高圧受電設備の維持管理をしているものです。あなたが管理しているのは、自家用電気工作物ですか。もし電気主任技術者がいるのであれば、その人に一度相談してみてください。もし小さな工場であれば相談する人がいないと思うので、結論から言えば、この情報では詳細にはわかりませんが、基本的には問題ありません。ただし、気になった点も合わせて述べます。
1)電流が大きい
ブレーカの選定をするにあたっては、
(1)負荷電流の開閉が可能
(2)短絡電流の開が可能(ヒューズと組み合わせることもある)
(3)始動電流で不必要動作しない
((4)モータの過負荷保護をする)
といったことを検討します。また、電磁開閉器と組み合わせて使うのかどうかも大きな問題(過負荷保護をどこでするか)です。
負荷容量にあったものを選定すれば、(1)は問題ありません。(2)については、松下のNハイモータブレーカは2.5kAとなっているので、電力会社から低圧動力を受電しているのであれば問題ありません。高圧受電で変圧器の容量が大きく、尚且つ変圧器と機械の距離が非常に近い場合(ケーブルが短い)を除いては問題ないでしょう。これをきちんと検討するには、短絡電流の計算が必要になるので省略します。
(3)については、機械の始動時間が極端に長い(ファン等)もの以外はモータブレーカを使えば問題ないでしょう。
(4)については、既設にその機能があるはずです。Nハイにもその機能がついていますが、邪魔にはならないでしょう。
2)粉塵対策
これは全ての電気設備にとって大敵です。コンセントのトラッキング現象と同じような問題があります。また、この現象は直ぐに発生するのではなく、長年かけて進行するので注意が必要です。箱に入れる、そのような環境にあった機種を選ぶ等の配慮が必要です。
3)施工について
5.5kWのモータであれば結構大きな電流が流れるので、施工ミスは非常に危険です。また、相回転を間違えると機械を壊してしまうかもしれません。第1種電気工事士の人にお願いしたほうがいいですよ。(法的にはお願いというよりも必要)
配置配線図がないとわからないのですが、メンテ用も兼ねて機側にNハイをつけるのがいい(粉塵対策上きつい?)のでは。
おまけ
既設の設備の詳しい情報がないので正確なことはわかりませんが、電気設備というものは機械設備の為にあるのです。機械はどのようなものか。電磁接触器はついているのか。運転、停止は自動それとも手動なのか。メインモータということはサブモータもあるのか。それらを理解した上でないと結論は出せません。
ちなみに、待機運転するということで気になるのは、かなりの頻度で間欠運転する機械ではないのかということです。機械(モータ)の始動時には、始動電流と呼ばれる大きな電流が流れます。それを何度も流すと、最悪モータが壊れてしまいます。メーカいわく1時間に2~3回の始動頻度にしてくださいと言います(意外と丈夫ですけど)。1時間に5回、10回と運転停止を繰り返すような機械は、特殊なモータを使うか、待機運転(電動機は運転し続けて、クラッチのようなもので負荷だけ運転、停止する)を行います。そういう機械ではないですよね。
最後に
質問の趣旨から外れるような内容まであえて記述しましたが、この程度の知識がないものが設備をさわるのは、それなりにリスクがあるということです。とはいっても、専門の電気主任技術者を置いているような事業所は少なく、電気なんて知らないといった町工場が多数を占めているのが現実でしょう。あまり参考になったかどうかわかりませんが、気をつけて管理してください。
お礼
詳細なご回答ありがとうございます。 たいへん参考になりました。 みなさんの回答を参考に、会社側へ正式に提案したいと思います。