まず複数の計測器を順次動かすシステムを構築しようとお考えなら、まず「GP-IB」を採用するのが一般的でしょう。
GP-IBは、HP社(現AT社)が自動計測のために考案した通信仕様ですが、この仕様はRS232Cと決定的に違うのは、3ハンドシェイクと呼ばれるデータを通信を採用している点です。
これは通信(データの受け渡し)が確実に行われるよう計測器側とPC側で一回一回「確認」にしています。また、このことにより「16台」までのたくさんの計測器を同時に制御できるというメリットを与えます。
計測器のレスポンス時間は、各々ちがうため、この方式でもっとも遅い通信速度にあわせてPC側で制御しないと「実際の計測制御」はうまくいかない場合がおおくみられます。
RS232Cを用いた計測通信は、実際に構築してみると計測器とPCが1:1の場合でも、いろんな要素がくわわり「はて?なぜ動かない?」ということが案外多く起こります。そしてそれは同時に複数台制御仕様とすると複雑に絡み合ってきて、構築の際、トラブルシューティングを困難にします。
RS232Cは、PCに付属していて「身近」なのでとっつきやすいのですが、実際に自動計測となると、案外厄介な通信方式です。
逆にGP-IBは「なにそれ?」という感じなのですが、まぎれもなく「業界標準」で(一般的には)計測器のおおくで基本的にはサポートされています。ですから計測器選びも楽ですし、「困ったとき」メーカーのサポートが受けられ安心です。
また、ナショナルI社やアジレントT社では、「計測プログラム」を簡単にする「ラボビュー」や「VEE」などがでているので、プログラム構築効率も格段にGP-IBの方が有利です。
GP-IBは業界標準です。そのため経験者も多く、「困ったとき、だれかにいきく」とき、案外、それに助けられたりします。
1:1のかんたんな自動計測、そんなに確実性を要しない計測、台数拡張を全く考えていない場合。こういうケースはとっつきやすさからRS232Cを選択してもいいのではないでしょうか。
参考にしてください。