般的に口内炎等の口の中に塗布しても良い規格で作られています。したがって極端に言えばパンにバターを塗る感覚で、「デキサルチン軟膏」を食べ物に塗って食べたとしても少量なら何も問題が出ない軟膏です。赤ちゃんの場合は無意識に顔を舌で舐めてしまう場合も多々あるので、小児科の先生はその事を考えて「口腔用軟膏」と言う分類の軟膏を選ばれたんでしょう。
最後に炎症止めの軟膏類の使い方です。たとえば何も症状のない手をこすり合わせたら、誰でも手は赤くなりますよね。これは一時的に超軽い炎症を起こしている事を意味しています。ですから幹部に薬を塗布する時は、極力こすり合わせないで塗布する事です。素人さんの中には、軟膏類は擦り込んで使えばより効果が良く出ると勘違いされている方も多々います。「良く擦り込んで塗布する」行為は、幹部をこすり合わせる行為です。ですから一時的に症状を悪化させてしまう場合も多分にあります。したがって「良く擦り込む」と言う使い方をせず、幹部にカバーを付ける要領で、幹部に薬をのせる様に使われたらと思います。
同じ軟膏類でも「バンテリン」等の痛み止め系の軟膏類は、「良く擦り込んで塗布する」軟膏です。これは「良く擦り込む」事でマッサージ効果をも期待する為です。
以上何かの参考になれば幸いです。
お礼
sionn123さま、大変ご丁寧にお答えいただき感謝の気持ちでいっぱいです。これだけの長文、うつだけでも大変だったことと思います。 見ず知らずの私にこんなにくわしく回答いただけたこと本当に嬉しく思いました。ありがとうございました。勝手に軟膏を変えたりせず、成分をよく見て使用しなくてはいけないのですね。素人判断で勝手にしてはいけないことがよくわかりました。ありがとうございました。