えー説明上必要なところ以外かなり省きますが・・
(できることなら、これからを担う国民のお一人として「日本国憲法」をお読みになることをお薦めします、たかが103条のこの国の根幹である最高法規です))
まず、この国の民主主義は議会制民主主義(議員内閣制)という制度を採用しています。
そして私たちの正当な選挙によって選ばれた国会議員が、国権の最高機関である国会(立法府)において、
行政府の長である内閣総理大臣を立法府の国会議員の選挙によって指名議決するわけです。
で、その国会は衆議院と参議院の二つの議会で成り立っています(二院制)。
二つ(の違いはいろいろありますが今は省きます)の議会には、それぞれ政党といって(基本的には同じ理念・信条・志しを持つ)いくつかグループに分かれています。
で、総理大臣とは衆参各々の議決によって指名されますが、衆参異なった人物の場合は(話し合いでも決まらなければ)「衆議院の優越」といって衆議院の議決が採用されるわけです。
で、今回の場合衆議院の第一党(過半数議席)である自民党の代表者が手を結ぶ公明党の議決も入れた票数が、それ以外の民主党の代表者に入れたそれ以外の政党と歩調を合わせた各政党の票数より上(過半数)だったので、民主主義の原則である多数決結果で、自公の入れた代表者が「衆議院の指名」となったわけです。
ちなみに今回はご存知のように参議院においては民主党が多数党(第一党)ですから(ただし過半数には足りませんので)最終的には(自公以外の)各政党と歩調を合わせ過半数の指名議決を得て、民主党代表者が「参議院による内閣総理大臣の指名」とされたわけです(だから参議院からは小沢一郎氏が内閣総理大臣に指名議決されました)。
*ただ前述した「衆議院の優越」により国会の指名として衆議院の指名した人物が内閣総理大臣に指名されたわけです。
ちなみに、指名された内閣総理大臣が任命する国務大臣たちで<内閣>を組閣して行政府を指揮監督する権限を得るわけです(財務省や防衛省や社保庁や明日までの郵政公社など、この国のすべての国家行政機関を指揮監督する権限です)。
そして内閣を送出した政党(複数可)が「与党」と呼称され、それ以外の政党を「野党」と呼称されるわけです。
(ですから一部、参議院多数党の民主党を「参議院の与党」と恣意的に発言してる方がいますが、明らかな間違いです)
すなわち、議院内閣制における政権与党とは、
行政権を行使できる権限と、立法権の実行力のある権限の、この国の三大権力の二つもの強大な権力を行使できることにもなるわけです。
*ちなみに先の参議院選結果により少しは緩みましたが、雰囲気で国政選挙で選挙権を行使して、憲法が想定していない膨大な議席を与えてしまうととんでもない国家運営が行われるというこの2年間の結果です。
現在は衆参の多数党の違いから「ねじれ国会」などと揶揄して言う方もおられますが、戦後60年始めて国会における議論が伯仲して意義のある国会運営がなされるものと期待されています。
現実に参議院選挙後どちらかの政党の身勝手な理由のおかげで2ヶ月にも及ぶ政治空白が生じ、
(ほんの数日だけでの臨時会だけで)まったく国会の議論が行われなかったにもかかわらず、
野党の参議院多数議席のおかげで(それ以前には全く起きえなかった)数々のその効果が既に表出し始めています。
また首相公選制の是非はともかく、
議院内閣制もまともに活用できないのに、最高責任者の直接選挙制だけ導入しても欠点ばかり生じ、その制度の仕組み上とんでもない混乱が生じることが懸念されます。
*ちなみにこの国は先進国、欧米主要国家の中で飛びぬけて投票率が低く、世界の民主主義史上唯一60年間もの長期に渡り定期的な政権交代のない異例な国だという「民主主義後進国」ですから(くやしいことに^^;)。