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【ロード・オブ・ザ・リング】森の奥方のセリフが???
- ロード・オブ・ザ・リングの森の奥方が叫ぶセリフがわからない
- 夜中のシーンでの「誘惑に耐えられた」とは何を指すのか疑問
- ビデオでの日本語版視聴での質問
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レスをありがとうございました。 それでは、また長くなりますがご拝読いただけたなら幸いです。 ○ ホビット どうやら、映画だけしかご覧になっていない方には混乱されやすい部分みたいですね。 確かにホビット達は人口も少なく見えます。映画中、ホビット村からブリー村へ移動するシーンがありましたよね?あの道中、あっという間についているように見えるので、新宿から渋谷まで歩いているぐらいの距離に感じられるかもしれませんが、実はブリー村はホビット庄から約85kmほど隔たった場所にあります。 中つ国についたころ、最初に居住区にしていた辺りで大変古い歴史を持っています。それからぱらぱらとあたりに広がっていったので、ホビット達はそんなに少ないわけじゃないんですよ。(もっとも、気質的にその住んでいる辺りからほとんど外に出ないので遥かかなた東方のゴンドールやローハンに住まう人間達にはほとんど知られておらず、裂け谷ではじめてホビットをみたボロミアはびっくりしています) だから、ちゃんと複雑な社会を構成しています。フロドの叔父、ビルボが誕生日パーティの挨拶で○○家、▲▲家、とずらずらと家をよみあげていますよね。それぞれに家系がありますから、けっこう大きな社会です。 トールキンは、古きよき礼節行き届いたイギリスの田舎暮らしのイメージをモデルにホビット庄を作ったといわれ(本人談か、それともファンの推測か忘れました)、結構上下関係がきっちりしています。ただ、ホビット達自身はあまりそういうことにけんつくするほうではないそうです。1巻の最初、ホビットの歴史や風習を延々と語っている間に出てきますよ。 そこで、サム・ギャムジーです。彼は、代々バギンズ家の庭師の家庭に生まれています。バギンズ家というのは、ホビット庄の中でも随一の大きな、良い場所にある大きな屋敷です。フロドはそこへ養子として引き取られた、いわばお屋敷のぼっちゃまなんです。周りの人間にとっては若旦那。サムの父がフロドのことをまさにそう呼ぶくだりが本にあります。ただ、ホビットの気質ゆえフロドはサムにも気安く接し、身分の上下があっても仲がいいんです。映画だとちょっと気安すぎて同級生みたいに見えますけどね。 ちなみに、メリーもピピンもおぼっちゃまです。特にメリーのほうは、映画のあの情けなさ、無計画さ、子供のピピンと一緒にガンダルフの花火を盗んだりしていますが、実際にはしっかりした、頼れる人です。彼はホビットの中でももっとも裕福で有名な一族の一つ、ブランディバック館の息子です。ちなみにこの館は、水嫌いのホビットには珍しく川べりに建っています。(川の渡し場のところで間一髪舟に飛び乗ったフロドが「馬が渡れそうな次の橋までどのくらい?!」と聞いているのは、彼が幼い頃その辺に住んでいたにも関わらずその辺の地理には疎いし、つまりそのぐらいホビット庄は広いということです。応えているのはメリーで、彼はそのへんの地理に詳しいんです。領主の息子ですから) ちなみに、ホビットには珍しい水好き一族ですが、本を読めばかなりショッキングになりうることが最初のほうに書いてあります。それが何かはご覧になってのお楽しみ♪ 分厚すぎて躊躇なさっているのなら、同じトールキンの「ホビットの冒険」からどうぞ。指輪物語の最初の指輪所持者、ビルボの冒険です。ギムリの父とレゴラスの父の因縁が出てきたりするし、「指輪物語」の最も要となる登場人物も数名出てきます。小学生の私にも読めたぐらいで簡易でなおかつトールキンの世界が堪能できます。 ええと。話が長くなりましたね。まだサムが庭師だってことしか書いてないのに・・・。まだご覧になる気はあるでしょうか??私は続ける気まんまんなんですが。 まあそういうわけで、サムは4人のホビット達の中では一番身分は下なんです。野宿の朝、起きたときにメリーが「サム、顔を洗う目覚ましの湯は沸いているかい?」なんてユーモアを飛ばしていたりするのもそのためです。 ちなみに、レゴラスも王子ですが、ギムリも王子なんですよ。雑誌なんかだと、レゴラスばかりクローズアップされてギムリはほったらかしでしたが・・・。 ○ 石像の王達とナズグル もちろん、別人たちです。サウロンは、まず自分の手下を集めるにあたってそれぞれよさそうな人材を念入りに物色したようです。