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オリンピック柔道の無差別級廃止の理由は
柔道の醍醐味は、「柔能(よ)く剛を制す」、「小能(よ)く大を制す」です。もともと体重無差別で戦うべきものです。柔道に限らず、相撲でも空手でも、日本の格闘技はもともと体重無差別で戦うものです。それを、国際化の名の下に、欧米流にボクシングやレスリングのように体重別に分けて試合をするようになりました。東京オリンピックの時には、「無差別級、重量級、軽重量級、軽量級」の四階級だったものが、「●●kg(以下)級」などと細分化され、1988年のソウルオリンピックからは、とうとう無差別級が廃止され、現在に至っています。道衣が白からカラーになったのもそうですが、諸外国の圧力によって、柔道という競技(人によっては「競技」と言われるのを嫌って「武道」だ、と主張する人もいます)が、どんどん元とは違ったものに変えられていくのが、不本意に思っています。山下選手が金メダルを取った1984年のロサンゼルスオリンピックまであった無差別級が、次のソウルオリンピックから廃止された理由とか経緯をご存じの方、ご教示いただきたく、お願い致します。
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きっかけはミュンヘンオリンピックでルスカ選手が重量級、無差別級の二階級で金メダリストになったことでしょう。次のモスクワ大会でもバリジ選手が重量級で金、無差別級で銀となったことで「重い選手だけ二度メダルのチャンスがあるのはおかしい」ということになり、無差別級廃止論がロス大会の前では優勢でした。そのあたりをモデルとしたストーリーがマンガ「YAWARA」にも出てきます。 結局ロス大会は「一人で二階級のエントリー不可」との条件つきで無差別級が残ったのですが重量級と無差別級をわける意義が感じられなくなり、次のバルセロナで正式に廃止となりました。 ロス五輪前後は強豪(山下選手)の参加する無差別級が世界大会でもいちばん格上だったのですが現在はオリンピックにない無差別級は世界大会などで重量級よりも下位の扱いですね。
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- bouhan_kun
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まあ、国際化って言うのは、そういう諸刃の剣ということです。 技ありや有効さえもなくなるかもって話ですからね。武道と言う精神的な部分を、勝ち負けを主とした外国人的な目からは理解しがたいでしょうし。 国内競技だけのダブルスタンダードにするのも、競技者からしたら、面倒でしょう。
お礼
ご回答ありがとうございます。 大人のご意見ですね(笑)。でも、No.1さんへのお礼の欄に書きましたが、サッカーのオフサイドの場合は、国際化されてもあの分かりにくいルールは温存されていますよね。そのように、元のルールを変えることなく、国際化することは、なぜ柔道には許されないのか、というのが、不満の残るところなのです。野球なんて、柔道より遥かに複雑なルールですが、元のルールを保ったままいろいろな国に広まっています。そんな風にならないのかなあ、というのが、質問者の望みなのです。 嘉納治五郎先生は、こうなることは予想されたのでしょうかね。そして、こうなったことをどうお感じになるのでしょうか。ちょっと聞いてみたい気持ちです。「常勝」木村政彦さんとか。ご回答ありがとうございました。
- mouryou
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たしか無差別級にしても一番でかい人しか出てこないからだったと思います。 オリンピック競技になった時点で世界的なものになったんだし、柔道をやっていた人たちもそれを望んだんだから今更文句を言うのはおかしいと思います。 ちゃんとした柔道は日本がやっていればいいんですよ。そして国際大会は柔道といった共通ルールで行う競技なのです。
お礼
ご回答ありがとうございます。よく分かりました。 >今更文句を言うのはおかしいと思います。 多数決でルールが変えられたのは合理的かもしれませんが、反対する人がずっと反対の意見を持ち続けるのは、おかしくはないと思います。不本意ながら多数意見に敗れた、というだけのことだと思います。その当時の日本側としては、「金メダル一つ損をした」という意見が多かったのを、ご存知ありませんか。決して全員がそれを望んだわけではありません。 >ちゃんとした柔道は日本がやっていればいいんですよ。そして国際大会は柔道といった共通ルールで行う競技なのです。 オリンピックでは無差別級は廃止されましたが、世界選手権(「世界柔道」)では無差別級は残っていますよ。国際大会ですべて無差別級が廃止されたわけではありません。私が不本意に思うのは、発祥国以外の国の意見で、元のルールが変えられてしまうことです。サッカーのオフサイドなど、元のルールは競技が国際化されてもずっと残っています。「小能く大を制す」のが醍醐味の柔道から無差別級をなくしてしまうなど、精神的には大黒柱を抜き取るような行為に思えるのです。なかなかありませんが、例えば体重70 kgそこそこの岡野功選手が体重無差別の全日本選手権を制したということも、ありうるのです。無差別級廃止とは、その可能性を奪ってしまう、野蛮な行為だと思います。何でもかんでも体重別、階級別に競わせる、というのは、多様な文化を排除して均一化してしまう、つまらない考え方ではないかと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 詳しい歴史をご教示下さいましたね。実はそういうことを知りたかったのです。本当に感謝いたします。 教えていただいてあら探しをするようですが、ミュンヘンオリンピック(1972年)の次(1976年)は、モスクワ(1980年)ではなくモントリオールですね。そのとき、日本は東京オリンピック(1964年)で正式種目となって以来の悲願であった無差別級で金メダルを獲得しています(上村春樹選手)。また、ロサンゼルス大会(1984年)の次(1988年)は、バルセロナ大会(1992年)ではなく、ソウル大会です。ですから、無差別級がなくなったのはソウル大会からです。そのときに、最重量級である95 kg超級で、斉藤仁選手が、一人金メダルを獲得して、「最後の砦」を守った、というドラマがありました。 私は、世界選手権での無差別級は、100 kg超級より格下だとは思っていませんけどね。やはり、柔道は無差別でやるもの、だと思います。学生時代柔道をやっていましたが、体重別の試合なんてほんの一握りだけで、ほとんどの試合が体重無差別でしたから。無差別のチャンピオンが最強のチャンピオンだと思います。 ご回答ありがとうございました。いろいろ楽しかったです。