こんばんは、鉄道会社で運転士をしており鉄道の運行システムも教習を受けております。
副都心線の開業以降のダイヤの混乱の一番の要因は、
○ATOにより自動で駅の所定の停止位置に電車が停まるところ、調整が不十分で所定の停止位置に停まらず停止位置修正を手動で行なっていた為に、所定のダイヤに乗らずに遅延発生。
・・・・この一点からミスが続いています。
ホームドアがある路線ゆえに手動運転では速度を落とし、通常とは比較にならない精密なるブレーキ操作が求められるゆえに、自動で電車を停めるTASCや、自動で電車を加減速するATOがある訳で、その2つの機能が働かなければダイヤに乗せるのは至難の業。
結果として遅延が発生し、指令所から手動介入するにせよミスがミスを誘発する事態になってしまっていたのです。
TASCがちゃんと機能していなかったのは、混雑時における応荷重装置の考慮した制御の洗い出しが不十分だった事によるのかなと、プロとしては思います。
1ヶ月経ち、数値もデータも出ているので、開業当初のダイヤ乱れは今後は起こり難くなるかと思います。
あの丸ノ内線や横浜市営地下鉄でも、ホームドア導入時はこのような混乱があった訳で、知られなかったのは報道機関が報じていなかったのもあります。
副都心線は開業前にデパート競争の件もあり、とかく注目を集めていた背景から、目だってしまったのもあります。
遅れる事も減るかと思います。
よく、熟練の運転士がいない→だから準備不足
・・・なる記事の書かれ方もありますが、これは全くの的外れかなと思います。
この路線は、運転士がモニターを見て安全確認をしドアを閉め、運転台の「出発」のボタンを押すことで次の駅に停まるまで自動で電車が加減速を制御しています。
運転士が加減速を制御しているわけじゃありません。
ボタンを押す事に熟練も何もありません。
加減速が細かいのは、電車のATO(自動列車制御装置)によるモノでして、運転士の技術云々ではありません。
報道機関も専門知識を持ち合わせているわけじゃありません。
ちょっと大げさに書かれてしまっていると、思います。
お礼
ご回答、ありがとうございます。 とても分かりやすい説明、ありがとうございます。 あの電車はとても自動化されているのですね。 ボタン1つ押すだけで運転できるとは思いませんでした。 たしかに報道もとても加熱していましたね。 背景などわかりやすく説明していただきとても参考になりました。