こんにちは!!
かつて、岩手県の名産品「南部鉄器」の製造に関わっていた者です。鉄瓶や鉄鍋などです。
(1)<鉄剤とはまた違う気もしますが・・・
そのとおりです。鉄剤の「Fe」と違い、二酸化鉄というのは、鉄のFeと酸素O2が化合したもの、つまり鉄サビです。二酸化鉄は体内に摂取されると、鉄Feとして吸収されるので、鉄剤を飲んだのと同じ効果になります。吸収率は鉄剤の方が良いのですが、鉄器を習慣的に使用していると、安定して確実に鉄分が取れる利点があります。
<その鉄分って、体に安全な鉄分なのでしょうか。
安全です!
分かりやすく説明するため、製造方法を簡単に述べますと
(1)鉄のインゴット(今は輸入品が主力で、金の延べ棒のようなインゴットになっています。1kg25~30円くらいが鉄のインゴット価格です。自動車用の鋼板と違って、ただのFeの塊です。
(2)鉄のインゴットを電気溶解炉で溶解する。
(3)溶解した鉄を型に流し込んでから冷ます。
(4)グライダーで研磨する。
(5)食品衛生法をクリアした塗料で塗装する。塗料の分子と分子の間が数ミクロンあいているので、その隙間から二酸化鉄がでてきます。
(6)梱包して、出荷する。
以上の通りの工程なので、安全なのがお分かりでしょうか。なお、他の鉱物は値段が鉄よりも高いので、経済的な意味では使われることはありえません。南部鉄器の接合部分は溶接です。もし、品質的にご心配なら国産の鉄器を使用したらよいでしょう。
なお、鉄器の一番良いところは、日常的に使用していると、鉄分の補給ができることと、冷めにくいことです。欠点はさびやすいことです。
ただ、さびると見た目は悪いですが、鉄分の補給量は増加します。