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事実認定と主文の関係
あくまで一般的なことで結構です。次のような場合どうなるのか教えてください。 「原告が被告に100万円の請求訴訟を起こして、事実認定で被告は原告に対し、500万円の支払義務がある。」 となった場合、主文はどうなるのでしょうか? 1. 「被告は原告に100万円の支払わなければならない。」となる。 2. 「100万円の金額に根拠がないので、原告への支払いは認められない。」となる。 また、1の場合でも2の場合でも、控訴して500万円請求することは可能でしょうか?
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こんにちは。民事訴訟法に興味をお持ちのようですが、大変難しい問題ですね。 まず、裁判所の事実認定は、当事者の主張する範囲で行わなければならないという大原則がありますので(弁論主義)、原告が100万円の債権の存在を主張しているに過ぎないのに、500万円の債権の存在を事実認定することは出来ません。 ご質問をより的確に書くと、「原告が100万円の請求権の存在を主張している時に、裁判所が500万円の請求権が存在するとの「心証」を得た場合、どのように事実認定して判決すべきか」ということになります。 この場合、原告が主張する100万円の債権と、裁判所が存在すると心証を得た500万円の債権が同一のものかどうかで結論が分かれます。同一性があるかどうかも最終的には裁判官の心証となります。 債権が同一であるとは、実際は500万円あるけれど被告に全額の支払い能力が無いとか必要ないとかで、その一部のみ請求しているとか、もしくは、原告が金額を勘違いして少なく請求してしまったというような場合です。この場合は原告の主張する「少なくとも」100万円の債権は存在するとの事実認定をして「被告は、原告に対し、金100万円を払え」となります。(1です) しかし、裁判所が、500万円の債権は存在するようだが、これは原告の主張している100万円の債権とは別のもののようであるとの心証を得た場合は、原告の主張する100万円の債権について立証が無いのですから、請求棄却となります。(2です) 普通、こういう状況になれば、裁判官は釈明します。例えば「500万円貸したという証拠がでているけれど、今回の請求は一部請求なの?それとも、この500万円は今回の100万円とは別なの?」とか。 控訴審における請求の拡張ですが、1の場合は原告の全面勝訴なので、原告から控訴することは出来ません。被告が控訴した場合に限り、付帯控訴して請求の拡張が可能です。 2の場合は、そのような制約無く、控訴して請求の拡張が可能です。
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- talkie(@utilityofa)
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>原告が被告に100万円の請求訴訟を起こして、…500万円の支払義務がある。< 実務的には、ときどきあるケースですよ。 一番ありそうなのは、慰謝料を請求したケースですね。 原告は自分の債権額を100万円と評価して請求したが、 裁判所は、もっと(500万円)認めてあげてもいいと考えた場合。 もちろん、この場合、裁判所は「500万円までOKだけど、請求額が100万円だから100万円まで」とは言いませんが…。 せいぜい「原告の債権額は少なくとも100万円を下回らない」という判断で、100万円の請求を認めてくれることでしょう。 一種の「一部請求」が認容されたといえるでしょうか。 あるいは、こんなケースはどうでしょう。 原告は500万円の債権をもっていて、これを請求しようと考えたが、被告から400万円について相殺を対抗されることが予想されたので、印紙代を節約するため、最初から「そもそも500万円の債権を有するが、仮に被告が相殺を対抗したとしても、原告の債権額は100万円を下回らない。よって、原告は100万円を請求する」として提訴した場合。 この場合、被告が相殺を対抗しなかったとき、あるいは裁判所が被告の相殺は=被告の反対債権の不存在とかで=不適法であると認定したときは、「原告は被告に対して500万円の債権を有する。よって、その一部である原告の請求には全部理由があることは明らかである」と判決してくれることでしょう。 >控訴して500万円請求することは可能でしょうか?< 上記のいずれの場合も、控訴審で請求を拡張することは可能と思います。ただ控訴審の裁判官も原審の裁判官と同じ認定をする=同じ心証に達するという保障はどこにもありませんよね。 控訴審では「原告の慰謝料の額は100万円ポッキリ」とか「原告は500万円の債権を持っているけど、400万円の相殺が成立するから、結局認容額は100万円」とされることも考えられます。そうすると、請求を拡張した部分は棄却=この場合原判決は正当だから、結果として控訴の全部が棄却=ということも、当然ありえるわけです。 なお、請求の基礎が同一である限り、控訴審で請求を拡張するについては、被告の同意はいらないようです(訴えの交換的変更に関する事例ですが、最高裁判所昭和29年2月26日判決・判例タイムズ39-53と同旨だと思われます。)。
お礼
ありがとうございます。 詳しく教えていただき大変ありがたく思っています。 これを機に一生懸命頑張りたいと思います。
訴えの提起の段階で、請求金額が100万円と訴状に記載したわけですから、100万円を限度として判決になる 原告は被告に対して、金100万円と年5分による金員を支払え そうじゃないと、提訴の意味がないでしょう。1です 変更という形で、出来るようです http://cache.yahoofs.jp/search/cache?p=%E6%8E%A7%E8%A8%B4%E3%80%80%E3%80%80%E8%AB%8B%E6%B1%82%E9%87%91%E9%A1%8D%E3%81%AE%E5%A4%89%E6%9B%B4&fr=top_v2&tid=top_v2&ei=UTF-8&search_x=1&u=www.ops.dti.ne.jp/%7Eton-ton/baisyou.htm&w=%E6%8E%A7%E8%A8%B4+%22%E8%AB%8B%E6%B1%82+%E9%87%91%E9%A1%8D+%E3%81%AE+%E5%A4%89%E6%9B%B4%22&d=HZTENedmPno7&icp=1&.intl=jp
お礼
ありがとうございます。 私もやはり100万円分の請求を認めるのは妥当だと思います。
お礼
いつもありがとうございます。 詳しく教えていただき大変参考になります。 民事訴訟法の条文を読んだだけでは細部まで分らないことが多く 実務上は様々な問題が出てくると思いました。