被疑者被告人の勾留は概ね次の通りです。
1.警察が逮捕した場合は、48時間以内に釈放するか送検する。
2.警察から送検を受けた検察官は24時間以内に釈放するか勾留請求する
(最初の警察の逮捕から72時間以内)。
3.検察官の勾留請求を裁判官が認めると被疑者勾留(起訴前勾留)となる。
これは10日間で、1回に限り更に10日間の延長が可能です。
再延長5日というのもあるにはありますが、これは一定の重罪(内乱罪と
か騒乱罪とか)の場合だけで、痴漢を始め大概の場合には該当しません。
ただし、併合罪となる余罪があると余罪で逮捕、勾留するという手が使え
るので実際には何十日も勾留することが可能な場合もあります。よくある
のは、死体遺棄で逮捕勾留してその後殺人で逮捕勾留するというもの。
保釈はありませんが、そもそも保釈できるような状況ということは勾留の
必要自体がないということだから端的に釈放しろというのが刑事訴訟法の
立場なので当たり前のことではあります。
4.起訴すると被告人勾留(起訴後勾留)になりますがこれは検察官がするの
ではなくて裁判所がするものです。なぜなら、起訴後の被告人と検察官は
対等な当事者なので一方が他方を勾留するということは対等な当事者とい
う発想からは認められないからです。あくまでも裁判を行う必要から「裁
判所」が勾留するのです。これは「公訴提起の日から」2ヶ月で原則とし
て1回に限り1ヶ月延長可能です。と言っても、例外で何度も延長するのは
よくある話なのですが。
手続的に被告人が在廷しないと公判が開けないので逃げられないように身
柄を拘束するのが目的で(罪証隠滅防止など他の理由ももちろんあります
が)、本来は被告人は身柄を拘束しないのが原則です。そこでいわば身代
金として保釈保証金を払わせて逃げないようにして保釈するということに
なります。
お礼
丁寧な回答ありがとうございました。 裁判所が勾留するのですね。納得しました。 流れもなんとなくわかりました。 参考になりました。