No4,6,7です。度々失礼します。
責任の問題で
No4の回答で、責任の程度の問題と書き、実際に程度の問題でもあります。しかし、それよりも、内閣(与党)の責任、議論によって批判しきれていない野党やマスコミ(与党がまともな議論に応じないのも理由ですが)の責任、総体的に政治を勉強せずに政治家を選んだ国民の責任などは、別個に分けて考えるべき問題で、同次元で論ずるべき問題ではないと書いた方が分かりやすかったですね。
現在は分けて考えるべき責任を分けないで、分けて考えるべきではない責任を分けて考えています。
前者の例が政治の責任=国民の責任ということであり、後者の例が内閣の責任は内閣の責任であって与党の責任ではないかのように扱われていることです。実質的に与党が総理を指名し、国務大臣の半数以上が与党内から選ばれていること、殆どの可決された政策は与党内で基本的に決められていることを考えれば、与党にも責任は当然あります。
政治の責任と国民の責任は同じ程度のものではありません。国民にしてみれば、「お前らが私らに任せれば大丈夫ですよといったから投票したんだ。」となるわけで、そもそも、最初からうまくいかないことを願って投票したわけではないでしょう。国民の責任があるとしたら、最低限の政治知識で分かることすら分からないで投票したり、投票に行かなかったりしていることだと思います。投票は一個人としては権利ですが、社会的には義務に近い物ですから、もっと良く考えて投票しなければなりません。しかし、それは今の与党の議員が指摘するような問題では決してありません。それは、自分たちが大丈夫です大丈夫です、とごまかしてきておいて、それが実は大丈夫じゃなかったんだと国民は見破れなかったから責任を取れという責任転嫁です。
政策の実効性
与党だけがマニフェスト(gee2992さんがおっしゃっているように、自民党のマニフェストは今までの公約と変わりませんが。)を実現できるという前提から書きます。政党では、党議拘束というものがあります。
ある一つの法案について、党内で反対か賛成かを決めておき、党の所属議員全員が投票でその決定に従う、というものです。従わなかったら党の除名処分などがなされます。
日本では、ほとんどの法案で党議拘束がかけられています。唯一と言っていい例外は臓器移植関連法案ぐらいです。あの法案は人の死の定義など倫理的な問題が争点となったため、党議拘束はかけられず、議員個人個人の判断に任せられました。
法案は衆議院での過半数の賛成と参議院での過半数の賛成により、もしくは衆議院で通って参議院で否決された場合は衆議院での三分の二の賛成によって法律となります。
つまり、党議拘束によって、衆参両議院で議席の過半数を獲得している、もしくは衆議院で議席の三分の二を獲得していると制度上は自由に法案を通すことが可能となります。与党が政策を実現できるのは、衆参両議院で過半数の議席を確保しているためです。野党も個々の法案一つ一つについて見てみると通すことのできる可能性はありますが、与党との合意が必要不可欠となりますし、マニフェストのような多数の重要な政策案を全て通すことはまず不可能なわけで、その意味で野党はマニフェスト全てを実現できる可能性は衆参両院で過半数の議席をとるか衆議院で三分の二の議席をとらない限り0に近いです。
自民党はこのことをごまかしてきました。安倍首相が沖縄補選のとき、「野党はこの三年間何をしてきましたか?何もしてこなかったじゃありませんか。」と言ったのはこれらを考慮しない発言であり、民主主義の構造を国民に誤解させるものです。この発言に関してマスコミは何の批判もしていませんから、マスコミも問題だと思います。
それと、あたかも党議拘束が悪いかのように聞こえるかもしれませんが、議論を党内ですらまとめていないと議論が極端に遅くなる可能性があり、必ずしも党議拘束が悪いわけではありません。
もう一つ基礎知識として、衆参で過半数を有する与党は三権の全てを掌握できます。衆参両院で過半数を有する政党に対して国民はそれだけの権力を与えているわけです。
行政権
内閣総理大臣は国会の議決により指名され、内閣総理大臣が内閣を構成する国務大臣(過半数は国会議員より選ばれます。つまり殆ど全ての場合与党内から半数以上選ばれるわけです。)を任命します。
司法権
内閣は最高裁判所長官を指名でき、内閣総理大臣が任命します。実質的には長官が後任を推薦し、それを内閣が承諾するといった形になりますが、どちらにしろ内閣の承諾が必要な点は大きいです。そして、最高裁は地方や高等裁判所の裁判官の人事権を握っています。国に対して不利な判決をした裁判官を地方に飛ばすことも可能です(そういった噂は聞きますが真偽は知りません)。
増税について
仕方がないと決まっているわけではありません。No7の回答でも書いたとおり減税廃止は確かにいつかは行われる物です。しかし、仕方が無いのはあくまでも、現時点の減税廃止が適切であるという条件を満たすならばです。