9人のうち、3人まではアラゴルン達の先祖の築いた国から選びましたが、その他は様々な国から集められています。それについては下のURLが詳しいです。 http://homepage2.nifty.com/lotr/index.html このサイトの「闇の真髄、指輪の精(ナズグル)」というところからどうぞ。 ちなみに、ナズグルの中に「アングマールの魔王」と呼ばれる、ナズグルの首領がいます。のちにより強大になってばらばらになった一行達の前に立ちふさがりますよ。それは、指輪物語ファンの中でも人気の高い場面だと思うので映画が楽しみですね。 それはさておき、そのアングマールの魔王はもとはヌメノール人です。そのヌメノールは、アラゴルンも時々叫ぶ「エレンディル」という王様が本国のヌメノール(実はアトランティス)沈没の際に逃げ落ちて、中つ国に築きました。自分の二人の息子、イシルドゥアとアナリオンと共にです。フロド達が生まれる3800年ほど前ぐらいでしょうか。 その二人の王子の像が、あの滝の近くの「アルゴナスの像」です。 イシルドゥアはゴンドールの初代の王なんです。ゴンドールの建国自体ごたごたしたものなんですが、それでも特にボロミアのほうが嬉しそうなのは、彼らがヌメノール最盛期の王でもあり、サウロンを破った王でもあるからでしょう。ボロミアもアラゴルンほどかどうかはともかくとして、同じヌメノールの血をひいていますし。 ・・・映画のアラゴルンは、イシルドゥアの末裔であることを快く思っていないようですね。きっと、単に故郷であるゴンドールに入れたのが嬉しかったっていうことでしょうね。 あのアルゴナスの像は、ゴンドールの北に位置しており、あそこをくぐればもうゴンドールの地だっていう目印でもあるんです。だからこそ、伸ばし伸ばしにしてきた問題をもう先送りすることができなくなって、ボロミアが焦燥を深めていくわけですが・・・。 ちなみに、あの後フロドが指輪をはめたまま瓦礫みたいな石の台によじのぼったら、急にサウロンの目とばったり会っちゃいまいしたよね。 実はあの二人の像がある山はそれぞれ聞く山(アモン・ラウ)、見る山(アモン・ヘン)と言われ、その高みにある椅子に座れば数百マイル先の物事が見えたり聞こえたりするという不思議な椅子があるんです。フロドはその時「見る山」のほうにいたので彼を探すサウロンの目とばったりぶつかっちゃったんでしょう。指輪の力もあったでしょうし。 さて、大変長くなりました。 他にもご質問があれば喜んでおつきあいさせていただきたいところなのですが、もしよかったら私の好きなブックマーク先もご紹介しますのでご覧になってみてほしいと思います。 参考URLは、私が今回書いたようなことをいろいろ紹介されています。「映画と原作の比較」を最初にご覧になり、次に「理解度Up講座」の初級を一通りご覧になれば、かなり深いところまで理解されるのではと思います。 このサイトの嬉しいところは、トールキン教授が言語学者だったということをちゃんとふまえて紹介なさっているところですね。 では、また何かありましたら補足ください。
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- KINGBIRD
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>皆さん、もう既にこの映画関連の質問は辟易しているかもしれませんが いやいやいや!私は全くしゃべり足りませんぞ。 ていうか、私の回答はもういいとか思われていたらどうしよう。 さて、映画せりふのほうですが。 おそらく、ガラドリエルが姿を見せてから、歓迎の場で一人心の中でフロドに話しかけている場面ですね?(実際には、一人一人の心の中に探りをいれるようなことをしているんですが) ガラドリエル:Do not let your hearts be troubled, go now and rest, for you are weary with sorrow and much toil. Tonight, you will sleep in peace... ガラドリエルの声:Welcome, Frodo of the Shire, one who has seen the eye! 訳(吹き替え) ガラドリエル:しばらく心配は忘れゆっくり休みなさい。 旅の疲れと 悲しみを癒すのです。今夜はぐっすり眠りなさい・・・ 声:フロド・バギンズ、あなたを歓迎します。闇の目を見たホビットよ! こういう感じです。字幕と吹き替えで訳が微妙に違うので、英文も載せました。 ここの部分だと思うのですが。・・違うのなら補足ください。 