まず、神道の教義として、分祀そのものができない、という点があります。たとえば、日本全国に稲荷神社がありますが、それぞれ別のお稲荷様がいるわけではなく、全て同一のお稲荷様であり、全ての場所に同時に存在する、ということになります。
したがって、分社化を図ったとしても、祀られる神そのものは同一のものとなります。
日本は民主主義国家であり法治国家ですから、国が民間の宗教団体の教義を指導することは、特に法に触れない限り(例えば××様を信じていないものは殺しても良い、とか)は、できません。
なぜ分祀が出てきたかといえば、1)戦犯も合祀の対象に入っていることに中国等が難色を示していること、2)靖国神社が勝手に祀っている(と遺族が主張している)こと、の2点に分けることができるかと思います。
1)については、中国の外交戦略であることはすでに明らかです。
2)については、個人的には、40年近く何もいわなかったものが何を今更、といったところです。大体、例えば菅原道真も自ら望んで祀られているわけでもないでしょうしね。