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聖火リレーで・・・
根本的なことを聞くんですが、 なぜ、聖火リレーをあらゆる形で妨害しているのですか?
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- AMOLAD
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> 直接的な原因として、チベット民族浄化に世界の人々が反発しているからです。 「民族浄化 ethnic cleansing」はちょっと言い過ぎですが。ダライ・ラマが指摘した「文化的民族殲滅 cultural genocide」のなかでもかなり乱暴なやり方、というのが妥当でしょう。つまりチベット人のかなり暴力的で強圧的な「中国人化」と、漢民族化とチベット領域の漢民族化の二つが並行して行われています。そうすることによってチベット独自の文化伝統を消滅させているというのは、中国人から見れば「未開で仏教という迷信に囚われたチベット人を解放してチベットを開発しているのだ」という理屈になりますが、まずずいぶん人種差別的で民族蔑視的でそれだけでも失礼なだけでなく、暴力を持って宗教者に政治的圧力をかけたり、チベット語を使うことを公式に禁止はしていないものの実際にはほとんど使えない社会制度にし、そのうえ中国人を大量に移民させてチベット人をチベット地域でも少数民族にし、地下資源や農耕地を自由にしようというのは、平たく言えば帝国主義的侵略そのものです。 > それよりも世界各地で繰り広げられる在留中国人の異様な国威発揚行為、具体的にはどこでも構わず集団で大きな中国国旗を振り回すことに多くの人々が反発を覚えています。 あれがいちばん不思議なんですが、中国人(というか漢民族)がああやって「One China Forever」とかやればやるほど、つまりチベット人が異なった文化伝統を持つ異民族であることを否定する大きなうねりが中国人たちのなかにあること、中国が不気味な全体主義国家になりつつあることを世界中に印象づけているようなものです。なんでそんな単純なことにも気がつかないのですかね。 あげくの果てには「チベットは中国の一部」というのを、かつての帝国の歴史をいい加減に解釈して主張しているのですから…。共産主義と社会主義の理想、反帝国主義の精神はどこに消えたのやら…。ちなみにチベットがチベット側にもはっきり文献的証拠のある形で「中国」の領土になっていたのはモンゴル帝国の時代だけですし、中国人がそう信じたいのに反してモンゴル帝国は実際にはまったく「中華帝国」ではありませんし(いわゆる中国の領域を支配するときにだけ「元」ないし「大元」の中国式国号を用いただけですし)、ことチベットとの関係は、皇帝がラマ教(チベット仏教)の信者だったが故の「檀家」の関係で、普通の軍事的・政治的な意味合いとは若干異なっています。 明の正史「白書」にはあたかもチベットを明が支配していたかのような記述が見られますが、これはチベット側ではまったく裏がとれず、つまり南京や北京であたかも自国の最大版図がそんなに巨大なんだという幻想に浸っていただけというのが妥当な解釈。だいたい中華帝国の正史における周縁部・国境地帯の記述の伝統を本当に事実だと解釈してしまえば、「魏志倭人伝」によって日本は中国の一部だった、ってことにもなってしまいます。もちろんこれは事実とまったく異なります。明とチベットに到っては仏教僧の往来と通商があった程度で、朝貢もしてません。明朝は朝貢みたいなものであるかのようなフリをしてますが。 清朝においては、満州族の愛親覚羅王朝がラマ教の信者ですから、「檀家」関係であまり兵隊のいないチベットを保護するような関係で、ダライ・ラマが異民族の侵入で北京に避難したりした時代もありますが、それをもって「中国の一部」というのは無理があり過ぎます。 中華民国は現ダライ・ラマの即位式に使節を送ってあたかもダライ・ラマ指名と即位を指揮したかのように主張してましたが、これも事実に反します。中華民国の使節はラサでの即位式に遅刻して列席できてませんし(翌日到着したそうな)、現ダライ・ラマが当時の摂政レティン・リンポチェの指揮によって発見されたのはその3年前、当時のチベット議会で承認されて正式に指名されたのは前年で、そのときにすでに仮の即位式やってますし、現ダライ・ラマが16歳で元首として即位したときには北京政府は侵攻は開始してますがラサにも到達してませんし、人民解放軍がラサを占領する前にインド国境近くに避難してましたし。 だいたい、仮にある少数民族がずっとある多数派民族の支配領域で生活していたとしても、その民族が民族的アイデンティティを維持して独自の文化を継承し、少数民族としての自覚を持ってる限りにおいては、別民族ですし民族自決権もあります。 > 大きくは、中国の人権無視の行動が招いたものです。 国際的な抗議の口火を切った「国境なき記者団」(例の手錠の五輪のシンボルを使ってる団体)は、チベットだけでなく中国に報道と言論の自由がないことを問題にしています。http://www.rsf.org/ アムネスティ・インターナショナルの調査報告では2007年の中国における死刑執行は467人で、世界のダントツでトップです。それでも前年の2000人超にくらべれば激減ですが、これは制度のマイナーチェンジで去年少なかっただけで、今年はまた増えると予測されています。ちなみに公式に「死刑」になった数で、チベットでお坊さんを射殺したとか拷問して殺しちゃったみたいなのは含まれていません。 もちろん人口比から言えば日本の10人も決して少ない方ではありませんし、日本の有罪率の高さと自白偏重の判決、その自白をとるために利用されている代用監獄制度は、ずーっとアムネスティ・インターナショナルで問題にされてますし、今では世界でいちばん尊敬される日本人のひとりと言われる緒方貞子・前国連難民高等弁務官が日本の難民政策を厳しく批判しているのは有名ですし、外国人労働者の法制度の不備で不法就労による人権抑圧と外国人搾取が常態化しているなど、日本も問題はいろいろありますし、「文化的民族殲滅」でいえば日本ではアイヌおよびアイヌ人の土地としての北海道と、琉球人と旧琉球王国である沖縄に対してのそれをほとんど完成させてしまってるので問題は問題ですが(中国がチベットにやっているほど乱暴なやり方ではなかったにせよ)。 中国の問題ではチベットにおけるちょっとひど過ぎる弾圧と、第14世ダライ・ラマへの敬意でチベットに同情が集まっているだけでなく、国際政治でいまもっとも危惧されている中国の少数民族問題は、新彊ウイグル自治区のイスラム教徒・ウイグル人の運動です。これはチェチェン独立運動や中近東のイスラミズム運動と結びついた巨大なうねりになる危険があります。また内モンゴルにも中国から離れてモンゴル共和国に復帰するという運動があります。 日本では少々事情が異なるようですが、国際的には今の中国政府批判の動きは、たとえば「国境なき記者団」のメナール代表は68年5月革命では毛語録とかを振り回してた人ですし、元々左派・リベラルで反共の流れとか中国人への人種差別、19世紀西洋列強の中国の植民地支配などに反対ないし批判的な人々です。 ダライ・ラマも言っていますが、中国政府が現実を直視して現実的な方策をとらないと、中国自体が大変なことになるでしょう。ゆるやかな連邦制にでも移行して地方分権化するしか、12億の民を大混乱に突き落とすのを避ける手段はなさそうに思えますが…。 > 加えて中国要人の『世界の4人に1人は中国人だ』発言は、ますます世界中で中国脅威論を巻き起こすでしょう。 まあ実際に総人口がそうなのですから脅威に思っても意味がありませんが、むしろ気がかりなのは核兵器の保有などの強大な軍事力で、チベット問題で中国が妥協できない本当の理由のひとつは、同じく核保有国である隣国インドとの関係で、チベットはどうしても押さえておきたいしそこを重点的な核武装地域にしておきたいというのが、平和主義・非暴力を掲げて「チベットを中央アジアにおける平和非武装地帯にするのはどうか」というダライ・ラマの非常にごもっともで反論不能な正論とまったく相容れないことだろうと思います。 あとダライ・ラマがあまりにも人徳者で言ってることが非常に正論で、道徳的な権威としてチベット仏教の枠を超えて世界じゅうで人気があるのが、ムカつくんでしょうね。自分に後ろ暗いところのある人は立派な人が嫌いですから。一皮むけば自民族の文化をぶっ壊し続けていわゆる「先進国」の真似をする以外に能がなくなった成り上がりもののコンプレックスなのかも知れません。ヨーロッパや日本のサッカー応援団の真似をして顔に国旗を描くとか、やめてくんないかなぁ…。恥ずかしいから…。
- Bayonets
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直接的な原因として、チベット民族浄化に世界の人々が反発しているからです。 大きくは、中国の人権無視の行動が招いたものです。 実力行使に出る人々も感心したものではありませんが、それよりも世界各地で繰り広げられる在留中国人の異様な国威発揚行為、具体的にはどこでも構わず集団で大きな中国国旗を振り回すことに多くの人々が反発を覚えています。 そもそも論でいえば、このように世界各地で聖火リレーを行ったのも中国が最初です。 このような露骨な中国の国威発揚の行為が反発を大きくしているのでしょう。 加えて中国要人の『世界の4人に1人は中国人だ』発言は、ますます世界中で中国脅威論を巻き起こすでしょう。
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