余談ですが、最近の不動産屋は、のんびり10年も20年もかけて投資資金を回収してはいません。
証券化という手法を使います。
土地を買って、建物をたてるために1000億円かかる事業があったとします。
この建物から、年間100億円の賃料収入が予想されるとしましょう。
利回り10%ですね。
元を取るのに10年かかりますし、10年のあいだには賃料相場が下がってしまうかもしれません。
こうしたリスクを避けるため、証券を発行して、事業費の1000億円を外部の投資家から調達するのです。
投資家も、より有利な投資先を探しています。金利は安いですし、株などはリスクが大きすぎる、と考える投資家もすくなくありません。
大企業の財務部、なんていうのも「投資家」に含まれるんですよ。
こういった人たちは、たとえば5%の利回りで運用できればいいと考えるかもしれません。
そういう人が多ければ、ビルを建てようとしている不動産屋は、このビルの権利を、予想利回り5%の証券として売ることができます。
期待賃料収入100億円÷5%=2000億円、ですね?
実際の事業費は1000億円ですから、
証券化で得られる収入2000億円-ビルを建てるのにかかる費用1000億円=利益1000億円
という計算になります。
ビルが完成した瞬間に、1000億円が転がり込んでくる、という寸法です。
実際には、こんなに単純な話しではないですし、ここまでぼろい商売ができるわけではありませんが、
不動産屋も最近はいろいろ知恵をしぼっていますね。
ちなみに、証券化された不動産は一般の人でも買うことができます。REIT(リート)と呼ばれているものです。
個人投資家にも人気がある金融商品になっています。
お礼
20から25年ということは、元を取るにはかなりの時間がかかるのですね。 不動産屋も楽じゃないということがよくわかりました。