ジゴキシン(ジギタリス製剤)は古くから使用されてきた薬で20年ほど前までのような他の薬が無い時代では第一選択とされていたこともあるものでした。特に脈拍が速い心房細動になっている場合はこの頻脈を落ち着かせる働きもありこのことも心不全に有利に働くためこうした場合には現在でもよく使われるものです。
お考えのように動く力が弱い心不全ですから動きを強める薬を思い浮かべるのが普通と思います。ジギタリスもその働きがありますがそれほど強いものではありません。
こうしたことを狙った薬の開発がされてきましたが結果的にはかえって寿命を短くするものがほとんどでした。「痩せ馬にムチを打つ」とたとえられます。
変わって現在の心不全治療の主体は心臓の負担を軽くする薬です。
古くから使われる利尿剤もこうした働きがあります。
心不全の時には他の臓器からいろんな物質が出て心臓に対して負担になりさらに心臓の働きを落とすような悪循環になっていますがこうしたことを絶つ薬が初期から使われます。
最近ではかつては心臓の動きを落とすため心不全の場合には使ってはいけないとされていた薬が使い方を工夫すれば心臓を保護して改善することがあることも知られるようになっています。
ジギタリスは今でも頻脈性心房細動ではよく使いますが、そうでない場合は使われる頻度が少なくなっています。特に高齢者ではサジ加減が難しく副作用の頻度が高まりますので使うとしても軽く使うことになりあまり効果を期待することはできなくなります。
お礼
大変有難う御座います。 良くわかりました。