官僚か政治家かというのは、どのように選ばれたかの違いです。
政治家=議員は、選挙によって選ばれますよね。
官僚は、任命権者によって試験などで採用されます。
立法が政治家によって担われるのは、これまでの回答のとおりです。
しかし、行政が官僚だけによって担われるというわけではありません。
小泉首相は、政治家ですよね。政治家ですが、首相であるということは行政の代表者でもあります。
各大臣も政治家であり、行政の責任者です。
つまり、立法も行政も、上に立って動かしている(動かすことができる)のは政治家であり、官僚のポストを決めることができるのも政治家なのです。
官僚は、それぞれの責任者たる大臣=政治家の意向を受けて政策立案などをしていくことになります。もちろん、官僚が草案を作って政治家に確認することも多いですが、その際にも採否を決めるのは政治家です。
立法-行政の関係と、政治家-官僚の関係は、別のものとして考えなければなりません。
最近問題となっているのは、行政部内での政治家-官僚の関係です。
田中前外相の事例は、外務省の行政をつかさどる大臣=政治家と、その下で働くべき官僚との関係がうまくいかなかったという行政部内の問題です。
行政部内においていかに政治家が強いリーダーシップを発揮できるかというのが、「政官問題」の本質だろうと思います。
もちろん、大臣などの政治家だけで行政が行うべき企画立案作業をすべてできるわけではないので、官僚の必要性がなくなるわけではありません。
行政の代表である内閣は、国会に法案を提出する権限を有しています。
官僚が用意して提出される法案は、行政が立法府=国会に提出して審議してもらうという形をとることになります。
内閣が提出した法案と与党の方針が異なることがないように、内閣で法案を提出するかどうかを決める前に、与党の会議でその法案について審査されますが、この場合でもあくまで提出するのは内閣=行政です。
なお、このプロセスを「与党審査」といい(法律等で決まっているものではありません)、内閣の機能強化を図るため、このプロセスをやめるべきだという意見もあります。
これとは別に与党や野党の議員自身が国会に法案を提出することもあります。
こちらのプロセスには、一般的には、行政は関与しません。
お礼
皆さん御回答ありがとうございます。 自分ではなんとなく、hanboさんのお答えのような感じを受けていたんですが kyaezawaさんによると本来は政治家が法律をつくって、その実務をするのが官僚だということでしょうか。 ということは、三権分立されていないといえるのではないでしょうか? これって、ものすごくおかしいような気がします。ほとんど憲法違反では? それと、官僚が法案を作って政治家がその法案を国会に提出するとして、そのケースはやはり与党に限られますか? その場合、野党は何をやってるんでしょうか。野党は法案をつくらないんですか?