ウィルスにしてもスパイウェアにしても、1つのセキュリティソフトですべてに対応できればいいのですが、残念ながらそうはいかないのが現状です。市販品で有名なNorton Internet Securityやウィルスバスター・Kaspersky Internet Securityなどはたしかに優秀なソフトですが、それらでスキャンして問題なかったのに、他のスパイウェア対策ソフトでスキャンするとスパイウェアが見つかることもあります。オールマイティなセキュリティソフトは存在しないということを先ず認識すべきしょう。
そういうわけで、総合セキュリティソフトとスパイウエア対策ソフトの併用は、より強固なセキュリティを構築するために有効といえるでしょう。ただし、無用なトラブルを避けるための知識は必要です。そのポイントは2つあります。1つは、常駐型ソフトの併用を避けるということ、もう1つは互いの相性に注意することです。難しい理屈は割愛しますが、常駐型が複数存在するとそれらが競合(ぶつかり合うこと)して、セキュリティソフトが正常に機能しなくなったり、OSの動作がおかしくなったりするわけですね。総合セキュリティソフトは大抵常駐型ですので、併用する場合は非常駐型のスパイウェア対策ソフトを導入するようにしましょう。
例えば、Ad-Awareは非常駐型ですから、併用は問題ありません。Spybot S&Dは常駐/非常駐切替型ですので、常駐をオフにして使用すれば問題ありません。数ヶ月前から私が使い始めているa-squared Freeというマルウェア対策ソフトも非常駐型で、市販の総合セキュリティソフトで検出されないマルウェアも検出してくれることがあります。
さて、基本的には常駐型と非常中型の併用は問題ないということを述べましたが、併用するソフトの相性については別途考慮する必要があります。過去の例をみてみますと、ウィルスバスター2007とSpybot S&Dは相性が悪く、併用するとトラブルになるということがありました。私の経験でも、AVG Anti-Virus 8.0(スパイウェア対策機能付きウィルス対策ソフト)とSpybot S&Dを併用すると競合が起こり、PCの動作が使い物にならないくらい重たくなったことがあります。そういうわけで、事前チェックとして、『ウィルスバスター2009 Spybot S&D 1.6 競合』といったキーワードでウェブ検索して調べるか、相談箱で質問して経験者の方々から情報を得るようにする方がよろしいと思います。
ところで、非常駐型のスパイウェア対策ソフトは自動検出をしてくれませんので、定期的にソフトを起動させてマニュアル操作でスキャンしてやらなくてはなりません。つまり、スパイウェアに侵入されても、マニュアル操作で検出して対処するまで、PCの中に入ったままになるのです。そういうわけで、できるだけまめにスキャンしてやることが重要ということになります。とはいうものの、常駐する総合セキュリティソフトが入っているわけですから、ややこしいサイトなどに頻繁に出入りしていなければそう神経質になることもないと思います。因みに、私は情報収集のために各国のサイトを閲覧しますので、2~3日に1度は3種類のソフトでスキャンするように心がけています。
以上、ご参考になれば幸いです。