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日本画の女性像と近代レトロポスターのそれ

日本画は、久しく人物をリアルには描かないという伝統があるようです。この理由はよくわかりません。知っていたら教えてほしいです。 それとは別に今回質問させてもらいたいのは、明治期から昭和前半くらいまでにあったような「近代レトロポスター」といっていいのかわかりませんが、典型的に美女が出てきてあでやかに製品の広告をするというパターンがあります。その美女たちの顔立ちに、ややデフォルメとは言わないまでも、日本画の顔の描き方を感じるような、リアルに欠ける理想像が感じられることとです。具体的には ○眉目の強調 ○通った鼻筋 ○おちょぼ口気味の小さな口 が感じられます。 これらは日本語からの伝統を受け継いでいるというように考えられないでしょうか? そして、この幻想的美女像が近年崩れてきた原因は、やはり写真の普及と欧米追随嗜好からでしょうか?

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noname#78143
noname#78143
回答No.3

答え:昔のポスターの図案の多くは日本画家が描いているからです。 答え2:宣伝媒体は流行があるため日本画家を企業が採用しなく     なった。   ・日本画の師弟制度がくずれて伝統的な図案から逸脱する    日本画家が増えてきた為。   ・芸術における理想的な像というものは一人の天才芸術家が    創造しそれの一般普及と言う形で広まるが、今日の価値観    に合致した理想像が近年の日本の芸術作品からは    出現していない為。 (解説)    (西洋絵画のように)リアルに描くにはそれに見合った画材が必要に なるのですが日本にはその研究が進んでいなかったようです。 また、生活様式の違いにより戸内に光がたくさん入る構造の 日本家屋では陰影を強調した絵画を意識するのは難しいそうです。 生活様式や環境の違いによって美術品や絵画の表現が微妙に変化する のはヨーロッパでも見られます。(スペインの陰影とフランスや イングランドではまるっきり違う) それと日本画による人物画がその人物のプロフィールを表す 目的のために発生しているかという点です。 西洋では見合いの写真ではないですが王族が他の国に嫁ぎ先を 斡旋してもらうため華やかな写実の肖像画を土産として 贈ったという記録が残っていたりします。日本にはそのようなことは あまりきかないですね。人物とて装飾の一部だったと考えれば 写実的に描くと主題が人物そのものになり装飾としての汎用性は 落ちますから日本画ではあまり採用しなかったのではないかと 思います。 色面の構成を単純化によってより色彩を強調するやり方は装飾 と考えるならば理にかなっています。 明治・昭和初期のポスターはとありますがそのポスター自体 日本画家の多くが描いています。有名な企業のポスターでは 有名日本画家が採用されることは少なくありませんでした。 写真などの構図も図案をもとに構成しますからその図案担当者 が日本画出身であったと考えることもできます。 古いポスター収集家などは誰それ作というのも調べて集めていますし 画家によって価値も変動しています。 西洋画は明治初期から流入してきたのですが、職人としての 地位ははるかに日本画家のほうが上でしたし、図案(デザイン) の理念は日本画や美術工芸作家のためのものがほとんどです。 (私はデザイン関係の歴史ある学校の卒業生ですが伝統というもの  は私が在学していたときにも感じました。西洋でのデザイン  の理念とはちょっと違っていたそれははっきり日本のもの  と感じました。) 現代の美術様式が変わってきた背景にメインストリームが 伝統的な価値観からの脱却が挙げらます。 また食生活や生活様式の変化による日本人の造形の変化や マスメディアや流行による美意識の転換なども挙げられるでしょう。 (気持ち悪いぐらい痩せギスの女性が理想の体型などと言われる  のはマスメディアの影響が色濃いのではないかと思います。) なんにせよ具体的な形の理想的な現代日本人の象徴のイメージって ありますか? ないのなら今日のマスメディアに出現していないのは当然では ないでしょうか。西洋では聖書や神話のイメージが残ってますね。 またはそのアンチテーゼが多いのではないでしょうか。

garcon2000
質問者

お礼

よくわかりました。美術史的な解説ありがとうございます。 日本画家らの伝統で考えるとよくわかります。しかも、日本画の性質というものが「飾り」であり実用でない、だから、リアルな描写ではなかった、ゆえにポスターもその系譜を引くならばどうだろうということです。現代はその伝統から脱却し、模範というものが消失しているんでしょうね。 これは、おっしゃるように宗教的伝統も関与しますね。偶像崇拝とか肉体性とか。西洋と日本はそういう意味でも遠いといえるかもしれません。

その他の回答 (3)

回答No.4

難しい話が出てるんで簡単すぎるけど、そもそも日本画ってのは西洋絵画との対比でついた名前です。 それ以前は、ものの装飾や読み物の挿絵、ボスターやブロマイド的なもの(いわゆる浮世絵とかね)ですから、最初からデザインありきの絵です。 (リアルな絵としての細密画もありますけどね) 人物画も同じく飾る場所をも踏まえて、表装も、その絵の部分も含めてのデザインだと思うんですけどね。 「幻想的美女像が近年崩れてきた」ってのが絵画方面であればそうだろうと思います。 リアルさを追求してるのかどうか知りませんけど、材料だけ日本画ってのがあるから。 しかし、漫画、アニメを代表格にコマーシャルアートの方などは、昨今の日本画よりも真っ当に伝統を受け継いでいると思いますね。 その質はともかくとして、ですけど。

garcon2000
質問者

お礼

日本には伝統を引きずっているところもあり、西洋伝統の流入が強力なところもあり、複雑な様相を呈しているのですね。たいへんよくわかります。

  • nemosan
  • ベストアンサー率22% (582/2598)
回答No.2

絵画表現で「リアル」という言葉には色々な意味があるので、 貴方の主張が一般に理解されない可能性も感じるけど・・・これは省略。 そもそも江戸文化の「美女」の化粧法が全然違うからでは?  日本化粧 http://butaimake.net/hpgen/HPB/entries/2.html だから、化粧した女性をリアル(陰影の無い線画で写実的)に描いた!とも言えるのでは? 文明開化後は洋装美人(モガ?)が流行って化粧も変わったから・・・  

garcon2000
質問者

お礼

日本の化粧法の衰退というのが実は大きいのかもしれませんね。「化粧」というのは思いつきませんでした。これやると、大体に多様な傾向の顔になってしまいます。 これとモガが融合した折衷的表現が、レトロポスター的美女だったかとも思えます。

  • suunan
  • ベストアンサー率14% (224/1569)
回答No.1

リアルでないという傾向はちっとも崩れてはいませんよ。 2008年現在でも美女を描いた絵でリアルと非リアルの どちらが多いかいうまでもありません。

garcon2000
質問者

お礼

そうなんですか。最近の描きポスターはあまり見たことがないので。しかし、粉飾するということは変わらないでしょうね。

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