生活保護費を下げるべき? 最低賃金を上げるべき?
生活保護受給者が増えていることが社会問題となっています。
生活保護受給者は月間に約14万円ほど現金受給できるほか、税金免除、国民年金納付免除、NHK受信料免除、医療費免除などの免除制度があり、また子女が居ればこれらの教育費、給食費などが支給されます。これらを含めれば実際には14万円よりも高い金銭援助を受けています。
一方、低賃金で働くワーキングプアなどと呼ばれる人たちは1か月働いても手取り給与が10万円そこそこの人たちもいます。彼らには各種の免除制度はないのでNHK受信料や国民年金納付などで支払いが終わると手元に残るのは10万円に満たない人も多くいます。
*****************************
これらの問題に対して
生活保護受給者は働かない怠け者(国民三大義務を果たさない者)だし、働かない生活保護受給者が働いているワーキングプアよりもリッチな生活をしているのを見れば、怠け心の有る者は
”不正してでも生活保護受給をして働かずに生きてゆこう”
と思うだろう。
そういう人を増やさないためには生活保護費をもっと下げて、生きていくぎりぎりの金額だけ渡すべきだ。
そうしなければ最低賃金を上げる必要が出てきて、企業にとって負担となるから、そっちはすべきではない。やるべきは生活保護費を最低賃金以下に下げる方向だ。
という声があります。
一方で
生活保護費用は憲法に定められた生きる権利を保障するものであって、それを下げるべきではない。問題なのはワーキングプアが発生するような雇用環境にあるのであって、むしろ最低賃金が生活保護費を上回るように設定すべき。そうすれば多くの生活保護受給者や生活保護受給を考えている者も
”生活保護を受けるよりも働いた方がトクだ”
と考えるようになるはず。
悪いのは生活保護受給者にも劣る程度の賃金しか支払わない企業の方だ。
という声があります。
更には
現金を渡すから問題なのだ。なぜなら現金には名前が書いてないから。
これを解決するために、食料・日用品購入については本人限定の購入チケットを支給すれば、酒や嗜好品を買ったり、賭博などの娯楽に使うこともできないからそうすればいい。
これらの”生活保護者用チケット”を使うたびに、
”私は生活保護者でございます。皆様にタカって、皆様の税金で生きている怠け者でございます”
という事を本人、周囲に強烈にアピールさせればいい。
不正受給とか最低賃金がどうのこうの、という問題ではなく、”生活保護を受けることは恥”という文化を復活させればよい。このようにチケット制を導入することで、辱めを受けて、生活保護をやめる人が増えていくだろう。そうして生活保護受給者を減らしていけば、生活保護費受給者全体数は減る。生活保護受給者が超少数派になれば、
”これ以上生活保護を受けて世間から白い目で見られるよりも、生活保護より少ない手取りでも働いて生きていく方がまだましだ。もう生活保護なんて恥ずかしい目には遭いたくない!”
と思う人間が増えてくる。そうやって生活保護者を労働者人口に呼び戻して、日本の労働人口を増やしていくことが、少子高齢化時代にもマッチした政策なのだ。
また現金を渡さずにチケット制にすることで、一部で問題化している生活保護受給者をかき集めて小さなアパートの一室に十数人で住まわせて、衣食住の面倒を多少みる代わりに生活保護費をピンハネする「生活保護ブローカー」なる悪徳ビジネスも根絶できるはず。
ん?
”生活保護は恥ずかしいから受けたくないが、働いてもまともに生活できない。このままでは困窮して餓死か、自殺しか道はない”
という人が増えたらどうするか、って? んなこたぁ知ったこっちゃないわ。そんな弱い人間は国民として不適格。弱いものに合わせて国家計画していたら国家が破たんする。ついてこれない奴は野垂れ死にすればよい。
という声もあります。
どれが正解なのでしょうか?
それとも正解はこれ以外のどこかにあるのでしょうか?
正解を教えてください。