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一人称で書かれている小説
一人称(主人公視点)で書かれている小説で、オススメのものを教えてください。 日本の本でも外国の本でも、メジャーなものでもマイナーなものでもいいです。 ミステリー・恋愛などなど、ジャンルは問いません。 研究に使う可能性もあるので、ラノベ以外でお願いします。 ※村上春樹、伊坂幸太郎、乙一、西尾維新や彼らの作風に似る本は除外していただけると嬉しいです。どうしても肌に合わないので… 過去の質問で出ているものはだいたいチェックしました。 よろしくお願いします!
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カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」他 浮世の画家、わたしたちが孤児だったころ、など。 イシグロ氏は一人称に定評があり 「本人の目、思い込みを通した」事実を認識させたり それが周囲の認識と違うことを突きつけたり また、本人の考えの外側に事実があったりというのが得意だと思います。 ご両親は日本人ですが英国人なので、外国人作家扱いになります。 ただ村上春樹とは興味を持ち合っていたり、好んでる作家が重なっていたりもするので ある意味通じるところがありますが…。 一人称を研究するにはいい作品だと思います。面白いですし。 有吉佐和子「非色」 こちらも、主観による判断とその後知る現実のギャップなど 一人称ならではの面白さがあると思います。 戦後の日本で進駐軍の黒人と結婚した女性。 娘への差別を機に渡米。 日本ではよく見えた米国軍人も、軍役を終え国では下層の生活をしている。 アメリカでの貧困や差別、自分の中に生まれる差別など…。
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- lokkoop
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本はそんなに詳しくないので、 一人称で思い浮かぶのはこれぐらいでした。 もしかしたら主観的、って事でこれかも。 「ライ麦畑でつかまえて」 著者:J.K.サリンジャー 超メジャーですね。すみません。 他にも固有名称(名前、母、公園など)が一切出てこない、 とんでもない一人称の本が海外であったような…?
お礼
お礼が遅れ本当にすみませんでした。 サリンジャー大好きです! >他にも固有名称(名前、母、公園など)が一切出てこない、 >とんでもない一人称の本が海外であったような…? とんでもないですね!(笑)かなり興味がわきました。探してみようと思います。ありがとうございました!
- kadowaki
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>一人称(主人公視点)で書かれている小説で、オススメのものを教えてください。 「研究に使う」ことを優先なさるのなら、作者が一人称小説という叙述形式それ自体に内在する詐術を弁え、意図的、戦略的にこの手法を採用した作品でないとツマラナイと思います。 その意味では、主人公の視点と作者の視点との微妙な差異についてきちんと理解している作家のものが面白いでしょうね。 となると、「オススメのもの」もおのずと限定されてきます。 「外国の本」では、ドストエフスキー「地下室の手記」、プルウスト「失われし時を求めて」、リルケ「マルテの手記」がすぐに思いつきます。 なお、プルウストは紅茶をすすりながらマドレーヌをかじり、最終篇の「見出だされた時」からお読みになった方がよろしいかと思います。 「日本の本」では、横光利一「機械」、三島由紀夫「仮面の告白」などが、取り分け「主人公=語り手」を明瞭に意識している点で面白いと思います。
お礼
回答ありがとうございます。 読書中に「これは!」というものがあったら論文に使おうかな…レベルの意識なのであまり堅いものでなくても大丈夫です、お気づかいありがとうございます! 紹介していただいた本はなんとか読了しました…「一人称!」という謎の情熱に突き動かされ検索して出てきたものを手当たり次第読んでいたのですが、ふと「これでいいの?」と不安になり今回の質問をさせていただいたという経緯だったので、経験者の方に「オススメ」と言っていただけるような本はなんとか選べていたのだなと安心しました… 一人称を意識する前に読んだ作品もあるので、もう一度読み直してみようと思います。 「地下室の手記」はある意味彼の他の作品よりも衝撃的でした。(直前に読んだカラマーゾフの兄弟が特別難解だったせいかもしれませんが…大審問官が…)夜、夢にまで出てきました… 三島由紀夫を読むと死にたくなる…とよく高校の先生が言っていたので敬遠してしまい、今回の衝動で初めて手にしました。死にたいとまではいかなくても、案の定ぐったりしました。英文学をやっている身で何をという感じですが、日本語の奥深さと表現力に完敗した読書経験でした。 たくさんの作品を紹介してくださりありがとうございました!
マドレーヌを焼くのが個人的趣味なのと装丁のボタニカル・アートの美しさを気に入っているものの、肝心の小説自体は何度も挫折した書籍です。 「私…」とやたらくどいので、一人称小説にカテゴライズされると思われます。 推薦したからには、近日中に再挑戦するつもりです。 かなり意地になってます(笑) でも、小説の舞台背景は決して嫌いじゃないはずなのに、何故すんなりと小説の世界に入っていけないのだろう…う~ん、悔しい。 『失われた時を求めて』マルセル・プルースト 上下巻 鈴木道彦・編訳 集英社刊
お礼
「失われた時を求めて」はモダニズムの講義の一貫で読みました! 意識の流れで書かれている作品って入りこみにくいですよね…入り込むことに成功したらしたで今度は酔っちゃうんですけど…やっかいです!(笑)余談ですが、私も同じ時代同じ手法の「若き芸術家の肖像」に挫折しまくってます…ううう。 ぜひぜひ意地を貫いてみてください!(笑)私も頑張ります…。紹介してくださりありがとうございました!
