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三川後風土記について
お教え下さい。納屋を整理していましたら「三川後風土記」とうい江戸時代の本が出てきたのですが読めません。これは何を書いた本でしょうか、宜しくお願いします。
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こんにちは。 古い本についてあまり厳密に考えても役に立たないことがしばしばあります。お訊ねの本は、「読めない」とあることや「三川」という地名表記からも、どうやら写本(筆写本)のようです。 写本の場合、写している間に誤字や脱字、文章の前後が発生するのは普通のことでした。また写し手の癖によって地名や人名に通常は使われない漢字を当てたり、その人独自の当て字が使われることもあります。この場合の「三川」もそうでしょうし、この本の別写本には「参河」と記してあるものも存在するようです。この例の三や参、川や河のように、ほぼ同じ意味を持つ漢字を昔は適当に使用していたのだと考えてください(場合によっては音が同じだけというようなもっといいかげんな使い方をしていたことも多い)。 江戸時代には木版本(1ページ分を版として彫り上げる)が出版の主流ですが、この『三河後風土記』には木活字版が存在するようです。国会図書館 http://opac.ndl.go.jp/Process の「和古書・漢籍」検索によると、四十余巻から成る写本が二組、全16巻の木活字版が一組収蔵されています(国会は個別資料への直リンクが出来ませんので、ご自分で検索してみてください)。 大学図書館や博物館、研究機関を結んでいるwebcat http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/equalTop.html では三種類四組の写本が見つかり、それぞれに別題の注記が付いています。 http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABA57537448 http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABA56238372 http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABA79761955 前二者は『改正三河後風土記』の別題が『三河後風土記』だとあります。 webcatで検索すると判りますが、改正や校正と付いた本が何度も出ています。これは元々の『三河後風土記』の内容や文章を改訂したものということでしょう。 お手元のものは5冊ということですが、この巻数は少々少なすぎのようですから、全巻が揃っていないかもしれません。ただし、江戸時代には合巻(ごうかん)と言って、多巻からなる版本のうちの数冊を綴じ合わせて製本することもしばしば行われていました。写本の場合には国会の資料にもありますが、写す際に元の巻数をまとめることもあります。ですのでこれは内容を改めてみないと確実なところは判りません。 書誌に関してはこれくらいにします。 内容はwebcatの検索結果を見ていると気が付きますが、『太閤記』などを含む「物語日本史大系」の1巻として出ています。これから考えると歴史に題材を取った読み物らしいと推測できます。のちの吉川英治の歴史小説の原型といったところでしょうか。 国会の目録では「雑史」という分類もされています。歴史を単純に記載した史書ではなく、物語として脚色された部分も含まれた本ということでしょう。現在最も入手しやすい本は秋田書店の三巻本(1976年)のようです。 http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABN02846864 これで内容を確認してみるのも良いかもしれません。ただしまだ在庫はあるようですが、 http://www.honya-town.co.jp/hst/HTdispatch?nips_cd=9830429865 図書館を利用するのが良いのではないでしょうか。 http://www.jla.or.jp/link/public.html 近隣の館に無くても、リクエストを出せば県立館などから取り寄せてもらえます。 いずれにしても、江戸時代に本を買えるような家は並みの家でなかったことだけは確実でしょう。或いはそうではなく、譲られたものだったとしても、それに値するだけの才能を持った人が祖先にいたということになります。 その辺の真相はともかく、古い物は大切にしてほしいと願っています。
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- walk-hawk
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こんばんは。 『改正三河後風土記(かいせいみかわごふどき)』なら、江戸幕府を開いた徳川家の家系や創業の足跡をいろいろ集めた本のようです。家康はもちろん、いろいろな戦国武将も登場するようですね。徳川家にとって大事な書だったようですが、今も歴史学や史実小説などによく利用されているみたいです。私は海音寺潮五郎の『武将列伝』でその名前を見ました。
お礼
早々に有難うございます。改正版ではないです。5冊ほどあります。
お礼
御丁寧な解説頂有難うございました。