また、誘惑に耐えられた・・とは、指輪の誘惑であり、指輪を所持したいとする己の欲、その指輪を持つことで堕することへの誘惑を断ち切れたという意味です。 これは原作を読めばよくわかります。 本のほうでは、ガラドリエルは「確かに私は長年、その指輪を手に入れられたらと、その考えを心の中でもてあそんでいたことを否定しはしない」と言っています。彼女は実際にサウロンの手には渡らなかった三つの指輪のうちの一つ、金剛石のネンヤの所持者であり、エルフのうちでももっとも年かさで力のある一人なので、一つの指輪を手にしたらすさまじい力を得ることになります。 指輪を手にすればその支配に取り込まれ、最後は歩く影となって(9人の黒の乗り手のように)永遠に指輪への渇望と苦しみの中を、指輪とサウロンの奴隷として歩かなくてはならないのですから、誰だって手にとりたくないと思うのでしょうが、そこが指輪の魔性の本領発揮。誰であれ自分を手に取りたい、使ってみたいと思わせる力があるようです。それを退けるのは大変な胆力がいります。誰もが望みを持っているからです。一番切羽詰っていて、指輪を神話の中の遠いものとして捉えていたボロミアが、勇敢で誇り高かったにも関わらず最後には指輪に取り込まれたように。 ガラドリエルが誘惑にかられたのは、きっとフロドが使命を達成した暁には、その美しい森も輝きを失うだろうということを知っていたこともあるんでしょうね。本のほうにより詳しく書いてあります。 彼女はもともと若い頃に「自分の国が欲しい」と思って故郷を出、今いる森に王国を作った実力者でもあるので、そういった何かに対する欲望を持っていたことになります。またその自分の作りあげた国に非常な愛着を持っています。そこに一つの指輪の誘惑が重なったけれど、その「悪ならざるところのない」指輪の誘惑を退けることができた、という意味です。 三つの指輪は確かにサウロンの手から逃れたけれども、結局一つの指輪から影響を受けずにはいられません。だから、ネンヤの輝きを得て美しく保たれているガラドリエルの森も、一つの指輪が喪われたらネンヤをも力を喪い、森も今までの通りとは行かず、いずれなくなってしまいます。またエルフ自身洞窟に住まう粗野な生き物に後戻りして誰の記憶からも遠くなってしまうだろう、というようなことを彼女は語っています。 またこの森のエルフ達はサウロンの誘惑に決して屈してはならないことを知っているし、また絶対にそうしたいとも思わないけれど、森に対する限りない愛情のために、一つの指輪がなくなることで、森を失うという耐えがたい痛みを負うことになるだろうとも。 長くなりましたが、いかがでしょうか? 他にも疑問があって、私でよければおつきあい致しますのでご回答ください。
お礼
KINGBIRDさん、素早い回答ありがとうございます。 それにとても詳しく解説していただいて、ここ何週間かの疑問がやっと晴れました。 私も昔からFTが好きで、ハヤカワFTならある程度読んでましたが、あの分厚い文庫の厚さに怖れをなし、「指輪物語」には手が出ませんでした(^^;)。 ところで、他にも素朴な疑問にお付き合い願えるということで、映画第1話に関しての質問で、お言葉に甘えてしまおうかなと思います。 (なにせ、細かいところが分からない事だらけなので^^;) ○サムはフラドに対して召使いのように接し「フラド様」とも読んでますが、人口の少なそうなホビット族にも、身分というものがあるんでしょうか 身分がもしあるなら、その詳しい内訳を教えて下さい ○指輪の誘惑に取り込まれ、影になってしまった古代の王様ですが、旅の仲間たちがロスロリアンから川を小船で出発した際、川の両岸に古代の王二人の巨大な石像が建っていましたよね。 ボロミア達もそれを見ることが出来て嬉しそうでしたし。 これはどういうことですか? 影の王達とは別の王様だったんでしょうか。 おヒマな時にでもお願いします。
お礼
KINGBIRDさん、再びのお付き合いありがとうございます。 KINGBIRDさんの説明を読み終わった瞬間、深いため息をついてしまいました。 それくらい興味ある解説でした。 映画の三部作が全て完了の暁には、ぜひ原作を読もうと思います。 今ならかえってあの分厚さが、長く楽しい時間を保証してくれるようで嬉しく感じます。 ところで、 >まだご覧になる気はあるでしょうか??私は続ける気まんまんなんですが。 この辺思わず受けてしまいましたよ。 だって、私こそ「読む気まんまん(?)」で、「あーもう半分も来てたんだ」と現実に戻って少し寂しくなりました。 そのくらい、私のしょうもない質問に、ワクワクするような、詳しい興味ある解説をしていただいてとても嬉しかったです。 ご紹介していただいたURLにも、ぜひ利用させていただきます。 本当にありがとうございました。