これは両方とも正しいと言えるでしょう。
> 1つは「糖分がないと脂肪燃焼は起こらない」というもの
運動開始時に使われる養分は筋肉に含まれている筋グリコーゲンからです。要するに糖分からです。
a, その筋グリコーゲンが枯渇すると、
- 強強度であれば肝臓からグリコーゲンが放出され、
b, 低強度運動の場合は、筋グリコーゲンが枯渇していなくても、肝臓、皮下脂肪の順で遊離脂肪酸が放出され、血中に回り、それを有酸素性運動でエネルギーとして使用するようになり、結果として脂肪が燃焼されます。
(まったく糖分が無いと脳みそも働かないので、運動どころか生命維持すら出来ません)。
> 2つ目は「血糖値が上がっているときはインスリンの働きで脂肪分解は起き難い」
ご存知の通り血糖値が上がるのは食後2時間程度までが多量ですが、その間はインスリンの働きで中性脂肪が合成されます。
またこの時間帯に運動をすると、血糖が消費されやすいです。これは糖尿病の方の運動療法などで「食後1時間程度で運動をする」などで利用されています。この場合には中性脂肪の合成は、糖分が消費される為に起りにくいです。
運動エネルギーは使いやすいエネルギーから消費されるので、血糖値が高い場合はそれから燃焼されます。脂肪は変換しないとならないので使いにくいため最後で、また低強度の場合にのみ燃焼されるとお考えください。
その他:
それとは別に、脂肪の燃焼を妨げにくい糖分は「果糖」と言われています。これは吸収が遅く、またインスリンの放出は無いと言われています。有酸素運動のエネルギーとしても使われ、水分も摂れますし、脂肪の燃焼も妨げない為に、朝起きた時の運動時などに向いているでしょう。ただし砂糖などと異なり吸収に20~30分程度は見た方が良いので、即効性のある吸収とは言えません。
果糖以外に砂糖やブドウ糖と考えると、上記2とは相反しますが、何もエネルギー源が無い状態で運動を始めるより、多少有った方が身体温度も上がりやすいので、脂肪燃焼に結びつき易いともいえるでしょう。通常言われる「糖分がないと脂肪燃焼は起こらない」などはこれに近い表現の様に感じられ、またそのように受け取られやすいため、誤解を招きやすいのではないかと感じます。
以前は脂肪燃焼の「触媒」のように働くと考えられていた糖分が「果糖」ですが、「脂肪の燃焼を促す」訳ではなく、「脂肪の燃焼を妨げない」の表現の方が正しいようです。脂肪燃焼の為であれば、バームなどのアミノ酸飲料や、カプサイシン(唐辛子)などが効果が高い様に考えられます。
この「脂肪燃焼の糖分由来の触媒」はどなたかご存知の方おいででいたら、教えて下さい。
お礼
hisajp様 たいへん詳しくご説明いただきありがとうございます. 教えていただいたことを私なりに要約してみますと・・・ ○脂肪燃焼に必要な「糖分」とは,グリコーゲンとして貯蔵されたものを指す. ○したがって,血液中の糖分濃度(血糖値)が低い状態で始めても,低強度・長時間の有酸素運動を行えば,脂肪はちゃんと燃焼される. ○とはいえ,運動開始時の“着火材”として,少しは血中糖分もある方がよい. こんな感じでよろしいのでしょうか? 運動生理学に関してはまったくの素人であるため,はなはだしい勘違いをしているような気もします.間違った解釈をしているようなら,ぜひご指摘いただければ幸いです. ちなみに現在のトレーニングパターンは 朝5:30起床→オレンジ果汁コップ1杯&水コップ1杯ゴクリ→30分ストレッチ→約7km・1時間のジョグ&ウォーク→ストレッチ20分→朝食→あとは通常通りの生活 となっています.上記の解釈が正しければ,信じられないほど理想的な方法をとっているとも言えそうですが・・・