これは,真面目に考えると,かなり深い問題です。教科書にも,明確には書いてないかもしれませんね。
ただ,何かの課題であるならば,出題者は,「正解」を求めているのではなく,そのことを通じて,いろいろと調べ,考えることを求めているのだと思われます。ですから,まずは教科書や体系書を読んでみて,自分なりの説明を考えてみましょう。
その方が,ここに質問するにしても,もう少し具体的な質問ができるのではないかと思います。
これだけでは何なので,以下多少とも考えるヒントになれば(間違いがある可能性もありますので,鵜呑みにしないように)
物権は,排他性があり,一物一権主義が原則です。
また,物権は絶対性があり,その物に関係する誰に対しても自分の権利を主張(=対抗)できます。
(質問の意味が,ここまでの趣旨なら,以下は物権そのものというより,物権変動の話になるので,不要とも思われる。)
しかし,二重売買の場合の両買主のように,両立し得ない物権を得た者相互間では,どちらが所有権を得たか(相手を排除できるか)を争う関係(=対抗関係)になります(このあたりは,債権と物権の交錯や物権変動の考え方についても問題になります)。
物権は原則として誰にでも主張できるところ,それでは対抗関係について決着がつかなくなるので,一方の又は両方の主張を制限するルールとして,対抗要件(177条,178条)が「・・・対抗することができない」という形で定められています。