不発の原因として考えられるのは
1 雷管(プライマー)自体の製品不良
2 カートリッジパウダーの品質不良
3 ファイヤリングピンの欠損(オートのみ)
4 ファイヤリングピンの磨耗(主にリボルバー)
5 メインスプリング(コイル)のへたりによる、プライマー打撃力不足。(リボルバーの場合はコルト社はコイルスプリング、S&Wはリーフスプリングの場合もあり)
6 セイフティ不良(主にオートですが、種類が多すぎるので詳細は省きます)
7 シアの解放ミス(オート)
次にこれはオートのみですが、ジャミング(弾詰まり)を起こす原因としては
1 カートリッジとチェンバーランプの相性の悪さによるジャム。(主に弾頭形状に起因しますが、稀に長すぎや短すぎなどのケース長の精度不足もあります)
2 スライド内に、もしくはマガジン内に紛れ込んだ、小枝や小石などの異物によるスライドの閉鎖不良によるジャム。
3 マガジン形状の変形による送弾不良によるジャム。(マガジンリップの変形が主)
4 エジェクト不良。(主にエキストラクターの欠損や、ケースリムの強度不足)
5 シューターのグリップ力不足。(銃をしっかりホールドしない場合に起こりやすいジャムです)
ざっとこんなところですが、不発の原因のほとんどはカートリッジ自体の製品不良によるものです。これも一昔前のファクトリー物でしたらそれほど不発の発生率は高くはありませんでした。しかしその後中国製(ノリンコ)がはびこってきたことと、ウィンチェスターやレミントンなどが経費節減を狙って南米へ工場を移転させたことによって、製品にばらつきが増え、自然に不発率が高くなっています。
また不発の際の処置ですが、オートの場合はシングルアクションの銃はスライドを引いてそのままエジェクトさせるしかありません。ダブルの場合はそのままもう一度トリッガーを引いてハンマーを落とします。この方法で結構発射できるケースが多くあります。
リボルバーの場合は、そのままトリッガーを引きなおせばいいように思いがちですが、ひとつ落とし穴があります。つまり不発弾時に「ディレードファイヤ」(遅発)という現象が稀にあるからです。プライマーやパウダーの燃焼がまったく起こらない場合は別ですが、ちろちろと燃焼していくケースがあります。速くて数秒、遅くて10秒後に発射されたケースが報告されています。このため管理射場・シューティングレンジでのシューティングでの不発の場合、オート、リボに関わらず、最低10秒は銃を的へ向かって構えたままを維持することが推奨されています。
オートはそういうことはありませんが、リボルバーの場合、不発弾を放置して次弾を発射しようとしたとき、シリンダー内にあった不発弾がディレードファイヤを起こす可能性があります。良くて銃本体をバラバラにするだけで済みますが、最悪シューターの指が2,3本持っていかれてしまうことも考えられます。
以上つれづれに書きましたが、何かの参考になれば幸いです。