言葉だけで説明するのは非常に難しいのでわかりにくいようであれば申し訳ないですが。
ダイヤが乱れたときはおおむね次の3パターンの運転整理を行って復旧を目指します。なお説明を簡略化するために路線はA駅からZ駅まであるアルファベット路線とします。
(1)順序変更
本来であればP駅で快速列車aが普通列車bを追い抜くのですが、快速列車aが遅れているので、P駅では普通列車bを先に発車させます。こうすることで普通列車bについては定刻で運転させることができます。
(2)行先変更
Z駅行きだった列車を途中のP駅行きに変えます。Q~Z駅間は運転休止とします。こうすることでQ~Z駅間の往復にかかる時間をカットすることができるので、帰りのA駅行きの列車はP駅からは定刻で運転させることができます。
(3)運用変更
P駅にある車庫にA駅行きとして運転する予定の列車aが留置されているとします。いまZ駅行きの列車bが遅れているので、ピンチヒッターとしてこの列車aをZ駅行きとして列車bの代わりにP駅から運転させます。遅れてきた列車bは(2)の行先変更を使ってP駅止まりとし、列車aの代わりに(これを運用変更という)今度はA駅行きとして運転させます。
こうすることで列車は代わってしまいましたがそれぞれ定刻で運転させることができます。
ダイヤが乱れているときはこれらの3つを組み合わせて運転整理を行い定刻に戻します。一時的にその列車に乗っている旅客には迷惑がかかりますが(行き先が途中で変わってしまったりしますからね)一刻も早く定時運転に戻した方が全体の迷惑度は低いですからやむを得ないでしょう。
よく使われるのは運転休止と運用変更の合わせ技ですね。列車aが15分遅れたら15分後の列車bを運転休止にして列車aを列車bと見なして(運用変更して)運転させるとあら不思議、15分遅れじゃなくなって定時運転になります。実際は運転中に列車番号を変更するわけにもいかないので、1時間後くらいの列車を運転休止にするのですが。
なお蛇足ですが、ラッシュ時間帯などはあまり運転休止をせず、遅れたら遅れたまま運転させることが多いです。これは定刻に戻すよりも輸送力を確保させることの方を重視しているからで、たとえば5分間隔で運転している路線なら、5分遅れで列車が運転していても見た目は定時運転ですから(旅客にとって見ればその列車の本来の運転時刻なんて関係なくて、時刻表通りに列車が来て時刻表通りに列車が着けば問題ないからです)あえて運転休止をして元に戻さなくてもいいのです。むしろ運転休止をするとラッシュ時間帯なら乗り切れなくなる可能性もでてきて乗降に時間がかかり余計に遅れがでます。
お礼
非常にわかりやすい回答をありがとうございます。 なるほど、順序変更と行先変更と運用変更を組み合わせてダイヤの乱れを収束させるのですか。これだと比較的簡単に乱れが直るような気がします。