また、理屈の上では確かに、増税はしない=減税廃止などの実質的な増税はしない、ではありませんし、増税はしない=保険料の値上げもしない、でもないです。現実問題として実質的な増税になっていて、増税と同じだけの効果があっても、このような言葉の上でだけの増税ではないでごまかされているのが現状です。その一方で、ご指摘の通り、住民税は増税していますが、所得税を同じ分だけ引いているから実質的な増税ではありませんと言い、多くの自治体で保険料が上がるという議論をなおざりにしているわけです。ただ、No4の回答で書いたとおり、増税に関して言えば、まず増税=悪いという国民の認識を変えるべきだと思います。増税=悪いでは議論になりませんし、必要だと言い張られればそこで終わります。増税そのものが悪いではなく、増税が必要かどうかという議論をもっとしなければなりませんし、しなければなりませんでした。
首相公選制のデメリットとして
横槍を入れるようですが、お許しください。
首相公選制が行われない理由としては、首相の権限の問題が大きいと思います。
(1)首相の権限を今より強めないならば、首相が例えば、野党の民主党から選ばれたとして、それで首相は政策を思い通りにできるわけではないからです。94年~96年在任の村山首相辺りを思い浮かべてみれば良いかと。社会党の党首でありながら、社会党の政策とは逆の政策を打ち出しています。(社会党の政策の実現可能性があまりにも低いものだったこともあるでしょうが)首相になったからと言って、与党の後ろ盾が無ければ、思い通りにできるわけではありません。
(2)逆に首相の権限を強めるならば、人気はあっても頭のない人間が首相になったときに恐ろしいからです。
No6人か政党かの問題で訂正
党員ではなく、党の所属議員の意見が反映されるか否かですね。
お礼
>これまでこの国の有権者は口では散々文句言うくせに、いざ選挙となると4割もの莫大な白紙委任(=不満がないの意)をしてくれるのです。 これは普段からとても感じます。 文句を言うなら何かすればいいのに、何もしないで不平不満を言うだけで… それでそんな声は大事なところには届かないのに、みんなあきらめてしまっているように見えます。 そういう人たちを見ていると尚のこと、自分の一票を軽く感じてしまうのかもしれません。 ですがそれでもやり続けた方がいいのですね。あきらめたら何もできないのですから。 >「それこそ国民にしか出来ないことであり、それこそが何よりもの責任の取らせ方」であるのです。 私はずっと民間にしろ、政治にしろ「失敗したら責任はやめることで取る」というスタンスに疑問を持っていました。 自分でしてしまったことだからこそ、自分でどうにかする必要があり、それをやめることは放り出してしまうような無責任さを感じていました。 ですが、政治に関してはそうではないのですね… 民間とは違い、選ばれて議席を政党に獲得させて実行力を持ってきたのであれば、不信任により落選することには非常に責任として大きな意味があるのですね。 >ちなみに私は必ずしも現在の制度(議院内閣制・議会制民主主義)が良くないとは思っていません(ではなぜ英国ではうまく機能しているのでしょうか)。 国民主権である限り。国民自体が意識を変えないとどんないい制度も所詮その力を発揮できないということなのですね。 国民の政治離れと言われて長いと思いますが、どうすればこれを打破できるのでしょうか。 周りにこういうことを雑談がてらにふってみても「難しいこと考えるんだね」で終わりです… 今回質問させていただいて、皆様の意見から「いい政治は政治家が作るのではなく、国民の意識から産まれていく」ということを非常に感じました。 だからこそ、今の現状がはがゆくも思います。 私自身、関心が薄かったのが、きっかけがあり、興味を持ったので偉そうなことは言える立場ではないですが、みんなが変わっていかないと変えることができないというのも今の政治に取って、非常に大きな要因なのですね。
補足
ご回答ありがとうございます。 長くなったので補足とわけてお礼させていただきます。 >実行できる権利を得るために、選挙に勝とうとしてる(政権与党になる)のではないですか。 あああ~。目からウロコです。 こんな簡単な理屈に気づかなかった自分に呆れます。 そうですよね。議席数が足りなければ確かに実行できる賛成が可決されず、「実行できない」となるわけですね。 それでは確かに選挙前にわかろうはずもありません。 となると問題は目の前の実行力というより、提示したマニフェストが現実的に実行可能なプランであるか、が重要なのですね。(どんなにいい内容も収支がダメなら実行できないとか…) となると議席数を獲得できなかった、ということは「国民の賛成意思がその程度の%」ということなので実際の実行が遅れたり、実行できなかったりというのは国民の意思となるわけですね。 今初めて、日本が民主主義だと実感できた気がします… >ひとつ常に意識していただきたい、少なくとも現在の自民党は政権にとどまるためには何でもする これは今回…丸山弁護士が自民党から出ると聞いて愕然としました。 他にもさくらパパとか…(これは自民ではないですが)選挙に有名人を引き込む理由がやっとリアルにわかってきました。 当人を当選が最大目的ではなく、議席数の為ということなのですね… それ以外でも本当にいろんなことが行われているのでしょう。 >選挙期間中にライバル有力政党の政策には反論(言いがかり?)するのは、ある意味当たり前なことなのです これは気になっていたのですが、ネガティブキャンペーンと選挙妨害の境界線はどのへんになるのでしょうか。 あまりに他政党や他の候補者貶めるのは選挙妨害のような気もするのですが。 反論であればネガティブキャンペーン、言いがかりであれば選挙妨害にあたったりしないのでしょうか。