こんばんは。
元々、株によって性的機能が異なる「雌雄異株」の例に挙が有名だと思います。
(その逆は雄雌同株です。雄しべ、雌しべの両方を持つ、多くの花はこれです)
つまり、雄の株は花粉を飛ばすだけ雄花を咲かせ、雌の株は雌しべしかない雌花を付ける場合です。例として、山椒、イチョウ、ソテツ等。
ただ、八重ヤマブキはどうかと言うと、勝手がちょっと面倒になります。
難しくなりますが、植物において実が成らない事を「不稔」と言い、実が成らない花を「不稔花」と言います。不稔花の原因により種類があります。
○雄の機能が無い→雄しべが無いか、退化等で機能しない・花粉に受精機能が無い→雄性不稔(雄性不稔花)
○雌の機能が無い→雌しべが無いか、退化して機能しない→雌性不稔(雌性不稔花)
○雄、雌の機能どちらも無い→雄しべ、雌しべが無いか、いずれも機能しない→中性不稔(中性不稔花)
この3タイプについて考えて見ます。
●雄性不稔の場合は、同種の雄性不稔同士の株では種が出きません。ですが、雌しべが有り機能しているので、他の株から花粉を運んでくることで種が出来ます。例えば花粉症対策の、花粉を飛ばさない杉。
●雌性不稔の場合は、雌しべが無いか機能しないので実が全く成りません。しかし、雄しべがあり花粉を生産できるので、他の株へ受粉させる事が可能です。
●中性不稔だけは、雄と雌の両方の機能がないので、株分け挿木などの栄養生殖でしか増殖できません。
中性不稔の例としては、アジサイ類に良く現れます。生殖機能が無い花を、特に「装飾花」といいます。
また、私は山野草を趣味で育てていますが、雪割草(ミスミソウ、スハマソウ、ケスハマソウ)にも、代を重ねるうちに不稔花が出現する事があります。雄性不稔、雌性不稔、中性不稔、いずれの花も出現します。
※八重咲きヤマブキの場合、花びらしか見当らず、雄しべも雌しべもありません。
ですから、八重咲きヤマブキも場合、中性花にあたるので実がならないんですね。こうなると、挿木、取り木などの栄養繁殖でしか増やせない事になります。
不稔花の出現は、殆どの植物に見られる現象だと思われます。
また、種苗メーカーでは売った植物が種で増えてしまうと種や苗が売れなくなる、勝手に品種改良されると著作権上困るので、意図的に不稔花の品種を売る場合があります。(最近は良い花を買っても、実がならずトホホと言うケースが増えてますがこんな仕組みになってるんです)
趣味人の範囲でのアドバイスですが、前の方と併せて参考になれば。