- nanaoto
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一人称であることが必然と思えたもので、作品としても面白かったものを挙げます。 ・ナボコフ「ロリータ」 ・レベッカ・ブラウン「私たちがやったこと」 ・太宰治「駆け込み訴え」「女生徒」 ・ブコウスキー「町でいちばんの美女」 番外 オースター「孤独の発明」 全部をとおして一人称というわけではないので、番外扱い。 ただ、前半が一人称、後半が三人称。かなり意識的に書き分けてあり、 人称の問題に取り組んでいらっしゃるなら、参考になるかと。 さらに番外 クリスティ「アクロイド殺し」 主人公というか、語り手の問題ということなら、既読かもしれませんが、蛇足ついでに。
お礼
回答ありがとうございます。 「私たちがやったこと」は読んだことがありませんでした、ぜひ読んでみたいと思います! 「孤独の発明」は何回も読みなおしました。読めば読むほど新たな発見がありますよね!大好きな本のひとつです。「町でいちばんの美女」はつい最近読んだのですが、意味がよく理解できず悩みました。オースターにしろブコウスキーにしろ、詩人の小説は難しいです… たくさん紹介してくださりありがとうございました!
- medaka110
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車谷長吉氏の本は大体一人称で書かれている。 直木賞を受賞した「赤目四十八瀧心中未遂」を始め、「贋世捨て人」、 「業柱抱き」、「白痴群」、「金輪際」、「塩壷の匙」など一人称で 語られていたと思う。ただ、最近作の「灘の男」は作風が変わり一人称ではなく、従来のような切れ味鋭い言葉が幾分影を潜めたように感じられる。
お礼
回答ありがとうございます。 「赤目四十八瀧心中未遂」は直木賞受賞作品の制覇をもくろんでいた時に読んだのですが…その他の車谷氏の作品は読んだことがありませんでした。 一人称か否かを意識し始めたのが文学を勉強するようになってからだったので「赤目四十八瀧心中未遂」に「一人称」という印象は薄かったのですが、今思えばあの歪んだ錯覚の凄味は一人称で書かれている作品ならではのものだったのかなと思いました。まだまだ勉強不足です。 思い出させてくださりありがとうございました!他の作品も読んでみます。
- AmatsuMina
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高千穂遥著「ダーティーペア」シリーズ ペアというからには二人組が主人公。 で、その片割れの1人称で文章が書かれています。 もともとハードカバーで出版されていたものですから、ラノベには当たらないと思います。 あるストーリーで彼女らが別行動をとっているのですが、ダーティーペアの中では、一人称の人物があとから片割れに聞いたということでさらっと流して表現しています。で、それと同じストーリーを見方を変えて、「クラッシャージョウ外伝」で表現しており、そちらには逆にダーティーペアの一人称なる人物が取った行動が軽く書かれています。 著者自らが日本語の実験小説として何作か書いており、「ダーティペア」もその一環となると思います。
お礼
「ダーティーペア」ですか!家にビデオがあって、アニメしか見たことがなかったのですが、小説が原作だったんですね…! あの暴れっぷりをさらっと流して表現しているんですか…!?文体の想像が追い付きません…なんだか今すぐ読みたくなってきてしまいました(笑 とっても興味をそそられる説明をありがとうございます!
- webuser
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井上靖の『孔子』はどうですか、 孔子と弟子達がいて、その一行が遊説する集団の中の職員のような人物が主人公です。 孔子も弟子達もとうに亡くなり、自分も老いている。 そんな主人公が、孔子と弟子達と過ごした日々を振り返って語るという話です。
お礼
回答ありがとうございます。 「孔子」ですか、名前は知っていても実際に読んだことのない名作のひとつです…! 一人称で書かれていることを今回初めて知りました。お恥ずかしい限りです。 ぜひ読んでみたいと思います!紹介ありがとうございました!
お礼
回答ありがとうございます。 うわー、カズオ・イシグロ大好きです!英文学を専攻しているので… 余談ですが、彼の作品の中では「日の名残り」が一番好きです(一人称じゃありませんが)彼の一人称は素晴らしいですよね。読みながら、思わずため息をついてしまいます。 「私を離さないで」は読み進めるのが大変でした…用語がわからなくて(笑)なんとか読了したのですが、面白かったです…って語彙がなくて恥ずかしいですね。 春樹(と上にあげた作家)が苦手な理由はある種のわざとらしさ(演出?)や言い回しがあまり好きではないという点で、考え方自体ではないのでそのあたりは平気なんです。春樹は英訳本なら抵抗なく読めるんですけれど(笑 「非色」はぜひ読んでみたいと思います。 題材にとても興味を惹かれました。日本外での戦争観について日本人が描いている小説って、意外と少ないんですよね。紹介してくださりありがとうございました!